99話 集合時刻なのに、集合できていない人が多い件
目指せ!100話までに100pt以上!(10000pv達成!!)(あと1話で100ptを達成するのは多分無理!)
次の目標 150話までに30000pv以上&300pt以上
☆
ウー、ウー、ウー、ウー
「な、なんだぁ!」
俺は、突然鳴り響くアラーム音で目が覚めた。
極めて不快な音程である。
「おはようございます、マスター」
「おはよー」
なんで、コイツらはこんなに冷静なんだ?
………。
これ、目覚ましの音か。
なんで、こんな不快な音にしたんだよ。
空襲かと思ったじゃん。
無理矢理目を覚まさせるのに向いてるのかもしれないけどさ。
俺らは歩いて廊下に出た。
まだ、10分近くあるからな。
ゆっくり、ゆっくり歩いていこう。
廊下で他の生徒に会うことはなかった。
皆、工場でも見に行ったのだろう。
まぁ、貴族家連中にとっては、珍しい体験だからな。
流石の三男坊ズでも、見たことはないだろう。
ゆっくりゆっくり外に出たのだが、宿の前にいたのは、引率2人とニック達(男勢)、その他三十数人。
エリカ、シャルロッテ、アイリスなんかをふくめた、十数人が集まっていない。
しかも、集まっていないのは全員女子だ。
どこかで、買い物でもしているのだろうか。
ゴーーン、ゴーーン、ゴーーン
19時の時報。
集合時間になっても、全員集まってはいない。
……でも、時間に異様に厳しい日本とは違って、この世界ではギッチギチというほど厳しくはない。
国民性の違いとでも言うべきか。
俺の中の日本人は、抜けきれていない様子だ。
なら、なんでアイリスがいない?
アイツも、元日本人のはずだからな。
時間には、そこそこ厳しいはずだ。
あくまで、「はず」だが。
☆
俺らは待った。
15分以上。
おかしい。
この宿はわかりやすい場所にあるし、シーザー自体がそこまで広くない。
テキトーに町の中央部に向かっていれば、自然とここに辿り着くはずだ。
なら、なぜ?
引率2人は慌てている。
大慌てしている。
この集合率で夕食を食べに行くわけにはいけない。
「エルン……さん。どうするべきなのか、私にはわかりません。教えてください」
おい、サーシャ。
なんで俺に尋ねてくるんだ?
「私は…教師失格です…」
安心しろ。
サーシャが教師失格なら、ほとんどの教師が失格になってしまうだろう。
「んー。なら、サーシャはコイツらを夕食に連れて行ってやれ」
「エルンさんは?」
「どうにかするよ」
シーザーは治安が悪い。
誘拐や監禁……なんてことはないだろうが、もしもそうだった場合、これ以上被害を出さないためにも、サーシャをコイツらにつけた方がいい。
本気を出したサーシャなら、絶対に誰にも負けないはずだ。
「………分かりました。では、ご武運を」
「はいよ」
☆
「お兄さん!他のみんなはどこにいると思う?ボクは、グフタフ第二工場が怪しいと思うんだけど」
「あー。あそこは地下室があったよね。大麻栽培用の。あり得るな。セントレ市民館も、地下で大麻を育ててたから、候補にはいれておくか」
「そうだね!あと………」
俺が「どうにかする」と言った訳。
それは、俺とアカリが「メモメモ」プレイヤーだったからである。
初代のことならほとんど頭に入っている。
怪しい建物も、ほとんど。
「マスター、持ってきました」
ヴァントには、警棒とコイルガン、マガジンを二つ取りに行かせていた。
戦闘の可能性があるからである。
いくら「高性能な身体」と言っても、疲れには慣れていない。
体力がない。
コイルガンなら、そこまで疲れることなく、効率的に効果を発揮するだろう。
警棒は俺が使う。
剣の代わりにぶん回すつもりである。
「よし。これで、最低限の準備は整ったな。行くか」
まだ、誘拐等であると確信してはいない。
だが、誘拐と仮定して物事を進めさせてもらう。
いつまでも判断を下せずに手遅れになるなんて、後味が悪いからな。
もし、誘拐でなかったとしたら、どうしようか。
…………。
国王に、土下座かな。
逆に、本当に誘拐だったら、どうしてやろうか。
まず、労働者による誘拐の場合。
素晴らしいことに、ここの労働者は、職人ではない。
言い方は悪いかもしれないが、動力の補助があれば、変えのきく存在。
それを幾らか消したところで、恐らく国際問題にはならない。
見せしめかな。
ここの連中に対して。
トムソン第二共和国政府に対して。
そして、イージスの乗り手に対して。
資本家や政治家が誘拐した場合、慰謝料として限界まで金を搾り取るかな。
拒否してきた場合は、共和国政府に訴えよう。
その金は誘拐された生徒たちに与えるか。
「お兄さん…怖い顔になってるよ?」
「そうか?」
俺は自分の顔を触る。
口角が上がっている。
……危ない危ない。
戻しておかないと。
戦闘狂になるつもりはないし、快楽殺人鬼になるつもりもない。
絶対に、楽しんではいけない。




