事務子と加算
今回も改定に関する話題です。
診察時に支払うものには、初再診料や検査費だけではなく、加算と言うものがつく場合があります。
休日や夜遅くに受診するとつく時間外の加算や緊急の処置に対する加算、スタッフを増やして手厚いケアをする為など多岐にわたります。
これらがなぜつくのかと言うと、患者さんにより良い医療を提供する為です。
時間外加算は、夜間・休日でも開いている医療機関があることで急な受診に対応できるように。
緊急の処置にいつでも対応できるように常にスタッフを配置して待機する為に。
手厚いケアが出来れば患者さんにより質の高い医療を提供できるから。
などなど、加算がつくのには患者さんにとって見えないメリットがあります。
加算をとれるようにする為に、医療機関はスタッフを確保したり、個々人の能力を高めるために勉強をよりするようになります。
今回の改定では、患者さんにとっても医療機関側にとっても全くメリットのない加算が新設されました。
「電子的保険医療情報活用加算」です。
これは、マイナンバーと保険証を一体化させたいわゆる「マイナ保険証」と言われるものを読み取る機械を導入している医療機関がとれる加算です。
患者さんがマイナ保険証を提示しなくても初診時に約20円、再診時と薬局で約10円患者さんの負担が増えます。
この加算の目的は、機械を導入する為に患者さんに負担してもらおうというものです。
患者さんの治療を進めるにあたって、患者さん側に全く関係ない意味のないものだと思いませんか?
保険証がマイナ保険証だからと言って何か治療が変わるわけではありません。
この機械を導入している医療機関はおよそ10%と言われています。
ここからは私の体験と私見になります。
マイナ保険証を普及させるために厚労省からの医療機関への圧力がかなりすごいです。
この1年ほど、機械を導入するようにとの通知が何回も来たり、なぜ導入しないのか書類を提出しろと言われました。
機械を導入するのに補助金が出ますが大した額ではないうえに、PCとも繋がないと使えないうえにメンテナンスにも永続的にお金がかかります。
そんなものにお金をかけるならもっと患者さんの為になるものに設備投資したいです。
しかも現状では保険証でなにも問題もないですし。
元々、マイナンバーカードは持ち歩いてはいけないもの、他人に見せてはいけないもののはずなのに病院に持っていくのはおかしいのではないでしょうか?
もし院内で患者さんが落としたり紛失した場合、どう扱えばよいのか分かりません。
表向きは事務作業を減らすため、医療データを集めて活用する為と厚労省は言っていますが、どう考えても負担にしかならないし、国がマイナンバーカードを進めたいが為に無理矢理やっているようにしか見えません。
本当に良いものであれば機械の導入率が10%にならないはずです。
医療データの活用とは一体何なんでしょうか?
医療機関が毎月保険元に請求をするレセプトのデータを集めて解析すれば簡単に情報を集めらます。
健康状態は究極の個人情報なので、データを取られたいと思う人はほぼいないのではないでしょうか?
また、とある保険組合ではマイナ保険証にする作業でミスがあり、希望した人達の保険の番号を間違えるというミスが起きています。
無茶に進められたせいで末端にしわ寄せがきています。
そんな不満を抱えていたら、5月末にこの加算が廃止の方向で検討されているというニュースが出てきました。
わずか一か月で廃止が検討されるとは・・・。
開始直後に廃止とは、どのような思惑でこの加算がつくられたのか是非聞きたいものですね。
全国の医療事務の方々はやっぱりと思ったことでしょう。
しかし、ただ廃止ではなく、来年から機械の導入原則義務化と再来年には保険証を廃止してマイナ保険証のみになる方向らしいのです。
もしこれが確定の話になるのならば、これを機に閉院するクリニックが大量に出てくる可能性があります。
長年地域で開業しているクリニックは医師の高齢化とこの機械の導入義務化に後押しされて閉める決断をする所が出てくると思います。
厚労省の狙いはそこにもあると思います。医療機関を減らせばそれだけ医療費を抑制できると思っているからです。
過疎地域にある医療機関が閉院していったら患者さんは気軽に受診ができなくなります。
マイナ保険証を国民の賛成がないまま強制的に進めることは一体誰の為なんでしょうか?
マイナンバーカードは元々どのような目的で作られたものなのか、保険証と一緒にする必要があるのか、そこの検討からしてほしいものです。
皆さんは、マイナ保険証にしたいですか?持ち歩きたいですか?
私はマイナ保険証にしたくない派です。持ち歩くのが怖すぎます。
次回は7/31投稿予定です。




