表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/129

123曲目 魔王ヴォーゲvs鬼人リク

 魔王ブリッツとラルフが戦っている場所から城を挟んで反対側では魔王ネーベルと魔王ヴォーゲ対鬼人リクと魔人デリアと魔人デボラの戦いが始まっていた。

 魔王ネーベルには魔人デリアとデボラが魔王ヴォーゲには鬼人リクが、そして今にも戦いが始まろうとしていた。


 格上である魔王ネーベル相手にデリアとデボラに余裕はない。

 即座に刀を抜くと、デリアの刀は炎を帯び、デボラの刀は氷の纏っていた。


 ボロボロになって魔力も半分近く失っている魔王ヴォーゲには先程顔を合わせていた鬼人リクが立ちはだかっている。


「てめえ、さっきいた鬼人かあ!その姿…」


「ふっ、レッカに大分やられたようだな」


「コレぐらい大した事ねぇ、てめえのお仲間は今頃水に飲まれて死んじまったかもなぁ〜」


「ふっ、アイツならピンピンしてるぞ」


「!!、減らず口を」


「まあいい、キサマももう終わりだ」


「鬼人ごときが…、舐めるなよ」


 ヴォーゲの戦斧がリクに襲いかかるが、躱された挙げ句、頭上から蹴りを喰らい地面に叩きつけられる。


「今のキサマでは俺には勝てん」


「クソがぁ〜」


 ヴォーゲの魔力が膨れ上がるとレッカに喰らわせたメイルシュトロームを放つ。

 レッカに放った時よりも若干威力は落ちるが、それでも周りの木々を飲み込み、城の壁を壊す程の威力だった。


「ハッハッハッ、飲み込まれて死にやがれ!」


 高笑いが響いた後、ヴォーゲの腕が戦斧ごと吹き飛んた。


「ぐおーーー!俺の腕がぁーーー!!」


 両腕を失い、魔力もほとんど無くなり、ヴォーゲには勝つ可能性が無くなった。

 しかし魔王としての意地はあった。


「まだだ!」


 もう片方の斬られた腕も地面につけて魔法で土で腕を作るが、両腕が魔法で創られたもの、ただ殴る、押す、攫むなどの単純な動きには対応出来るが、細かい動きなどは出来ない。

 創った腕で戦斧を持ち、振り回す事しか出来ずに少し力の入った刀を受け止めると、所詮は土、創られた腕はまた崩れてしまう。

 そして魔力も腕を創った土魔法でほとんど無くなってしまった。


 ヴォーゲの出来ることは…


「魔王ヴォーゲ!これで終わりだ!!」


「ふ、2人…いや、3人だと!」


 リクの動きが疾すぎて残像で3人に見えるが、所詮は残像、動かずにブレていれば偽物と思っていたのもつかの間、3体全てが動いていてブレない。


「ふっ!」


「ば、馬鹿な!そんな事などありえん」


 実は簡単なカラクリだった。


 3体はさほど離れていない。

 様は残像を作りながらの反復横跳び、残像が動く前に元の場所に戻り動きを見せる。

 これははっきり言って戦闘には不向きな技であるが、相手を動揺されるには向いている技、だが体力の消耗も激しく、普段は絶対に使わない小細工である。


「だったら3体まとめて斬ればいいだけ」


 大きな掛け声とともに戦斧を横薙ぎすると、3体にリクの体が急にブレだした。


「なんだとぉ〜」


 戦斧の一振りは簡単に残像を消し去る、と同時にリクの刀がヴォーゲの後ろから背から腹へ、そして刀を抜きヴォーゲの振り返り様に心臓を一突き、だが刃は心臓まで達する前に動かなくなる。


「ぐわっはっはっはぁーーー!待っていたぞ」


 両わきから腕が生えてリクを羽交い締めにすると、ヴォーゲの魔力がどんどんと膨らんでくる。


「ぐわっはっはっはぁーーー!これで終わりだ」


 魔力が暴走して大爆発を起こした。


 リクはとっさに魔力障壁を張るが、ヴォーゲの魔力は更に上をいき、障壁を突き抜けてリクを吹き飛ばした。

 200メートル先まで吹き飛んだリクは大ダメージを喰らい、立ち上がれなくなる。

 運がいい事に、もしヴォーゲにもう少し魔力が残っていたら…、もし周りの木々が無くなっていなかったら…、恐らく死んでいたかもしれない。


 立ち上がれなくなったリクは、何とか首を持ち上げ周りを確認する。

 魔王ヴォーゲの肉体は粉々に吹き飛んだらしく、姿形も残らず魔力も一切感じなくなっていた。


「みんな、後は頼む」


 小声で口に出した言葉は誰にも届くことなく、リクは気を失った。


   ★   ★   ★


 大きな爆発音と消えた魔王ヴォーゲの魔力は他の魔王2人にも伝わった。


「ふっ、最後に意地を見せたか。だが、微かに鬼人の魔力を感じる。最後まで役立たずだったな。ラルフ、なかなかいい仲間を持ったじゃないか」


「はぁはぁはぁ、お誉め頂き光栄です」


 ズタボロになったラルフに無傷の魔王ブリッツが話し出す。


 そして魔王ヴォーゲの配下は無くなった主の魔力を感知して逃げ出した。


「所詮は役立たずの部下、逃げ出すとは愚かな」


 そう呟き手をかざすと、ヴォーゲ軍に雷が落ちる。


「俺に後片付けまでやらすとはな。困った奴よ」


 逃げ出したヴォーゲ軍およそ2000人が一瞬で黒焦げになる。

 それはブリッツの配下とネーベルの配下に恐怖を与える。

 もちろんブリッツの配下は最初からわかっていた事で、ネーベルの配下はまだ震えが止まらない。

 そして交戦中のディアナの配下と里から助けにきた鬼人、今がチャンスと思い、先ずネーベルの配下を中心に攻撃を始めた。


 現在ブリッツ軍およそ1800人とネーベル軍およそ1600人に対して動けるのはディアナ軍と鬼人族85人、ヴォーゲ軍がいなくなった事で少し希望が見えた。

 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。


 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ