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126曲目 テレビと交渉

 新撰組のドラマが始まった。


 それは全52話の長編となっていて、幼少期の沖田に近藤と土方の出会いから始まる。

「この子供がソウジか?」


「正確には沖田総司の子供の頃を演じている子役です」


「ほうほう、なるほどなるほど」


 他の魔族たちもどんどん近づいてくるが言葉がわからない。

 映像や音に興味があり、誰も言葉を発さず大人しく見ていて、それはそれで少し不気味な光景でもあった。


 3話までが終わり、1枚目のDVDが終わる。

 それは約3時間ぐらい皆が集中して見ていた事になる。


「もう終わりか?気になる…気になるのう」


「ディアナ様、よろしいでしょうか」


「何じゃ?妾は今忙しいのじゃ」


「これは何でしょうか?今まで聞いたことのない言語が聞こえますが、…魔術かなにかで?」


「日本語じゃ」


「ソウジ様の国のお言葉ですか。で、なんと申しているのでしょうか?」


「もうーーーーーー!!うるさ〜〜〜〜〜〜い!!」


 周りの魔人たちもディアナのこえに萎縮してしまい、大人しくなった。


 その後はディアナからの質問攻め!


 そして続きを見ることとなった。


 アカネとアオイが捕まり、キノ、ワカバ、モモカは上手く逃げ出したと思ったら、3人は周りの魔人達に掴まってしまった。


 日本の技術はこの世界の遥か先にある。

 その理由の一つは魔法という未知なる力の影响だろう。

 魔法の力に頼ったこの世界では科学の発展はありえない。


 およそ6時間、お腹は減ったし、お風呂も入りたいし、眠気もきた。


「アカネちゃん、とりあえずご飯にしな〜い」


「そ、そうね。ディアナ…様?きりがいい所でご飯にしましょう」


 はっきり言ってきりのいい所などはない!


 ドラマの終わりは次回が気になるよう、続きが見たくなるよう作られているからだ。

 周りの魔人達も説明を受けながら見ていた。


「ラルフさん!」


「は、はい!!そ、そうですね。ディアナ様、今日はとりあえずお食事をとりましょう」


「………………」


 まさかの!魔王のシカト


 その間にワカバとキノとモモカが食事の準備を始める。


 先ずはワカバの錬金に魔人達がビックリしてボー然とする。


 それは見たことのない魔法


 ここにいる魔人全員が座れる木製のテーブルとイスが用意され、食器が用意された。

 実はモモカが作り置きしていた大量のビーフシチュー、これはエルザ達を助けた後、冷えた体を温める為に仕込んでいた物だったが、あまりにも寒いこの部屋で、温かい所は囲炉裏だけだったのでさすがに体が冷えきってしまった。

 そしてパンは面倒なのでネット購入、ただおかわり出来る量はない。

 まさか20人前作ったのに今いる人数はざっと30人はいたからだ。


 いい匂いが漂う。


 魔王ディアナも口からよだれが出そうになる。


「は〜〜〜い。みんな座ってぇ〜〜〜」


 モモカの声に気持ちだけ反応する。


 魔王ディアナが食事を取らないのに食べる事など出来るはずがない。


「早く早くぅ、ボクもう腹ペコだよ」


「…座って」


 ワカバ達3人は無理矢理魔人全員座らせた。

 座っていないのはディアナと付き合いで見ているアカネとアオイだけ、しかしアカネとアオイも全員座ったのを確認してディアナの手をひき、テーブルへと向かった。


「もう魔王様!食べますよ」


「分かった分かった。手を離せ」


 そこでディアナが見た光景は懐かしい皆で食事を取る風景だった。


 あーーー、そうだった。ソウジや村の者、鬼人達も妾達とこうしてよく食事をしたものだ。


「はい座って!食べるわよ。さぁみんなぁ〜〜〜いただきます」


「「「「いただきます」」」」


 懐かしい。

 忘れていた。


 ディアナや魔人達もいただきますと声を出し食べ始めた。


 いただきます。

 ソウジに教わった言葉。

 皆の者も思い出したかのように声を出しおって…


「みんなで食べるご飯は格別ね」


「そうですね。とても美味しいです」


「魔王様も美味しいでしょ?」


「ああ」


 みんなで食べるご飯は上手い、ようソウジも言っておったわ。


「上手いのう。のう皆の者よ」


「「「はい!」」」


 量は少ないがディアナ達にとっては懐かしく、久しぶりにとても満足する食事であった。


 そういえばテレビに夢中で話の途中であることに気付くと、本来の目的を話した。


 一つは無事に友人であるエルザを助けること

 もう一つは国境の氷を何とかすること


 はっきり言ってアルテミスにとっては国の依頼はどうでもいいこと、別に直接国から依頼を受けたわけでもなく、ただ身近な友人や知り合いの為だけに来た交渉、この国に対して思い入れは特にない。


「わかった。よいぞ」


 呆気なく交渉が成立した。


 周りのみんなも驚いているようで、早速ラルフさんがエルザさん達を解放して連れてきてくれるようだ。


「そなたらの希望には応えよう。今回の件もだいたい理解はしておる。…が理解していても許せぬ事もあるが、そなたらの存在が妾の心を少し満たしてくれた。だからこれは礼じゃ」


「「「ありがとうございます」」」


「しかしまあ、そなた達も面白い存在よのう」


「「「「「??」」」」」


 各々の性格もそうだが、特に強さに関してであった。

 やはり今まで周りに言われたことを言われ、強いわりには能力の使い方も戦い慣れもしていない。

 戦ってもいないのに全てを見抜かれている。

 流石は最強と言われた魔王である。


 そしてラルフさんがエルザさん達を連れてきてくれた。

 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。


 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!

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