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第19話 私が魔力測定を本気で挑まなければという地獄 

「最後に魔力測定です。この装置を握ってください。」


先生はなにやら前世でいう握力測定器のような物を所持していた。


「これで勝負が決まる...」


今のところ、ギリギリってとこかしら。ユメリアはそこそこってとこだったからある程度光魔法の手のうちを明かしてしまったけど...


「しょうがないよね...こればっかりは勝たないといけないし...」


この魔力測定...レベルによって入るポイント数が変わる。高ければ、高いほど、ポイントが多い。


つまり、五分五分のこの状況の今、このレベル測定で勝った方がほぼ勝ちというわけだ。


「レベルはバレたくなかったけど...やるしかないよね。」


この勝負は勝たなければならない。従者になりたくないし、それに...


私は気づけばユメリアの方に視線を送っていた。なにやら、表情がさっきより暗くなっていた。


「ユメリア・カンファ二オン。」


先生に呼べれユメリアはレベル測定をしに行く。

彼女の持っている魔力測定器はレベル15と表示された。


「あら?伯爵家でもあんな数値ですの?」


「カンファ二オン家の一族はレベルが高いとお聞きしましたが」


「でも、ユメリア様のお兄様方はレベルの高いとお聞きしましたわ。」


「では、あのお方だけ無能ということでしょうか?」


「あのカンファニオン家の血を引いていると思いませんわね。」


カンファニオン家は王家も目を引くほど、魔力レベルの高いと言われた一家だった。彼女たちの兄は最初のレベル測定でレベル30はあったという。


だからこそ、彼女は兄たちと比べられるのだろう。


...といっても、レベル15以下のあんたたちが言えることじゃないと思うけど。


「セシリア・パラメータ」


「セシリア様のようね。」


「レベルはおいくつなのかしら。」


セシリアの測定器は40と表示され止まった。


「れ、レベル40⁉」


「あのカンファ二オン家のレベルを越しましたの⁉」


「あはは...だろうね。」


私はそう呟いた。


ここはゲームでもあったシーン。最初のレベル測定でレベル40という高い数値を出した悪役令嬢がヒロインに向かって「ほら見なさいよ。」みたいな顔で見てくるの。


セシリアは私に気づき、せんすを開き、ドヤっとした顔で私を見てきた。


「セシリア様流石ですわ!」


「どうしたら、このくらいのレベルになるのです??」


「侯爵家ではどのように魔法の練習を??」


「魔法の練習??そんなのしていないわ。」


彼女はズバっとそう答えた。


本当に彼女、練習は全然していないんだけどね。ゲームの運営の方が最初はセシリアの方がレベルを高くしておこうって決まったらしいけど。


まぁ、その影響で今後彼女は練習をしなくても魔法レベルは上がると勘違いしてレベルがなかなか上がらず、ヒロインに越されちゃう日が来ちゃったんだけど。


「マイナ・ポタイン」


先生が私の名を言った。


「所詮、つい最近まで平民だったあなたが私より高いレベルを出せるとは思いませんが。まぁ、カンファニアンの落ちこぼれよりはマシかもでしょうが」


セシリアはその言葉を言い終えた後にユメリアを見た。


ユメリアの手は震えていた。


セシリアのその言葉に私はため息をつく。


彼女には最初は感謝していた。けど...やっぱり悪役令嬢は悪役令嬢なのね。あまり力は見せたくなかったけど...ヒロインパワーを見せてあげる。


私は手を抜かずに魔力測定器で自分のレベルを計った。表示されたのはレベル80という数字。


「れ、れ、れ、レベル80⁉⁉⁉」


先生も周囲も驚く。


「レベル80だって⁉」


「レベル80ってダンジョンのボス倒せるくらいじゃないっけ?」


「え?俺の父と同じレベルってことか⁉」


「最近まで平民だったあの女がか⁉」


「信じられねぇ...」


周囲はそんな声を上げていた。


「あ、ありえない...」


セシリア様が口を開く。


「私のレベルの倍ですって⁉そんなのありえませんわ!!」


「あでも、しかし...この魔力測定器に嘘はないかと」


私はしれっと彼女を煽る。


あら、セシリア様?煽られる気持ちはどうかしら??


私は心の中で悪い考えを持っていた。


「そ、その測定器が悪かったのよ!!」


「セシリア。お前も同じ測定器で計っていただろう?」


「デューク様、つい最近魔力を目覚めさせた彼女がレベル80?ありえないと思わないのですか?」


セシリアの言葉にデュークは困惑する。


「では、別の測定器で計ったらどうなのか?」


今度はアダムラフテリアが口を開いた。


先生が新しい測定器を持ってきてくれ、再びレベルを測定する。そこには同じくレベル80と表示されていた。


「まじかよ...」


「あれが光魔法の力ってやつか⁉」


「そうよ、きっとそう!」


「えげつね~。」


「...っ。」


セシリアは何やら考え込む。


まぁ、そりゃあそうだよね。自分より後から魔力を目覚めた女の子が自分の倍のレベルの持ち主だなんて...しかも身分差はかけ離れているのに...。


ま、魔力に目覚めたのは本当はセシリアよりもはやいんだけどね!


でも、これでどうかしら?


私はアダムラフテリアに視線を向ける。


私のレベルは80。あなたたちがたとえ、合計で95以上のレベルを出さない限り、私たちの勝ち。確かゲームでは王子はレベル50だったはず...


「この勝負は私がもらったわ。」


私がドヤ顔で席につく頃には、アダムラフテリアの名が呼ばれていた。


彼が計っている魔力測定器の数値はレベル80と表示されていた。


「...は?」


私は知らず知らずそう呟いていた。


私の瞳にはあのアダムラフテリアのいたずらっ子の笑みが映っていたのであった。

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