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102話 反省した方がいい件

150話までに30000pvと300ptを目指します!

 振り返ると、行方不明だった連中のうち、マーサ達を除いた全員がいた。


 皆、ポカンとした顔をしている。


 「お前ら。今まで、どこに行ってたんだ?」


 「工場主に頼み込んで、布作りを体験させてもらってな………。布で終わらせるのがもったいなくなって、服を作ってみたんだ。集中しすぎていたのか、皆時間を忘れてしまっていたんだ。服を作り終わったと思ったら、外は真っ暗。工場主が夕食を食べていけと言うから、皆で夕食を食べて、いざ宿に帰ろうと思ったら、お前らが言い争っていたという訳だ………」


 エリカが地面を見ながら言った。


 コイツらは俺とアカリの言い合いを聞いていたからな。


 俺らが結構な時間を捜査に費やしたことを聞いて、目を合わせられないのだろう。


 「………本当に、申し訳なかったと思ってる………」


 コイツらに説教をするのは、少なくとも俺ではない。


 サーシャと担任だ。


 だからといって、「全然大丈夫!」と言えるほど、俺の心は広くない。


 俺は、何て声をかければいいんだ?


 「そんなことよりも、平民!その犭………」


 タァン


 「ひっ」


 ヴァントがコイルガンを空に放つ。


 「黙りなさい、シャルロッテ。『そんなこと』ではないでしょう?マスターがあなた達を探すのに、どれだけ時間をかけたと思っているのですか?あなた達が、やりたいこと事をしている間に、私たちはどれだけの地下室を破壊したと思っているのですか?」


 ………それな。


 俺らとしては、「そんなこと」で済ませられないんだよ。


 お前も、俺らの言い争いを聞いていただろう?


 実際に、マーサ達は攫われていたんだぞ?

 

 「なっ、なによ!平民の執事ごときのくせに!この私に説教!?」


 カチャッ


 ヴァントが、コイルガンをシャルロッテの方に向けた。


 これは、どっちだ?


 脅しか?


 本気か?


 「お、おい、ヴァント。それは流石に……」


 「儂からも、お願いするのじゃ!確かにロッテは失礼だった!じゃがっ………」


 タァンタァンタァン


 発砲音。


 バタッ


 バタバタッ


 人が倒れる音。


 それはシャルロッテの後方から聞こえた。


 近づいてみると、黒いフードをかぶって、手にナイフを持ったいかにも暗殺者のような人間が3人倒れていた。


 3人ともヴァントに額を撃ち抜かれたようで、絶命している。


 ヴァントが狙ったのは、シャルロッテではなかったのだ。


 「全く。自分の身も守れないような人間が、勝手な行動をするのはやめてください」


 シャルロッテは口元を押さえている。


 シャルロッテだけではない。


 女子生徒ほぼ全員だ。


 襲いかかってきそうだったとは言え、自分のすぐ近くで人が死んだのだ。


 胃酸が上がってくるのはよくわかる。


 俺は慣れてしまったが。


 「この死体、どうするよ」


 「ここは、治安が悪いですからね。死体の一つや二つ……まあ、三つですが、転がっていても、不思議ではないでしょう。死体漁りをした後、放置しましょう」


 俺とヴァントで死体漁りをしたのだが、結局何も出てこなかった。


 そのため、俺らがなぜ襲われたのかは分からずじまいだった。


 「皆ざん!無事で、よかっだでずぅ!本当にっ!」


 宿の前に、サーシャが1人で立っていた。


 よほど、心配だったのだろう。


 涙を流しながら、一人ずつ、抱きしめていった。


 「エルンさんたぢもぉ、ありがとうございましたぁ!」


 そう言って、俺にも抱きついてきた。


 周りからの目があるため、必死に離れようと抵抗してみたのだが、流石は剣術大会優勝者だ。


 力が強い。


 息がっ、できない。


 「ちょっと、サーシャ。これ以上はマスターが死にます」


 「ああっ!すいません!」


 「コヒュー、コヒュー。ゲホッゲホッ」


 ヴァント、よく言ってくれた。


 このままだと、サーシャに落とされるところだった。


 意識がね。


 「エルンさんには、また助けられちゃいました!」


 「いやー。俺は諦めようとしていたんすよ。お礼なら、アカリに言ってください」


 サーシャは、そっぽを向いているアカリの正面に行き、


 「お疲れ様でした!アカリさん!」


と言った。


 アカリの表情は見えない。


 「ところで、エルンさん。エルンさんが見つけてきてくれた方々は……マーサさん達みたいに、攫われてたり……」


 「なんか、工場で服を作ってたらしいっすよ?その工場主に夕食を食べさせてもらったらしいですし……」


 「…………え?」


 サーシャの雰囲気が変わった。


 俺は、これに近いものを2回ほど経験している。


 サーシャの怒り。


 逆に怖い笑顔。


 「聞き間違いじゃないですよね?」


 「はい」


 「………あなた達。集合時間に数時間遅れたのは、仕方ないです。マーサさん達のように、攫われていたならね。あなた達は何で遅れたんですか?自分たちの口で言えますよね?はーやーくー」


 ……何というか………。


 当然だな。

 

 反省することだな。


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