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第12話 攻略対象が部屋にいるという地獄

「...やっと終わった。」


やっと授業が終わった。


私は寮部屋に戻っていく。


なんであの町にあのランクの魔物がいたのか。怪しいところではあるが...。調べておく必要はあるのだろうか?


まぁ、いっか。そのうち、考えれば分かることだろう。


私が部屋の扉を開けた瞬間、部屋には思いがけない人がいた。


...攻略対象の


「アダムラフテリア⁉」


「呼び捨てとは、随分と俺を知っているようだな?」


私はその言葉に咄嗟に頭を下げる。


「申し訳、ありません。庶民の私ごとき」


「謝罪は不要だ。俺もレディーの部屋に勝手に入っているからな。」


悪いと思ってんならさっさと出てけ!ていうか、なんで人の椅子に座ってんだよ!


あぁ。除菌の手間がぁ。前世だったら通報できたのに。


「攻略対象だからって、なにもかもが許されると思うなよ...」


「おい、なにかいったか?」


「いえ、何も。...それより、どうして王太子殿下がこちらに?」


「あぁ。ちょっと君に興味があってな。」


は?興味なんて一ミリも持たなくていいんですけど!他の女子に興味持ってやれよ!


「そうですか...。ですが、興味があるからと言って、勝手に部屋を入られるのは...。」


私は皮肉は込めるものの、丁寧な言葉遣いでそう言う。


はやくでてけ!さっさと出てけ!


「そういう訳にもいかないな。...実はな、父の命で、君には監視がついていたんだ。」


「へぇ...そんなんですか。」


「その監視たちなんだが、昼食の時間、どうにも君の姿と護衛たちが見当たらなくてなぁ。」


「えぇ...そんなことが。」


私はそっぽを向いて、はぐらかす。


「捜索して、なんと物置部屋で眠っている監視たちを見つけたんだ。」


「ふぅん。仕事中に眠ってしまうことがあるんですね...。」


「その者たちに君の監視のことを聞くとな、君は部屋で一人で食事をしているんだろうと答えるんだ。」


「あ...へぇ...」


「俺は心配になってな。部屋を魔法でこじ開けたら、なんと誰もいないんだ。びっくりだろう?」


これ、絶対ゲームの強制力だよね!運営!運営!ちょっと、なにやってんの!!!!!!ゲームではこんなに監視はついてなかったでしょ?


というかなぜこじあける?部屋の前で待機してろよ。


「しばらく俺はこの部屋で待機をしていたんだが、5限目になって、君の教室に部下を向かわせるとなんと君がいた証言するんだ。」


「......。すれ違いでは?」


「では、君は一体どこにいたんだ?」


「えーっと、学園のそこら辺をうろうろと。」


「おかしいな。俺は魔力探知という魔法を一日一回使えてな?この学園内ならすぐ探知できるものの君の持っている光魔法は探知できなかったんだ。」


なに探知してんだよ!ってか、王子ってこんな強い魔力持ってたの⁉...まぁ、私も魔力探知一日一回だけなら使えなくもないけど...あれって相当魔力消費するよね?


あ!そうだ。こういう攻略対象ってチートだったんだ。忘れてた。


「それと、君。昨日の入学式のあとで俺を眠らせたよな?」


「...え?」


嘘。バレてたの⁉え⁉は⁉


でもちゃんと


「魔法はしっかりとかけていたぞ」


「じゃあ、どうして!」


あ、とおもわず口を閉ざす。


私としたことが...。王子にため口なんて...極刑かな?


「その話し方の方がいいな...。俺にため口を聞くことをきいてもよいことを許可しようではないか。」


「そんなめちゃくちゃな...。それより、しっかりと記憶を変えたはず...。なんで私が魔法をかけたことを知ってるんですか?それに、アダムラフテリア様からは気配がしませんし...。」


「一つずつ、答えてやろうではないか。」


変に時間をかけるんじゃない!...って言いたいけど、ちょっと気になる。


「まず、なぜ俺に魔法がきかなかったのかだな?君が魔法をかけてすぐ、俺は自分に魔法をかけたんだ。」


「全然気づきませんでした....」


私はその場で頭を抱える。


「次になぜ魔法をかけたことを知っているかという質問だが、まぁ、目の前で見ていたし、正直魔法は少しだけかかっていたんだ。おかげでよく分かったよ。俺に魔法をかけれるのは限られる人間だからな。」


あぁ...。この人に魔法をかけるのは失敗だったかも...。


「そして3つ目だな。なぜ俺から気配がしないか、か。そんな気配までわかるとは...。俺は普段から魔力を制御している。おそらく制御しすぎた魔力のせいで俺から気配がなくなったのだろう。」


「そんなめちゃくちゃな理由で...。」


私はゆっくりとアダムラフテリアを見る。


「それで?私は極刑ですか?それとも、流刑...国外追放ですか?」


私は王子の目を見て、しっかりと問いただす。


王子に魔法をかけたなんて国の大きな問題。私はただで済まされないだろう。まぁ、いっそのこと死んで男と縁がないように暮すのもありか。


「そういえば、まだ聞いていなかったな。なぜパーティーに行かなかったのだ?」


「...う。それは...」


「命令だ。答えろ。」


その言葉に私はため息をついて答える。


「男が嫌い...なんです。」


「男が...嫌い?」


彼はオウム返しのように私に言葉を返してくる。


どうせ、この言葉が最後になるなら...なんだって言ってやるよ!


「えぇ!そう!大っ嫌いなのよ!なんていうか...生理的に無理!ここにいるあなただって、王太子だとしても本当に嫌で今すぐにでも、追い出したいんだから!男なんかと同じ空間にいるぐらいなら死んだマシよ!!!!!!!!!」


私はスーパー皮肉を込めて、自分でも後悔するくらい王子に男嫌いという思いをぶつけた。


アダムラフテリアは一瞬ポカーンとなったが、豪雨のような笑い声をあげた。


「俺のことをそんな風に睨みつける女を初めて見たから大体想像はついていたが...まさかここまでだったとはな」


アダムラフテリアは笑いながら言った。


私はうわって目でアダムラフテリアを見る。


「あぁ、でもそうだなぁ。」


急に声色が変わる。


「確かに王太子である俺を眠らせようと魔法をかけたんだ。罰はないとは言えないな...」


アダムラフテリアはあごに手をあてる。


やっぱり極刑なのかな...?最後に町の人と家族にだけ一言、言いたかったな。


アダムラフテリアはにやっと私の嫌いな笑みを浮かべて、口を開く。


「俺に忠誠を誓い、従者となれ。」


「...は?」

リアクションやブックマークを2名の方、そして感想文を1件もらうことができました!本当にありがとうございます!この話をはじめ、これからどんどん爆発させていく予定なのでぜひ見てもらえればうれしいです!!

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