教壇下の部屋
もしあなたが既にこの部屋に潜んでいたとしたら、このやんちゃ少女がさかさまになって本の山に突き刺さっている景色を拝むことができただろう。ゆっくりニラードは体を起こした。全くの暗闇で平衡感覚がうまくつかめない。指先に光をともし、辺りを照らす。そこには、彼女の背の3倍ほども大きな本棚があった。それも、彼女を中心として輪を描くように並んでいたのである。とりあえず前に進み、どのような内容の本なのか確認する。
「白の歴史」
「白魔法大全―27巻」
「白の魔法の契約者」
ともかく、同じような題名の本がずらり、そしてびっしりと敷き詰められていた。丁度彼女の手の届く位置にあった本を手に取ってみる。
「白と黒の魔法」
ニラード自身、本を読書の習慣はなかったものの、そのタイトルに心ひかれた。自分のマントの中に忍ばせた。
「この部屋は・・・?」
光を消したその空間で彼女は考える。スニークはこの部屋の存在を隠しているのだろうか。白魔法の結界とはそういうことだろうか。ならば何故、このような有用な情報が自分たちに知られていない?やはり何か隠し立てをしているのだろうか。或いは、ひょっとして彼もこの部屋の存在を知らず、ニラードの感知能力の高さで以て、たった今発見されたばかりなのだろうか。ともかく、収穫はあった。あとはこのことを王に報告するのみである。
「あ、出口・・・」
出口の穴と分かる穴が閉じられてしまっていたため、正しい位置を見つけるまでニラードはもうしばらく頑張らなければならなかった。




