第20話 勝負に負けたという地獄
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「...は?」
そう呟くことしかできなかった。
周囲の歓声も耳に届かないくらいの絶望だった。
噓でしょ...負けたの?あの男に?従者にならないといけないの?冗談じゃない。
顔が青ざめていく私を見て、セシリアはニヤリと口角を上げた。
「あなたはこの学園から去ってもらうことができるわね。」
「いや、そっちは嬉しいんだけどさ...」
私はそう小さく呟いていた。
「マイナ...」
ユメリアは絶望そうな顔をして、地面に顔をぶつける。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ユメリアがもっとレベルが高かったら...」
私の考えが甘かったんだ。
この世界、なんでも乙女ゲーの知識で大丈夫だと思っていた私がバカだった。この世界はあのゲームの中の世界だけど、そもそもヒロインがおかしいし、シナリオ通りにならないといってもおかしくない。むしろ、ヒロインがズレている時点でシナリオ通りに行ったら、異常だ。
今回ばかりは諦めるしかないようだ。従者...すんごい嫌だけど耐えるしか...あでもすごい嫌だ。
「学園を出て行けといわれているのにやけに落ち着いているな。」
「だから、学園を出て行くのはハッピーだけどあんたの従者になる件は嫌で」
私の言葉に周囲は困惑していた。
「おい、アダム。お前、そんなことをマイナ嬢に言ったのか...?」
デュークはどうやら頭を抱えた。
「...え?」
ユメリアはまだどういうことか理解できていないようだった。
「...はぁ?どういうことですの?従者?この者が??アダムラフテリア様、何をお考えになってそんなことを⁉」
セシリアはアダムラフテリアに問い詰める。
「そういえば、言ってなかったな。マイナ嬢が負けたら、俺の従者になれと言ったんだ。」
アダムラフテリアは笑顔でそう答える。
「じゃあ、あの女はアダムラフテリア様の従者になりたくてわざとこの勝負に負けたってこと?」
「いいなぁ。アダムラフテリア様の従者。」
「私も学園をやめてもいいからアダムラフテリア様の従者につきたいわ。」
なら、変わってくれよぉぉぉ!!!
私は心の中で叫んだ。
「ちょっとあんまりじゃ、なくて?」
セシリアは私の前に立ってそう言った。
「アダムラフテリア様の従者になりたいからと言って、私との勝負に手を抜いたのですか?」
「あ、いや...。別に手を抜いたわけでは...。」
もう、どうしたらいいんだよぉぉぉぉ!!!!そもそも勝負を持ちかけてきたのはセシリアの方でしょ?なのになんでそんなに怒っているの????
「殿下!その命はあまりにも浅はかなのではないですか?」
「確かに、光魔法の使える器を従者にするのはもったいないな。よし、変えようではないか。」
アダムラフテリアのその言葉に私は笑みを浮かべる。
じゃあ、従者の件は取りやめに!
「マイナ・ポタインを2年生としてセシリアが一度追い出したあとにこの学園に入学させよう。」
「はぁぁぁぁぁ???????????」
私は彼の身分など気にもせずにそう叫んでしまったのであった。




