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97話 カイザー出発な件

目指せ!100話までに100pt以上!(10000pv達成!!)(あと3話で100ptを達成するのは多分無理!)


次の目標 150話までに30000pv以上&300pt以上

 コンコン


 「エルンストさーん!」


 俺は、誰かの声で目が覚めた。


 ……「誰か」と言っても、俺を「エルンストさん」呼びする奴なんて、サーシャしかいないのだが。


 「何だ?」


 ベッドで横になったまま尋ねる。


 「出発の時間ですよ!」


 え?


 聞いてないんだけど?


 「マジ?」


 「マジです!執事さんから聞いてませんでしたか?」


 サーシャはヴァントには言ったのか。


 「おーい、朝だぞ!起きろ!」


 「う…うーん。ん?マスター。今、何時ですか?」


 俺の腹の上にあったヴァントの左手の腕時計は、7時27分を示している。


 「7時27分」


 「………え?いやいやいや。まだ、目覚ましは鳴ってないですよね?そんなはずは……」


 そう言って、腕時計をいじり始めたヴァント。


 目覚ましをかけたのは、偉い。


 かけたならな。


 だが、鳴らなかったということは、設定を間違えたか、目覚ましを設定だけしてかけていなかったかのどちらかだろう。


 「……誠に申し訳ありません、マスター!7時に目覚ましをかけたつもりが、17時にかけてしまっていました!出発まで、あと3分しかありません!」


 前者だったか。


 俺も前世でやったことがあるな。


 中2の運動会の時に。


 「やっちゃったことは仕方ない。急いで準備するぞ!」


 「はい!駄犬、起きなさい!」


 「………ふわぁ、よく寝たぁ。おはよう、お兄さん!」


 寝たら、罪悪感のようなものが薄れたのかな?


 いつものアカリに戻った。


 良かった。

 

 俺らは、服だの、拳銃だのをスーツケースに押し込み、レーションのゴミはゴミ箱に入れた。


 布団を軽く整え、床に落ちているゴミをパパッと拾う。


 よし。


 来た時くらい、綺麗になったな。


 部屋の中に少しレーションの匂いが残っているが、まぁいいだろう。


 ガチャッ


 「ふぅ、間に合ったか?」


 「ギリギリです。皆さんが待っているので、走りましょう!」


 うーん。


 なにか、重要なことを忘れているような……。


 「あ、あの。エルンストさん」


 サーシャが小声で話しかけてきた。


 「ん?」


 「私達について来ている、執事さんじゃない女の子はどなたですか?」


 どなたって、アカリだけど………。


 ………あ。


 やばい。


 アカリが人型のままだ。


 なんて説明しよう。


 「白狼のアカリだ」って言っても、信じられる訳がない。


 「どうしたんですか?早く、説明して下さいよ。ねぇ」


 サーシャはニッコニコである。


 怖い。


 めっちゃ怒ってるじゃん。


 「まさか、ここの住民を連れ込んで………」


 「違う!違うって!」


 どうしよう。


 ………百聞は一見に如かずか。


 「アカリ。人型のままになってるぞ?」

 

 「あ。忘れてた」


 グニャン


 「えっ?女の子が、白狼に?」


 戸惑うだろうね。


 俺がサーシャと同じ状況なら、絶対に同じ反応をすると思う。

 

 「………まあ、エルンストさんの連れですからね」

 

 なんで、それで納得するんだ?


 俺は化け物認定されているのか?


 「ま、マスタぁ……。私は、もう……ダメかもしれません」


 「大丈夫か?」


 「おおっと!あそこにおあつらえ向きのカーブが!」


 ギャギャギャギャギャギャァァ


 お察しの通り、俺らはまた魔道車で移動している。


 あの後、大混乱しているサーシャが魔道車の駐車場に向かったもんだから、気でも狂ったのかと思った。


 駐車場に着いた瞬間から、ヴァントの顔は真っ青だったなぁ。


 確実にトラウマになっている。


 魔導車に入ると、俺が倒れたことに対して、みんな心配してくれていた。


 俺を1番心配していたのはストックだっただろう。


 暑苦しさはあったが、嬉しかったな。


 目的地はヴィルヘルム第2の都市、シーザー。


 確か、カイザーから300kmくらいの場所にあった気がする。


 今の速度を時速60kmと仮定すると、5時間ほどかかる。


 これをあと、4時間以上……。 


 ヴァントが保てばいいが……。


 「酔い止め飲んだ?」


 「はい。飲みましたが……普通に苦しいです…」


 サーシャの運転に、酔い止めは効かないらしい。


 恐ろしいな。

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