20XX年4月19日 "Apocalypse After"
20XX年4月19日 "Apocalypse After"("黙示録の後")
……翌日、俺たちはやっと街まで辿り着いた。
「ビクティム……か。」
桟橋に取り付けられた看板に書かれている『HAWAII THE VICTIM CITY』と言う文字を見つめながら……俺はそう呟いた。
「……とりあえず、食料も少ないし……。弾薬や武器……あと燃料も補充しねえとな。」
俺はそう一人で呟きながら鉄バットを片手に街の真ん中を歩く……が、しかし。
「……アンデット、いねえな。」
街には……アンデットも何も、いなかったのだ。
──所々に白骨化した死体があるが……。
そういえば、良は船に残してきた。
……足手まとい、と言うか……あいつをなるべく命の危険には晒したく無かったからだ。
『……か、かならず生きて帰ってこいよ! 』
そう言ってさっき俺を見送ったあいつの言葉がよみがえる。
「……ばーか。 言われなくても帰って来てやるよ。」
そう呟きながら、俺は目に付いた店のドアを開く。
「ァァア……。」
中には白骨化した女の屍と……初老のアンデットが一体。そして店の中には大量の銃と弾……。
……どうやら、ガンショップの様だ。
──そして、この屍達は……この店の店長とその奥さん、か……。
俺はこの人たちが生きていた頃に撮られたのであろう写真を……生きていた頃の初老のアンデットと笑顔で彼に寄り添う女……と、目の前のアンデットと屍の指にはめられた同じ指輪を見つめ、そう考えた。
「……せめて、安らかに……奥さん多分……待ってますよ。」
そう言って俺は思いっきり鉄バットを振り上げ……俺に近づいてくるアンデットの頭を──叩き潰した。
──「……とりあえず、明日は良も連れて食料とか船に積み込むか……。」
夕方──……そう呟きながら俺は船に戻って来た。
「おーい。良帰ったぞー? 」
そう俺が言った途端……ゆっくりと操舵室の扉がが開き、誰か出てきた。
……そいつは、アロハシャツを着たまだ若いネコヒトで──……その目は白濁し、口やシャツにはまだ真新しい血が──滴っていた。
ネコヒト……いや、怪物は俺に気がつくとゆっくりと近づいて来て……、
──バァンッ!
……そんな銃声と共に、ネコヒトは頭から腐った血と脳味噌が混じったモノを吹き出させ……倒れた。
「……へへっ。だいじょ……ぶ……か……? はや……て……。」
開いたドアから這いずるように出てきたのは……血まみれでライフルを抱えた良で……。
「おい! 大丈夫か良ッ!? 」
良に近寄った俺が見たのは……良の首に痛々しい程に刻まれた──……咬み傷、だった。




