番外編⑪
☆
どうもどうも。
エルンだの、エルンストだの、平民だの、殿だの、師匠だの呼ばれているエルン=フォン=ウッドペッカーだ。
今回は、修学旅行のヴィルヘルムまでの旅路について話していこうと思う。
この修学旅行は6週間。
行きで2週間、ヴィルヘルムで2週間、帰りで2週間の予定である。
国外だから、とにかく移動時間が長い。
仕方がないよな。
地球内のように、数千km規模ではない。
十数光年規模なんだから。
ヴィルヘルムに着くまでに、3回ほど星系に立ち寄って、補給を受けた。
おかげで、艦内はそこまで不衛生ではなかったし、新鮮な野菜も食べることができた。
受肉したヴァントは、アカリと艦内を走り回ったり、筋トレしたりして、体力づくりに勤しんでいたな。
何回か、サーシャに注意されていたっけ。
他には………ああ、そうそう、久しぶりの遊びをした。
ニックが「最近、デウロで流行っている遊びだ」とか言って、大量のグラスとテーブルクロスを持ってきた時は何事かとおもった。
テーブルクロスは市松紋様……。
お分かりいただけただろうか。
久しぶりの遊びとは、挟み将棋のことである。
剣術大会で、娼婦と遊んで以来だった。
挟み将棋で意外な才能を発揮したのが、エリカ。
初めてプレイしたそうだが、一瞬でルールを記憶すると、俺以外を瞬殺。
俺はなんとかエリカに勝てたのだが、8時間ほどかかった。
頭が壊れるかと思うほど、疲れた。
今度、ちゃんとした将棋を作って、エリカと勝負してみよう。
しかし、挟み将棋をやったところで、2週間は潰せなかった。
そのため、何日かはサーシャやストックらと剣の勝負をしていた。
1番恐ろしかったのはストック。
サーシャは剣術大会優勝で、俺はこれでも準優勝だったので、ストックに負けることはなかった。
でも、何度倒されても立ち上がる姿は、まさにゾンビ。
ここまでくると、負けず嫌いなのか、努力家なのか、剣術バカなのか、自暴自棄なのかよく分からなかった。
俺とサーシャの戦績はというと、2勝57敗。
やっぱり、サーシャは強い。
それなのに、なぜ2回も勝利できたか。
この2試合だけ、なぜかサーシャがボーっとしてたのだ。
俺はそのチャンスを逃さなかった。
つまり、俺は実力で勝てたのではない。
はぁ。
まだまだ、遠いな。




