第6話 攻略対象と目が合ってしまったという地獄
よし!傭兵さんの記憶もちゃんとすり替えたし、とりあえずは安心!…て思ってた私がバカであった。
「……」
入学式会場に来たのはいいものの…めっちゃ注目されてない?私が平民だからっていう理由にしても流石にじろじろと見すぎじゃない?
「なぁ、あの子めっちゃ可愛くねぇか?」
「平民らしいぜ?」
「マジ?じゃあ、俺らもワンちゃん狙えんじゃね?」
残念だが、全部聞こえてんだ。あと先に言っておこう。お断りします。近寄らないでください。
それにしても校長先生…いい言葉言ってんじゃない!私、男は嫌いだけど、あぁいう老人系は結構いけるんだよね~。あの髭さわってみたいなぁ…
「続いて、新入生、学年主席生徒の挨拶。」
主席生徒…ね。…ふっふっふ。ゲームではヒロインが主席で挨拶をしていたけれど私は違う。テストは筆記でどれも楽勝だったけれど平均めがけて落とすことができた。
これで攻略対象たちが「あ…さっきの!」「学年主席?すご~い!」って言われることはなくなるはず!
あぁ~。私って天才かも!
「続いて、在校生の言葉。在校生代表、アダムラフテリア・ネイテイル」
…でやがった。アダムラフテリア。この国の…王子。しかも...攻略対象の一人でメインルートのキャラ。
あぁ...見るだけで吐きそう。...気持ち悪い。
「やぁ、新入生の諸君。君たちに出会えたことが嬉しいよ。」
どうせそんなこと思ってない癖に。はぁ、これだから腹黒は。
「特に今年はおもしろい子がたくさんいるようだね...」
その言葉を言った瞬間、アダムラフテリアはこちらに視線を向ける。
「..⁉︎」
まってまってまって!なぜ、王子がこちらを見てい⁉︎一体なぜだ??
とりあえず、状況を整理しよう...。
...まってめまいがしてきた。吐きそう...
「キャア!」
「アダムラフテリア様がこちらを向いてくださったわ~」
「違うわよ、私に向いて下さったのよ。」
近くの方の女子たちが乱闘をする。
あ!そうだよね~。王子が私に視線を向けるはずない!一瞬...ヒロインと王子はゲームの運命的に結ばれる⁉︎みたいなことも想像したけど、問題なくて一安心。
私ははぁ…とため息をつく。
「はやく終わってよ…」




