第49話 欠席したいのにという地獄
「ちょっとマイナ・ポタイン?殿下やデューク様、ましてやオリバー様への態度が軽すぎるのではありません?」
男嫌いだから、しょうがないんだよ。
私は心の中で呟く。
「あの御三方にそんな態度を取れるのは、あなただけなのですよ?」
それはそれは光栄で。そんなにしたいなら、セシリアだってすればいいものを。
「コホン。それはさておき。そろそろ学園で行われる学園創立記念パーティー、ドレスはお決まりになりました?まさか、出ないというわけでもありませんよね?」
セシリアは私を嘲笑いながら、そう言ってくる。
「出ません。」
「出ないということはありえな…。え?いま、なんておっしゃったの?」
「出ません。」
「学園の創立記念パーティーですのよ!?」
いや、そんな男がよってこそうなパーティーに男嫌いが参加するわけないじゃん。ドレス着るの面倒くさいし。
「…っ。せっかく、この際にマイナ・ポタインを虐めようと思ったのですのに…。」
セシリアは私から少し離れそう呟く。
おいおいセシリア聞こえてるってば。
「平民。まぁ、出ないのがお似合いですこと!そうやって悔しがっていなされな。おーほっほ!」
悔しむもなにもないから。この際言っちゃうと。
◇◇◇
「マイナ~。なんかお客さんが来てるみたいよ~!」
「は~い、今行く。」
私は急いで玄関へ行く。
私に客?珍しいこともあるものだ。
私が扉を開けると、目の前にいたのはお忍びで来ていた王妃であった。
「王妃様⁉」
私は静かにそう呟く。
「このような見苦しい恰好でもうし訳ありま」
「そんなにかたくるしいことしないで。この通りお忍びできてるから。」
王妃様に対して、平民の私がそんなふるまいしたら、首ズバだよ、ズバ。
王妃様の言葉に護衛の騎士たちの顔が真っ青になる。
「それで、どうしてこちらに?」
「あぁ!そうだった。あれを持ってきて頂戴。」
王妃様はある騎士にそう言って、とある箱を持ってこさせる。
「この箱、開けてみて?」
私は王妃様の言葉通り、箱を開けてみる。そこには、赤色のシンプルでありつつ、大人っぽいドレスがあるのであった。
...おいおい、まさか⁉
「学園創立パーティーで着るドレス。ここら辺の町の店じゃ、他の貴族たちに色々言われちゃうと思ってね。これ着ていけば、もう文句なしだと思うの。」
王妃様からもらったドレスを平民が着るだなんて、文句だらけでしょ⁉
「なぜ、王妃様自らいらしたのですか?」
配送すればいいのに。どうしてきたの?
「そしたらマイナちゃん。届かなかったって嘘ついて、パーティーに来ないかもでしょ?」
「⁉」
確かに、絶対そうしてた。王妃様...私の心を読むエスパーだったり?
「このドレスを着て、パートナーはうちの息子をよろしくね!」
「…恨まれそうで怖いのですが。」
「私からドレスをもらっておいて、欠席した方が怖いんじゃないのかしら?」
王妃様はにやりと笑った。
ひぃ!王妃様。恐るべし!
「行かなきゃなの…?」
私は絶望をあらわにするのであった。




