93話 死の恐怖な件
目指せ!100話までに100pt以上!(10000pv達成!!)(多分100pt無理!)
次の目標 150話までに30000pv以上&300pt以上
☆
宿は、超高級とまではいかないが、4階建てでそこそこ高そうだった。
部屋は、生徒一人一人に与えられている。
………お気づきだろうか。
人間一人一人ではない。
生徒一人一人である。
国王に、ヴァントは俺の執事、アカリはペットとして連れて行くように言ったため、二人とも生徒扱いではない。
そもそも二人とも生徒ではないのだが。
つまり、三人で同室である。
一部屋六畳ほどの広さであるため、一人が宿泊するには十分。
「なによ!なんで部屋がこんなに狭いの!」
……まぁ、こんなことを言っていた金髪ロールがいたけど。
三人では当然、一人の場合よりも狭く感じる。
しかも、ベッドやら荷物やらのせいで、さらに狭く感じる。
「これ、どうやって寝る?俺は床で寝ようか?」
「いえ、マスター。マスターがベッドで寝るべきです」
「ボクは地面で寝るの慣れてるし……」
「いやー、遠慮すんなって。このベッドは二人で使いな」
産まれたての体を、床に寝せるわけにはいかないだろ?
アカリは………ベッドで寝るなら、人型でだろう?
スペースが空くじゃん。
「う、うん。わかったよ。ありがとう」
「マスター、感謝します。覚悟して下さいね?駄犬」
ヴァントはアカリに何をするつもりなんだ?
気になるな。
「集合時間まで、あと15分ほどあります。荷物整理でもしましょうか」
荷物って言われてもな。
スーツケースに入っている服くらいしかない。
いやー、スーツケースって便利よな。
ヴァントは国王に直談判したため連れて来れたのだが、一応、使用人を連れてきてはいけないことになっているので、他の生徒はたいへんだな。
手で大量の荷物を持たなければならない。
そういえば、ニックがアルプトラウムでスーツケースを買ってたな。
ニックも楽をしているかな。
ガチャガチャッ
ゴンッ
ヴァントがスーツケースを広げようとしているのだが、妙に重そうだ。
何が入っているんだ?
俺は、ヴァントのスーツケースを覗き込みむ。
すると、スーツケースの中から、鈍い光沢のような物が見えた。
金属製品か?
「何を持ってきたんだ?」
「大した物は入っていません。薬袋と汗拭きシートと超合金製警棒1本と……」
警棒は自衛用か。
そういえば、俺、剣を持ってきてないや。
棒でもいいから、テキトーに買うか。
「電磁加速式拳銃1丁とそれ用のマガジン10本」
……っ。
まだ、自衛用だな。
「時限式粘着核爆弾2個」
「おい!修学旅行に核兵器を持ってくる奴がどこにいるんだよ!」
「後輩を……叩き潰すためです」
イージスに対する殺意が強すぎだろ。
なんで戦うこと前提なんだ?
戦わない方がいいじゃないか。
国王になるべく暴れないように言われてるし。
手を出されない限りはね。
「ってかさ、イージス対策ならインヴィクタスがあるじゃん」
「あり得ないとは思いますが、インヴィクタスの砲で後輩の装甲を抜けなかった時用です。イージスの装甲は複合装甲ではないため、核攻撃ならスポーリングを起こし、艦内はズタズタになるはずです。必要になった時には、私が特攻してでも……」
パンッ
俺は、ヴァントの頬を張った。
ヴァントは、なんで驚いたのかわからない様子である。
「ヴァント……。お前はもう、システムじゃないんだ。一人の人間なんだ。一回死んだら終わりなんだぞ?」
「しかし、イージスというマスターの障害は取り除けるはずです」
はぁ。
俺のためか。
「お前が死ぬことが俺のためになるとでも?」
「イージスを潰せるというメリットと、私が死ぬというデメリットを考えた場合、メリットの方が上回ると判断しました」
判断、判断って。
そこに感情は?
「お前は俺を支えるために受肉したって言ってたよな?」
「はい」
「死んだら、俺を支えれないぞ?」
「…………」
今までは、マート星が吹き飛ばない限り、ヴァントというAIは消失しなかった。
そのため、「死」というものとちゃんと向き合っていないのだろう。
「お前、今日は俺たちについてくるな。ベッドの上で布団をかぶって、『死』について考えろ。そして、『死』を恐れるようになれ」
「了解しました………」
☆
「さーて、皆さーん!聞こえますかぁ?まず、私たちが向かうのは、カイザー博物館です!」
ああ。
よく聞こえるよ。
博物館に行くんだろう?
「メモメモ」にも、あったな。
恐竜の化石とか、人類の歴史に関する資料が展示されてるんだよな。
「……エルンさん。何かありましたか?」
やめろよ、サーシャ。
みんながこっちを見たじゃないか。
「なんでもないですよ?」
俺は、ケロッとした声で答えた。
なんで、こんなにテンションが上がらないのだろう。
修学旅行なんだけどな。
「そうですか……。なら、いいです。行きましょう!」




