第37話 地味に心に傷がつくという地獄
「マイナちゃ〜ん!これ、運ぶの手伝ってくれな」
「すみません急いでいますので。」
「マイナちゃ〜ん!この問題どうやって解く」
「私よりデューク様に聞くのが懸命な判断かと。」
「マイナちゃん。今度の実技の授業、ペアに」
「アダムラフテリア様からの先約がありますので。」
私はそう言って、ここ一週間、オリバーのことを避け続けた。
「…あの、僕のこと避けてません?」
彼からそう言われたのは、あれから一週間たった日のことであった。ローズガーデンでお茶を楽しんでいるときにオリバーが来た。
「まさか!オリバー様を避けれるほどの身分ではございませんので…。」
「嘘だ!絶対避けてるもん!…それに、アダムだってぇ…。」
「…俺か?」
アダムラフテリアは何も知らないようなフリをする。
「二人で僕を仲間外れにして…。酷いよぉ〜。」
「それを言っては、私も仲間外れにされていることになるが?」
おっと!ここでデューク選手が木の上から登場する!!!!そして、私のメーターが死ぬ!!!!
「殿下。」
「了解。」
殿下は胃薬を私に魔法を通して渡し、私はその下剤を飲む。
「落ち着いたか?」
「こんぐらいは。」
私は親指と人差し指で消しカス分くらいの大きさを示す。
「なら、まだ平気だな。」
「ねぇ、2人でコントでもやってるの?」
オリバーがここで口を開く。
「というか、デューク!なんでここにいるの?」
「俺の昼寝場所だ。」
デュークがそういうと、オリバーは「へぇ…。汚くないの?木。」と呟く。
「ぐすん…。3人とも、僕に秘密でここで密会してるんだ。酷いよぉ。」
密会?なんのこと?いや、ここにデュークとアダムラフテリアが来てるのはただの偶然で。
「殿下、どうにか説得してくださいよ。」
私は小声で殿下に頼み込む。殿下は深呼吸をして、口を開く。
「悪かった。オリバー。オリバーも、俺たちの密会に入りたかったんだよな?」
「「…は?」」
私とオリバーがそう呟く。
「仲間外れにするつもりはなかったんだ。ただ、どうしても、マイナがここのローズガーデンでみんなとお茶をしたいと言ったんだ。『自分には、友達がいない』っと言ってな。」
なにその設定。…でも確かに全然友達はいない…。悪かったわね!友達がいなくて!!
「そこがたまたまデュークの昼寝場所だったんだ。許してくれ。」
こんなんで許すわけないでしょ?正気なの?この王子は????
ほら、デュークもなんとか言って…
デュークは木の上から『あとは頼んだ』という魔法を空中で文字を浮かばせ、私に見せて、昼寝に戻る。
…あとで、レーザーあててやるか?それより…。
私は緊張した様子で、見ていた。
オリバーは口を開く。
「じゃあ、アダムは友達がいないマイナちゃんを気遣ったってこと?」
さっきから妙に心に傷が刺さるんですけど?痛いよ、すごく。
「それって…アダムとデュークやっぱり優しいね!!!!!!」
…ん?なんとか、なったの?
オリバーは私の目を見て、口を開く。
「ごめんなさい。僕、マイナちゃんは人好き合いがいいと思ってたから、すぐ友達ができると思ったんだ。気にかけてあげれなくてごめんなさい。」
…まさか謝罪がくるなんて。…でもこれで、魔王討伐のときは、味方になってくれるよね?
なんかめっっちゃ心にトゲが刺さった感じがするけど。
「じゃあ、僕も友達になってあげる!」
なんか妙に私にグサッと刺さった気がするんですけど!
「でもさぁ、どうして、アダムに魔法なんかかけたの?」
「そ、それは…。」
私は殿下の顔をちらっと見る。殿下は「ごまかせ。」という目で私を見てきた。
「知らない人には魔法で防御と親に教わっていまして…。」
咄嗟に絶対に嘘だと言われる嘘を思いついてしまう。
デュークは木の上から本を落とし、アダムラフテリアは笑いをこらえていた。
絶対、こんな嘘、誰も信じな
「変わった親もいるもんだね。」
え?信じた?信じたの???嘘でしょ????
私は一人テンパっているのだった。




