アリアンローズの家出
あれから…シーランとのやり取りをする気になれず手紙も出さなかった。シーランが自分から本当の事を言ってくるだろうと思ったけど手紙にはヒロインに関する事はなくて私からも切り出せないまま、返信はしなかった
「アリアンローズ様…最近は誰ともお会いにならず、王様も王妃様も心配しております…」
「気分が乗らないだけよ…気にしないで…」
侍女達が心配しているのが分かるが…このままシーランが入学してきたら気まずいだけだわ
私が入学するまでは会いたくない。ヒロインだって…。そうだ…手紙を読むのも嫌だし家出しようかな…。
「フィン…居る?」
「はい。皇女殿下」
「貴方の領地に行きたいわ…エルネストも居るんでしょう?しばらくかくまってくれない?」
「それは…王宮から内密にお出になられると言う事ですか…?」
「そうよ…1年8ヶ月後には戻るか分からないけど…シーランに会いたくないの…」
「せめて王妃様に相談して承諾を貰ってからの方が宜しいかと」
「そうね…お母様ならきっと分かってくれてお父様を何とかしてくれるわよね…」
「王妃様が宜しければ我が領地で良いなら歓迎しますが、公爵のお客様としてですので王族としての暮らしは出来ませんが」
「いいの。平気よ。誰にも分からずに行くわ…髪も染めて短くするし。シーランの間者は排除しとくて」
「かしこまりました…皇女殿下」
「お母様、私はしばらく家出します。どこかに留学したとでも言っておいて下さいませんか?」
「アリアンローズ…急にどうしたの?」
「ちょっと考えたい事があって…シーランに会いたくないのです。しばらくフィンの領地に行ききます」
「婚約者候補になったからスネているの?」
「違います…逆です。距離を取りたいんです」
「あんなに仲が良かったのに…貴女がそう考えるなら訳有りなのね?いいわよ。フィンの領地なら心配ないし漏れないわね」
「お母様…ありがとうございます…」
「そんなに思いつめた顔して…あの人が婚約者候補者を4人だなんて言ったからね!あんな小さい頃からのシーランと結婚すると言ってたのにこじらせて!国益なんて考えなくてもいいわよ!好きにしなさい」
「はい、お母様…」
フィンの領地でエルネストが居る公爵家
「ごめんなさいね…エルネスト」
「いえ、素性がバレないように名前もハリーとしていますが本当に影修行をなさるのですか?貴女は守るべき人なのですが…」
「鍛えるわ!何が有るか分からないし1年以上も居るのよ。影修行にはもってこいだわ。護身術とか覚えた方が安心よ!」
「あんなに見事髪も短く切ってしまってビックリしましたよ」
「髪なんて伸びるわ!それより本当にバレない?大丈夫?フィンはエルネストには良い修行だなんて言ってたけど…」
「こちらでは私が守りますし、見知らぬ者がこの領地に入れば直ぐにバレます。怪しいなら排除しますから安心して下さい」
「そう。じゃあ、王族の影と言われてる公爵家の洗礼を受けて強くなるわよ!遠慮なく鍛えてね!」
「それは…ちょっと難しいかと…」
シーランサイド
「アリアンローズが留学だと?」
「はい。場所は分かりません。国内なのか国外なのかも」
「最近、全く返信も来なくて何か有ったかと思ったが…ララティーナの事がバレたのか?」
「かもしれないですね…いつ戻るかも誰も知らないとか」
「他の王族の国ではないだろうが…ララティーナの事がバレてるなら言わない俺に会いたくないんだろうな…」
「間者が排除されたところを見るとそれは確定でしょうね…」
「一応、考えがあっての事だが…婚約者候補としても立場がないな」
「はい…。手紙も読んでなかったと聞いております」
「はぁ、参ったな…まさか家出するとはな」
「アリアンローズ様は嘘が嫌いな方ですし、黙っていたのが他の王子から聞いたとなると言い訳も通用しないかと」
「グリフォンだろう?完全に俺と別れさせる為に策略だろうが…言わなかった俺に腹を立ててるのが大きいな。他の王子とも会ってないなら救いだろうが…許してくれないかもな」
「えぇ、自分よりも側に置いてると分かったらアリアンローズ様はきっとショックですし悪手かと思いますよ」
「お前まで俺を責めるのか?仕方ないだろう。死ぬとまで言われたら…俺は好都合だったがアリアンローズに危害を及ぶと言うから国においてやったが…話が全然違う事になるんだよな?5人の攻略キャラが全員アリアンローズ推しだからな。ヒロインが出たところで変わるのか?」
「知りませんよ。アリアンローズ様に許して貰えるといいですね、殿下」
「素直に言えば良かったんだが…家出までされたら今更どうする事も出来ないしな…俺とヒロインの事、絶対に誤解してるよな?最悪だ」




