で、これからどうする……?
「どうすんのよ、これから。
雨、降らせられるの? あんた」
龍美にあてがわれた部屋にやって来たリラはその豪華な内装を見て、チッと舌打ちしたあとでそう訊いてきた。
一応、心配してくれるんですね、ありがとうございます、と思いながら、龍美は言う。
「いや、私は雨を降らせるなんて言ってませんよ。
そもそも、私、晴れ女だし」
そういえば、そうだったわね、と言ったリラは、
「そうだ。
とりあえず、この国から出ていけばいいんじゃない?
晴れ女のあんたが」
「それは一理ありますね。
私を追放したら、雨が降りますとか言ってみるとか」
いや、こんな古代な感じの異世界で追放されて、どうやって生きていったらいいのかわからないのだが。
まあ、とりあえず、生贄にされることはないかと思う。
そのとき、
「お前がいないときから降ってないのに、お前を追放したら、いきなり雨が降るとかないだろう」
そんな声が背後からした。
……近くにいたのか、王様。
この部屋の扉は開けっぱなしというか、そもそもない。
廊下から入り放題だ。
警備とかどうなってるんだ。
生贄になる前に、謎の反対勢力に殺されるとかありそうだ、と龍美は思う。
お付きの者たちを引き連れ、現れた王様の姿を見た瞬間、リラは、さっと跪いていた。
長くこの国にいた貴族のような対応の良さだ。
ほんとうにこの人のこういうところ凄いな、と龍美は思っていた。
「準備期間がいると言っていたが、どのくらいかかる」
そう王様は龍美に訊いてくる。
「……そうですね。
まず、資材を確認しませんと」
「資材?」
「街に水を引くための」
「……雨降らしの儀式をするんじゃないのか」
「私はあなた方に『水を与える者』だと言っただけですよ」
私の思う儀式はあなた方のそれとはまた違います、と龍美は言う。
「だいたい、聖女ってなんなんですか。
神の力に頼らず、人は人の力でどうにかするんですよ」
ひっ、あんたなに言ってんのよ、と顔を上げたリラが見る。
だが、王様は別に怒らなかった。
「……まあ、そうしたいところだが。
この国はかつて、あの儀式で雨を降らせている。
もう後戻りはできない」
「聖女の儀式で雨が降ったんですか?」
そう問うてみたが、王様は何故か沈黙している。




