表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「神速の指先」を聞き間違いで授かった僕が実は最強だった件  作者: ギア丸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/51

第36話:「不名誉な騎士、外交官になる。沈黙の聖域を開通せよ」

 地下レストランの騒動も一段落した頃、アイリスがまたしても「厄介な特命」を持ってきた。

「ヴォルガッシュ様、今度は隣国との平和を司る『古の平和門』が、経年劣化による魔力の錆で完全に固着しました。これを開けなければ、両国は物理的に分断され、戦争が始まります」

「……鍵師を呼べよ。なんで俺なんだ?」

「鍵師ではダメなのです。あの門の鍵穴は、女神の魔力で保護された『聖なる隙間』。不純物(鍵)を拒絶するその場所に、女神の指先を持つ貴方が直接……その、**『指を入れて掻き出す』**しか方法がないのです」

 国家の命運が、俺の「指」にかかっていた。

「……よし、行ってやるよ。バルスカ王の軍隊が地下に来るよりはマシだ」

 国境にそびえ立つ、巨大な黄金の門。両国の軍隊が殺気立つ中、俺は脚立に登り、巨大な鍵穴の前に立った。

 確かに、中には数百年分の「魔力の垢」が、鼻糞のようにカチカチに固まって詰まっている。

「ヴォルガッシュ様……頑張ってください。貴方の指先が、平和の鍵です」

 カノン姫が祈るように見つめる。

「(……全軍が見てる前でこれやるのかよ、不名誉すぎるだろ)」

 俺は覚悟を決め、黄金色に輝く右指を、聖なる鍵穴へと突き入れた。

「スキル発動――『超高速・外交特権ピーナッツ・ピッキング』!!」

 ズババババババババババババッ!!!!!

 軍隊のどよめきを無視し、俺は鍵穴の奥にある「数百年の詰まり」を一点に集中して掻き出した。

 突如、カチリ、と軽やかな音が響き、門からまばゆい光が溢れ出す。

「お、開いた……! 『平和の門』が、不審な騎士の指先一本で開通したぞーー!!」

 両国の兵士たちが抱き合い、歓喜の声が上がる。

 こうしてヴォルガッシュは、歴史上初めて「鼻ほじりの技術で戦争を止めた外交官」として名を馳せることになったが、本人は「……門の奥、意外と指が届きにくくて指がつった」と、相変わらず不名誉な感想しか漏らさないのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ