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98話 シーザーに着いた件

目指せ!100話までに100pt以上!(10000pv達成!!)(あと2話で100ptを達成するのは多分無理!)


次の目標 150話までに30000pv以上&300pt以上

 ヴィルヘルム第2の都市、シーザー。


 シーザーは工業都市だ。


 主要な製品は織物。

 

 宇宙的に見ても、シーザーの織物工場の規模は最大レベル。


 生産量も最大レベル。

 

 実は、俺らが学園で着ている制服は、ヴィルヘルムで作られている。


 生産量が多い理由は、至ってシンプル。


 動力を用いた織り機を使っているからである。


 動力と言っても、蒸気機関ではなく、車軸を回す魔石をシャフトにくっつけているだけなのだが。

 

 ……まあ、こんな感じでシーザーを紹介したのだが、今俺らは、シーザー特有の運動を目の当たりにしていた。


 「給料を上げろ!」


 「休み時間を増やせ!」


 労働者運動である。


 彼らは生活のために運動を起こしている訳なのだが、俺らからすれば非常に迷惑だ。


 道路が労働者まみれで、魔道車が通れないのである。


 早、4時間くらいは止まっている。


 運転席のサーシャを見ると、時々地団駄を踏んでいる。


 ……ストレスが爆発して、労働者を轢かないでくれよ?


 「マスター。今すぐに拳銃で射撃をして、労働者どもに道を開けさせるのはいかがでしょうか」


 4時間前までは車酔いで死にそうになっていたヴァントも生徒も回復し、今では魔道車が動かないことにストレスを感じているようだ。


 また魔道車が動き出したら死にそうになるんだろうけど。


 「馬鹿。死人を出すのはやめろ」


 この世界には、コイルガンはもちろんのこと、拳銃すらない。


 そんな世界の労働者に銃を向けたところで、「何かを向けられている」程度にしか思わないだろう。

 

 空に向かって撃ったところで、「何か大きな音を出すもので脅されている」程度にしか思わないだろう。

 

 銃の力を示すには、誰かを撃ち殺す必要があるのだ。


 だが、国際問題にされても困るから、手を出さないつもりである。


 労働者側が襲ってこない限りは。


 「’お兄さん!ボクが外に出たら、道ができるんじゃない?’」


 「’確かに’」


 アカリの姿は巨大な狼。


 姿を見せるだけで、十分な威嚇になる。


 それが手っ取り早いか?


 「’一回、やってみて 。’先生ー!後ろのドアをあけます!」


 「え?わ、わかりました」


 ガチャ


 ギィィィィィィッ


 「うわぁ!デッカい狼だ!逃げろ!」


 「こ、こっちを見てる!逃げないと!」


 「うわーん!ママーーー!」


 効果はテキメンだな。


 「先生!どうっすか?」


 「いけます!ありがとうございます!」


 「’アカリ!OKだと’」


 「’良かった!よっと’」


 アカリが魔導車に乗り込んで、ドアを閉める。


 グアアアアッ


 魔道車が動き出した。


 ふう。


 やっと、前に進んだな。


 長かった……。


 「マスター」


 「どうした?」


 「車酔いが………」


 「まあ、頑張れ」


 「明後日の朝までの宿は、この宿です!」


 宿に着いた。

 

 サーシャが指を刺した先にあったのは、カイザーのよりは小さい、3階建てのレンガ作りの宿だった。


 「今日は、シーザー内を自由に散策してください!ただ、夕食とお風呂の時間があるので、19時の時報が鳴るまでにここに戻ってきてくださいね!では、解散!」

 

 散策か。


 現在、16時35分。


 2時間半弱あるな。


 とりあえず、俺の部屋で荷物を解くか。


 サーシャに、部屋の場所を聞かないとな。


 「サーシャ。俺の部屋はどこだ?」


 「エルンさんは………えっと、3階の1番奥の部屋です」


 「どうも、ありがとう」


 「いえいえ、教師ですから!」


 ガチャッ


 「え?狭くね?」


 俺の部屋は、三畳ほどだった。


 廊下の扉の密度から考えて、他の部屋も同じくらいの広さ。


 しかも、ベッドがない。


 こりゃぁ、シャルロッテがキレるな。


 「夜は雑魚寝するしかなさそうですね。マスター、今からどこに行きますか?」


 どこに行くかって言われてもな。


 「メモメモ」での経験上、シーザーには工場くらいしか見るものがない。


 あと、こういう工業都市って、治安と衛生が最悪なんだよな。


 産業革命期のマンチェスターも酷かったらしいし。


 修学旅行中に襲われるなんて嫌だし(アカリは狙われたけど)、体の健康ではなくなるのも嫌だ(俺は毒が体に回ったけど)。


 正直、どこにも行きたくない。


 「寝よっか」


 「そうですね。魔導車に長時間乗っていたせいで、疲れてしまいましたし」


 「ボクも賛成!」


 こうして、散策時間に寝ることが確定した。


 「マスター。見て下さい」


 ヴァントが腕時計を見せてくる。


 「ちゃんと18時50分に目覚ましがセットされてますよね?」


 朝の事を反省したのか。


 偉いな。

 

 「うん。合ってると思うよ」


 「よかったです。では、おやすみなさい」

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