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「神速の指先」を聞き間違いで授かった僕が実は最強だった件  作者: ギア丸


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第34話:キレイ卿の革命。地下倉庫に『三ツ星除菌レストラン』開店

 ヴォルガッシュの指先によって「真の白」を見たキレイ卿は、目覚めるなり狂信的な笑みを浮かべて宣言した。

「……気づきました。私が今まで行ってきた滅菌は、単なる虐殺だった! ヴォルガッシュ様の指先こそが、食材の『本質』を汚れから解き放つ聖剣! 私はこの地下倉庫で、究極の除菌グルメを追求します!」

 そう言うやいなや、彼は私財を投げ打ち、地下倉庫の一角を**「手術室より清潔なフルオープンキッチン」**へと改造してしまった。

「さあ、ヴォルガッシュ様! その『女神の指』で、このドラゴンの肉に付着した0.001ミリの雑味(汚れ)をピンポイントで掻き出してください!」

「ええ……。俺、指先で肉の細胞を掃除するのか……?」

「お願いします師匠! あなたの超高速振動でなければ、この肉の分子構造を傷つけずに除菌することは不可能なのです!」

 俺は渋々、ポチが持ってきた最高級の「銀竜の霜降り肉」の前に立った。

「よし……。スキル発動――『超高速鼻ほじり・ナノ細胞洗浄マイクロ・ミート・クリーン』!!」

 ズババババババババババババッ!!!!!

 本来はデリケートな鼻腔の粘膜を扱う指先が、肉の繊維の隙間に潜り込み、脂身の酸化した部分や微細な汚れだけを、音速の振動で「鼻糞」のごとく弾き飛ばしていく。

 それはもはや調理ではなく、食材の「魂の整形」だった。

「素晴らしい! 仕上げに、私の滅菌魔法で表面のバクテリアを完全抹殺! そして……カノン姫、お願いします!」

「任せてくださいまし! 『バルスカ聖水・ソースがけ』!」

 カノン姫が、耳掃除で開通した「神の声(高周波)」をソースに響かせ、熟成を加速させる。

「さらに、隠し味だ! 『脱衣・スパイス散布ヌード・ペッパー』!!」

 ミレーヌが服を脱ぎ捨て、その魔力的高揚感でスパイスの香りを爆発させた。

「……完成しました。三ツ星除菌ステーキ、『不名誉な聖騎士の指先仕立て』です」

 アイリスが、無表情ながらも興味津々でフォークを伸ばした。

「……パクッ。……!? 脳が……除菌されます。今まで食べていた肉が、いかに『汚れ』に満ちていたか痛感させられる、あまりに純粋すぎる味です。……悔しいですが、絶品です」

「主よ! 我の肉が、我の肉を超えた! これならあと10キロは食えるぞ!」

 噂は瞬く間に王都に広まり、地下倉庫の前には「一度でいいから、あの不名誉な指で洗われた肉を食べたい」という美食家たちの行列ができた。

「おい、キレイ卿! 予約が三ヶ月待ちってどういうことだ! 俺はただの地下住人なんだぞ!」

「何を仰いますか師匠! 次は『お客様の鼻腔を掃除してから提供する』という、究極のワンコースを開発中です! さあ、指を研いでください!」

「それはもう、ただの医療行為だろ!!」

 地下倉庫は今や、王都で最も予約の取れない「変態レストラン」と化していた。

 ヴォルガッシュの指先は、国家の危機だけでなく、人類の胃袋までも「不名誉な形」で支配し始めていた。

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