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127曲目 再度夕食

 ラルフに連れられて来たエルザ達は目を疑った。


「あ…アカネ?みんなもどうしてここに?」


「迎えに来たのよ」


 そこには魔王と楽しくおしゃべりをしているアカネ達の姿があった。


 エルザ達はポカーンとした顔で見ている。

 特にエルザ以外はアカネ達をほとんど知らない。

 だが人と魔王が同等に笑いながら話すなどありえないし、…とにかく本当に生きてここを出られるか?複雑な心境が交差する。


「エルザさん、とりあえず交渉成立したわよ。この吹雪、魔法は解除してくれるし、国境の氷も無くしてくれるって」


「そ、それって本当に?」


「もちろん本当よ。その代わり、盗まれた刀を早急に見つけるよう、国王様に伝えて」


「盗まれた刀?」


「そう、その刀を取り戻す為、要は盗人をこの国から逃がさない為の魔法だって」


「アカネよ。今日はもう遅い。話は明日の朝にせい」


「そうね。魔王様もそう言っているし、ご飯食べて今日は寝ましょう」


「アカネよ、魔王様なんて固っ苦しい言い方せんでよい。ディアじゃ」


「わかったわディア」


「早う、DVDの続きじゃ。続き!」


「もうそれが目的ね。モモカ、エルザさん達にご飯作ってあげて」


「何じゃ、ご飯を作るのか?だったら妾も食べるぞ。あれだけじゃ物足りん」


「だって!よろしくねモモカ」


「いいわよぉ〜。キノちゃんとワカバちゃんも手伝ってね」


「ほいほ〜い」


「…わかった」


「妾は和食が食べたいぞ」


「和食ね、おまかせぇ〜」


「ラルフさん達もモモカ達の手伝いお願いします」


「ふふ、もちろんです。出来れば我々の分もお願いします」


「だってぇ!モモカ」


「は〜〜〜〜〜い。だったら和室の方が良いかしら?ねぇ〜」


「…任された」


 するとワカバはこのだだっ広い部屋を和室の大広間に変えていくと、キノがテーブルと座布団を用意して、まるで宴会場の様に作っていく。


 魔人達を楽しそうに眺めて懐かしむが、エルザさん達は未だにポカーンと心ここにあらず、みたいな感じである。


 食事が出来るまではディアに1話だけDVDを見せる。

 もちろんアカネとアオイが付き添いで見ている。


 ラルフさん達も手伝いは慣れたもので、昔よくディアと沖田総司の村へ行き、色々と手伝っていたらしい。


 他の魔族もそうだった。


 ただ、沖田総司がなくなってからはあまりやらず、村人や子供達がこの城へ来たときに喜んで遊ぶ、それが楽しみになっていたみたい。

 だからみんなで一緒に食べる食事が懐かしく、楽しかったみたいね。


 DVDも1話終わった頃にはご飯も炊けて、食事の準備も整っていた。


「おお〜〜〜、いい匂いじゃな。ほれ、何をしておる。皆も席につけ」


 急遽用意された席なのに、自分達の席が決まっているかのようにスーッと積に座る魔人達、おそらくは昔はよくこのように食事をしていて、自ずと座ったのであろう。


 エルザ達は未だにポカーンとしていてモモカ達の声でようやく後ろの空いた席に座る。


 そして魔王ディアナの声が響き渡る。


「いただきます」


「「「「「いただきます」」」」」


 エルザ達以外は当たり前のように声を出し、箸を取ると食事を始めた。


「あなた達、この棒みたいな物の使い方知ってる?」


「いや、よく分からないが食べ物を挟んで食べているみたいだ」


 いまいち使うことが出来ない姿を見たワカバが、自分からエルザの所へ行き、ナイフとフォークを渡してあげた」


「…これ、…使っていいよ」


「ありがとう」


 そしてみんなが匂いに釣られてフォークでひとくち、するとみるみるとご飯もオカズと無くなっていく。


「旨い!旨い旨い!」


「ひょっとしてコレかしら。レーアが美味しいって言っていた食べ物」


 エルザは一度食事をしたことがある。

 しかしその時はナイフとフォークが用意されていたのであまり箸を気にしなかった。


 そういえば…、みんな使っていたような…


 和食とは分からないが、モモカの料理は格別に美味かったことは今でも鮮明に覚えていた。


 いつしか食事に夢中で自分達が置かれた立場をすっかりと忘れていて、食べ終わった時には男共は畳みの上で寝っ転がっていた。


 冒険者達も我に返ったあと、気付けば寝床に案内されていた。


「エルザさん、おやすみなさい」


「あ、ああ…おやすみ…なさい」


 エルザ達を案内したのはデリアとデボラ、七人全員が大人しく後を付いていく。


「皆さん良かったですね」


「!!」


「アカネさん達が来なければ、アイスベルクの国王次第で一生牢獄の中だったかもしれないわよ」


「何故、交渉成立したんですか」


「ふふっ、何故でしょう。とりあえずあなた達は彼女達に感謝をしないとね」


 そして部屋につくと七人は話し合う。


「エルザさん、ホルガーさん、イレーネさん、皆さんは彼女達を知っているのですか?」


 バイコーンの4人は何も知らない。


「俺は試合を見ただけだ。彼女達は強すぎる」


「ああ、私も彼女達には勝てん」


「「「「エルザさんが!!」」」」


「そうね彼女達の魔術も異質なものだしね。私は戦いはしなかったが桁違いの魔力よ」


「だが、私達のように戦った様子はなかった」


「ああ、なぜ話が纏まったのか検討もつかん」


 いくら考えても答えは出ない。


 明日起きたら助けて貰った礼の言葉と話を聞こう。


 そうして寝床につくことにした。

 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。


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