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117曲目 魔王ディアナとの交渉

 アイスベルク王国では緊急事態に陥っていた。


 現国王、コンスタンティン=フォン=ドライヤーに凶報が届く。

 急いで確認する為、玉座から立ち上がり外を見に部屋を出ると、そこには空から城を見下ろす魔王ディアナがいた。


 【いずれこの時が来る】そう覚悟はしていた。


 自由気ままに好き放題国を荒らしてきた魔王が遂に城へ来たのだ。


「おっ!出てきた出てきた」


 外を見に来た国王を見つけると、国王の元へ真っ直ぐ降りてきて城へ入る。


「「「う、うわぁぁぁぁぁ」」」


「コンスタンティン国王、早く中へ」


 逃げ場はない!


 急いで玉座の間に戻り態勢を立て直す。

 だがしかし、周りの護衛騎士は吹き飛ばされ、王の側にいるのは大臣1人と騎士団長1人、周りの騎士11人は一瞬で壁に叩きつけられてしまった。


「そう構えるな人の王よ」


「?」


「まあ座るがよい。王よ、名をなんと申す」


「わ、わ、わ、………ふう、私の名はコンスタンティン=フォン=ドライヤーである。ま、魔王ディアナよ、な、な、何用か」


「実はのう我が友人の家を建てるのに人を借りたい。家造り、畑作り、そうそう剣作りなど多数手伝いが欲しい」


「それは大工、農家、鍛治師などの職人という事でしょうか」


 隣にいた宰相が話の間に入った。


「そうじゃそうじゃ。で、どうじゃ」


 ニコニコしながら宰相に話しかけるディアナは一歩一歩前に近寄る。


「それには先ずは領民、職人が受けるか確認をしなくてはなりません。それにその職人達も請け負うにはそれなりの報酬などを提示しなくてはなりません」


「おう、それもそうじゃ」


 腕を組み、少し考えたあとに王に訊ねる。


「のう国王よ。その職人達の報酬は主に頼む。代わりに主の願いを聞こう」


「そ、それはどんな願いもか」


「妾に出切ることならばな」


 横の宰相が国王に耳打ちすると、国王は魔王ディアナに願いを伝えた。


 では、こういうのは如何でしょう。


 それはよい。


「では魔王ディアナよ。余の願いはそなたと同盟を結びたい。そして我が領土を守って頂きたい」


「良いぞ」


 その場にいた国王、宰相、騎士団長及び騎士達の顔が一気に晴れた。


「但し」


「「ただし…」」


「100年じゃ」


「「100年!」」


「そうじゃ。100年はそなたの国を面倒みてやろう。その後は主ら次第じゃ」


 コンスタンティン国王は飛び跳ねる程の歓びを抑えて、何とか平常心で対応を試みる。


「では、職人は如何ほど必要か?」


「多ければ多いほど良いぞ。そなたに任そう」


「わかりました。いつまでに何処へ向かわせれば良いでしょう」


「そうじゃな。そなた達なら我が森へは急いでどのくらいで辿り着くのじゃ」


「どれくらいと!…うむ」


 悩ましている国王を見て、すぐに宰相が代わりに応えた。


「では私が王の代わりにお応え致します。道中の水と食料を用意して馬車に積み、最低限の休憩を取らせて、急ぎでも2日、職人達を集める時間を合わせても5日は頂きたい」


「うむ、良いぞ。では5日後のこの時間に森の入口で待つ。約束ぞ」


 要件が終わるとすぐさま城を出ていくディアナ、そしていなくなったあとは全員が腰を抜かして、その後は歓喜の声が響き渡る。


「100年はこの国は安泰ぞぉぉぉぉぉ!アーブラハムよ」


「はっ!」


「よくぞ魔王ディアナと交渉した。褒めてつかわす。騎士団長フーベルトよ。聞いてた通りじゃ。急いでなるべく多く職人達を集めるのじゃ。成功したあかつきには報奨として1人当たり金貨300枚を約束しよう」


 金貨300枚、およそ平民の年収の10倍、10年分の生活が保証された。


「はっ!急いで我が騎士団、そして町の警備兵総出で伝達致します」


「宰相アーブラハムよ。そなたは指揮を取り、馬車と食料の用意じゃ」


「お任せよ」


 お触れが出る。


 翌日、集まった者はいなかった。


 それはそうだ。


 魔王ディアナの手伝い。


 手伝いとはなんだ?


 生きて帰れるのか?


 生きて戻れるとしてもいつ帰れるのか?


 全ての不安と金額300枚を天秤にかける。


 1日では結論を出せる者は誰もいなかった。


 だがしかし、国からの願いと魔王ディアナの言葉、事細かく一人一人に伝え、出発ギリギリで何とか100人を集める事が出来た。


 さて、100人弱という数ははっきり言って少ない。

 あとは魔王ディアナの顔色を伺いながら交渉するしかなく、森までの護衛を含め、騎士団長と騎士50人を執事とメイド、庭師など王宮で用意出来た人材を30人、何とか200人程にはなった。


 200人が森へ向かう。


 それ顔色は死地へ向かう兵士の様な顔で皆が出発した。


   ☆   ☆   ☆


 異世界の話


 日本という国


 それは未知


「ソウジ様、もっとお聞かせ頂きたい」


「私ももっと聞きたいです」


「面白い!面白い!オモシロ〜〜〜い!もっともっとぉ〜〜〜」


 ゆっくりと寛いで談話していると、ディアナは帰ってきた。


「話は纏めてきたぞ。さて皆の者、ついて参れ」


 皆はお決まりのディアナの思いつきに慣れたように行動する。


 城を出て10分、


「ディアナ、どこまでいくの?」


「そこじゃ」


「そこってさっきと変わらないけど…」


 そこは坂を下ってしばらく歩いた森の中、一見他と何も変わらない場所、しかし近くには小さな川もあり、平地というだけだった。


「皆よ、ここにソウの村を作る。簡単に言うと小さな日本じゃ」


 さっきまで話を聞いていた魔人達が一気にやる気を出した。

 それは未知なる別世界の国、日本が見れるという事、人族よりも寿命の長い魔人にとっては今までなかった政、皆がソウジに近寄り、指示を待つ。


「待て待て、ほらソウが困っておる。焦るでない。これより5日後に人族が手伝いにくる」


 人の手伝い、その言葉に魔神たちの顔が少し曇る。


「先ずは我らで土地を作ろうぞ」


「「「「「おおーーーーー!」」」」」


 人族が来るまでの5日間、ソウジの話を聞いては気を切り、根を拔き、石を取り、土を均しを繰り返し、あっという間に広大な森の中央に土地が出来た。


「うむ、皆良うやった」


遂に家造りの準備が整った。

 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。


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