表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
45/51

第44話 ゴールまでが遠いという地獄

「もうすぐゴールなのです。」


ユメリアは最初とあまり変わらない速度で走り続けていた。


「あのおじさんはなんだったのですかね。すばしっこかったのです。」


ユメリアはおじさんのことを考えていた。


そのときだった。


目の前におばあちゃんが現れたのだ。


「はて…。」


おばあちゃんは足をどうやら怪我しているようだった。


「大丈夫なのです?」


ユメリアはおばあちゃんに尋ねる。


「この年で、ここらを散歩してたら枝に引っかかってしまってね。それでこの傷だよ。」


傷はそれほど深くはなかった。


「困ったね…。これから亡くなった夫の葬儀に行く途中っていうのに、この足じゃ、ねぇ。」


ユメリアは悩んでいた。


このおばあさんの夫の別れを見送らせてあげるか、自分が騎士団試験の第一試験を突破するか。


おばあさんを見捨てれば、葬儀に間に合わない。かといって、試験を放棄した場合、ユメリアは二度と試験を受けられなくなる。


この騎士団試験は、試験を放棄した場合、2度と受けられなくなるという決まりがあるのだ。


つまりユメリアは、自分の夢を捨てるか、おばあさんとその夫の最後の別れを捨てるかのどちらかとなったのだ。


「…。」


ユメリアは悩んだ。


「私はどうすればいいのです…。」


◇◇◇


ったくなんなのあのルークって騎士団長!?ペースが遅い人に風魔法使って「遅いよ遅いよ!ほら、走って走って!」とかいうし!!!


落ちる気満々の私はもう疲れ果ててる。限界だよ限界!


私が疲れ果てながらも走っていると、なにやらユメリアを発見した。


ユメリア!?なんでこんなところに…。最前線にいたんじゃ、なかったの?


私が様子をうかがうと、おばあさんがなにやら怪我をしていた。


「大丈夫!?今すぐ、魔法で」


って、使えないんじゃ〜ん!!!!なんでこんなときに。


「困ったねぇ。夫に最後の別れをしたかったんだけど、もう遅いかね…。」


何この人、このあと葬儀なの!?足怪我してるから動けないってわけか!理解!


私はいそいでおばあさんをおんぶする。


「ユメリア!おばあさんは私が夫さんのもとに届けるから、あなたはゴールめがけて走りなさい!」


私はまっすぐにそう言う。


「でもそれじゃあ…マイナが…。」


「いいから!」


「…頼んだのです。」


ユメリアは静かにそう言って、ゴールへ走っていった。


「嬢ちゃん。試験中だろう?よかったのかい?」


「試験なんか私、どうでもいいし。」


もともと落ちる予定だったんだから、ユメリアと違って悩む必要もないからね。

リアクションや評価、ブックマークをしていただくと、とても励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ