95話 結構ふっかけた件
目指せ!100話までに100pt以上!(10000pv達成!!)(あと5話で100ptを達成するのは多分無理!)
次の目標 150話までに30000pv以上&300pt以上
☆
目を開けると、真っ暗で何も見えなかった。
俺が吸う空気は、新鮮とは言い難い。
妙に、圧迫感がある。
……布団の中か。
布団が頭までかけられているのか。
バサッ
「ふぅ」
顔にかかっている布団をのけた。
いい空気だ。
周りを見ても、誰もいない。
別のところに行ったのかな?
さーて。
状況を整理しよう。
なんで俺は倒れたんだっけ?
アカリの背中を探ったら針のような物があり、それが俺の手に刺さったのか。
針に即効性の毒があったって、ツヴァイが言ってたな。
なら、人間にその針が撃ち込まれれば、すぐに倒れるはず。
俺の知る限り、倒れた人間は俺だけ。
しかも、二次災害的にだ。
つまり、狙われたのはアカリだけと見るのが妥当か。
なぜだ?
博物館に、狼は立ち入り禁止だった?
それなら、博物館に入る前に止められただろう。
あと、毒がおかしい。
なぜ、致死性の毒が入ってなかったんだ?
そんな、捕獲前提みたいな………。
捕獲?
もし、俺が博物館の人間だとして、得体の知れない巨大な狼を生きた状態で手に入れたら、どうするだろう。
あるのかわからないが、研究所のようなところに連れていくだろう。
そうなったら、その狼は生物実験をさせられたり、剥製にされる可能性が高いだろう。
………推測だけどね。
部屋を見渡すと、ヴァントのスーツケースが消えていることに気づいた。
ヴァントはちゃんと、「死」の怖さを理解できただろうか。
できてたらいいな。
それはそれとして、なぜヴァントのスーツケースが無いんだ?
もう、修学旅行が終わってたなんてことはないよな?
いや、修学旅行が終わってたとしても、恐らくヴァントはここに残るだろう。
なら、なんで?
考えろ。
あの中には、核………。
核?
俺が倒れた報復に、博物館を核で爆破しようとしているのでは?
いや、ヴァントは頭自体はいいはずだから、爆破半径のことくらい考えてるだろう。
博物館を核で爆破すると、とてつもない衝撃波で宿のガラスが粉々になり、俺は血まみれ&被爆。
多分死ぬ。
そうなったら、報復の意味がないだろう?
よくわからないな。
『マスター。お目覚めですか?』
「おはよう、ツヴァイ。ヴァントって今どこにいるかわかる?」
ヴァントも右手に通信リングをつけているため、位置がわかる。
なんなら、通話もできる。
『アカリと一緒に博物館にいます』
………え?
本当に、報復?
「なんで博物館?報復とか?」
『報復ではありません』
なーんだ。
よかった。
『脅迫です』
全然よくないな。
「脅迫って、何やってるんだ?人質でもとってんのか?」
『先代達の行動を並べると、まず博物館に行って職員と接触し、入館客がいる中でアカリを攻撃した理由を電磁加速式拳銃を見せながら大声で聞き出そうとする。なかなか口を割らなかったので、ユニコーンの骨格標本に2発撃って両足(?)を破壊。威力を見せつけたところで、銃口を額に向けて、理由を聞き出すことに成功する』
……無茶苦茶やってんな。
「なんで、アカリを攻撃したって?」
『生物実験をするか、金持ちに売って研究資金にしたかったそうです』
よし。
有罪。
『それを聞いたアカリは怒り、一本の柱を限界まで魔法で削り、脅迫』
巨大な建物であればあるほど、小さな歪みに弱い。
柱1本無くなるだけで、簡単に崩れる。
あと少しで崩れるぞ、ってか?
アカリにしては過激だな。
……当然か。
狙われたんだから。
『自身ではこの2人を対処できないと悟った職員は、館長を呼び出しました。……で、今に至ります。現在の音声をお聞きになりますか?』
「映像じゃあ、ダメなのか?」
『煙が舞っていて、視界が悪いです。サーモグラフィーでいいなら出せますが………』
「なら、音声でいいよ」
『了解しました……………』
『……い、貴様!マスターに被害を及ばせたのにも関わらず、その賠償が金貨5枚だと?ふざけているのか!』
ヴァントが声を荒げている。
敬語じゃないヴァントなんて、珍しすぎるな。
金貨5枚か。
ラザフォードの金貨6枚につき、トムソンの金貨5枚を両替できるはずだから、日本円で約600万円。
結構ふっかけたな。
狙われたのはアカリだから、全額アカリ所有でいいか。
『十分でしょう!貴族家のお子様にケガはなかったのでしょう?』
確かに、怪我はなかったな。
倒れただけだ。
『何を言っているんだ?マスターは貴族家の「お子様」ではない!マスターはウッドペッカー家の当主、エルン=フォン=ウッドペッカー子爵だ!』
『なっ、あんなガキが?』
まだ、16歳だもんね。
間違えられるのは仕方ないか。
『マスターのことをガキと言ったな?外交問題にしてもいいんだぞ?’駄犬。ファイヤーボール準備’』
うわぁ。
外交問題というカードまで出しやがった。
この博物館が外交問題を生んだとなれば、恐らく評判は悪くなるだろう。
また、タチが悪いことに、ヴァントは大声。
聴衆に博物館に対する不信感を植えようとしているのか?
『ちょ、ちょっと待ってください!白金貨10枚、白金貨10枚出しますから……』
『ほう?ラザフォード王国も舐められたものだな!自国の子爵に危害を与えられて、賠償がたったの白金貨10枚?それを聞いたら、国王陛下はどう思うだろうな!もしかしたら、戦争になるかもな!』
日清戦争の賠償金が、前世の価値で約200兆円くらいのはずだからな。
戦争回避に12億円は少ないか?
『………わかりました。星金貨20枚で勘弁してください……。これ以上は、この博物館が保ちません……』
『いいだろう。後日、ラザフォード王国に金を振り込んでおくんだな』




