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110曲目 目指せ!魔王城

 陽が昇り、朝6時頃にアルテミスのメンバーが次々と起きてくる。

 前日は食事も取らずに早くに就寝したせいか、自然と目を覚ましてお腹が減る。


「モモカちゃ〜ん、ご飯おねが〜い」


 皆が家にいる感覚でいる。


「みんな寝ぼけすぎよぉ〜。ここは宿、下の食堂で朝食が用意されるわよぉ〜」


「ボクもう我慢出来ないよ」


 真っ先にキノが食堂に向かうと、我先にと皆が続いて着替えて食堂へと行く。


「はやっ!」


 キノは既に食べ始めていた。


「皆さんおはようございます。ゆっくり眠れましたか?」


「「「「おはようございます」」」」


 テーブルにつくとこの宿のバイト?らしき女の人が温かい飲み物を出してきた。

 一口飲むととても美味しくて、それはとても甘夏みかんの様な味をしていた。


「おいしぃ〜」


「温まりますね」


「…なかなか」


「何かしらぁ〜」


「ねぇねぇ、これなんて飲み物?ちょっとボクハマるかも」


「こちらは鬼灯ほおずきの実を絞って温めた物です」


「鬼灯の実?」


 ねぇねぇアオイちゃ〜ん、鬼灯ってあっれぇ〜〜〜?


 日本の鬼灯といえば…ですが、こっちではどうでしょうか?


 日本のって食べれたっけ?


 ボクは子供の頃、中をとって風船にした記憶があるかな〜


 ………


 4人は小声で鬼灯の話をしている。


「鬼灯の実はここから東へ行くと鬼が住むと言われる森があるんですけど、その森にはたくさんの鬼灯の実が実っているんです。でもそんな危険な森に行かなくても行く途中にある村で栽培をしてまして、そこで仕入れているんですけどね」


「へぇ~、その実って食べれるんですか?」


「はい、美味しいですよ。この時期は絞って温めて飲むのがオススメです」


「そうなんですね。ありがとう」


「ごゆっくりどうぞ」


 そしてゆっくり朝食を取り、しばらく寛いだ後に部屋に戻って身支度をしていると、ギルド長のグレーテルと名乗る人が訪ねてきたので、また食堂へ降りてギルド長と話をすることとなった。


「アルテミスの皆さん、おはようございます」


 以外にもギルド長は女性であり、付き添いで来ていた補佐の方が男性職員だった。


「「「「「おはようございます」」」」」


「実は私達も試合を見て皆さんの事は知っていまして、本当に来ていただき助かっています。で、リーダーはアカネで間違いないですよね」


「はい」


「報告では魔王ディアナの所へ向かってくれると聞いていますが間違いないですか?」


「はい、エルザの助けになればと」


「助かります。アイスベルクの国王には私から報告致しますのでご安心下さい」


「ありがとうございます」


「魔王ディアナの魔力によるこの猛吹雪で道のりもかなり険しくなっていますのでお気をつけ下さい」


「はい!それで地図は見せた頂いたんですが、もし詳しくわかるのでしたら教えて頂いてもいいですか?」


「もちろん教えます。私も元はこの土地で冒険者をしていましたので、この辺りの事は他のギルド職員よりも詳しいんです」


 ギルド長のグレーテルに魔王ディアナの住む城までの道のりを細かく聞いた。


 先ず道沿いに歩いていくと小さな村がある。

 距離にしておよそ30キロ、平坦な道なので差ほど時間はかからないが、この雪では歩いても半日はかかるだろうと言われる。

 だから村の村長に手紙を書くので村長宅で泊まるといいと勧められたが、アカネは大丈夫ですと丁重にお断りを入れた。

 そして村から更に道沿いに歩くことおよそ100キロ、そこには大きな森があり、ここからは魔王ディアナの領土となり、歩いて森に入り1キロ程行くと鬼灯の木が沢山栄えていて、鬼人族の住処となっている。

 どうやら鬼灯を守っているという噂もある。

 近道はそのまま森を突き抜けて少し山を登ると魔王ディアナの住む城があるが、とても危険なのでおすすめは出来ない。

 1番安全な道は鬼灯の木が栄えている場所の手前に大きく右へと大きく迂回する道があり、20キロ程歩くと魔王ディアナの領土にもかかわらず、人が住む村がある。

 何でもおよそ200年前にその村が出来ると同時に魔王ディアナは大人しくなったという説がある所だ。

 その村から山を登ることおよそ5キロで魔王ディアナの城へ着くだろう。

 村を経由していけば比較的に安全に魔王ディアナの城へと行けるだろうがこの猛吹雪の中ではかなり過酷で早くても3日はかかるだろう、という話だった。


 聞く限りではエルザ達は今日の昼には魔王城に着く予定である。


「わかりました。私達もそろそろむかいましょうか」


「アカネさん、準備は出来てますよ」


「ボクもオッケー」


「もちろんあたしもよん」


「…ふふふっ」


「と、いう事で私達は行きますね」


「本当に大丈夫ですか?村に泊まっていったほうが…、そうですね。私もあなた達の試合を見ていなければ強引に止めていたでしょう。あなた達なら今日中に着いてしまうんでしょうね」


 そうギルド長のグレーテルが言葉に出すと、アルテミス全員が微笑み、そして席を立つ。


「宿、ありがとうございました。では行ってきます」


 宿を出て北の門へと向かう。


「結構吹雪いているけど、あまり寒くはないわ。やっぱ女神様の加護かしら」


 周りの人達は薄着でいる私達に変な目線を送ってくる。


「アカネちゃ〜ん、やっぱりぃ〜、ちょぉ〜と視線が気になるのよねぇ〜」


「何か防寒具を買いましょうか」


「でもさぁ〜、ボクはみんなが着ている変な服、着たくはないなぁ〜」


「「「「確かに!」」」」


「モモカ、ダウンで良さそうなの買ってくれる。あっ!なるべくこの異世界でもあまり違和感がないものね」


「えぇ〜〜〜〜〜、難しんてすけどぉ〜〜〜〜〜」


「とりあえず早くこの町を出ましょう。魔王城に行くまでに何か決めておいてね」


「ええ〜〜〜〜〜、キノちゃんも探してよぉ〜〜〜」


「ほいほーい」


 どこも寄らずに門を出た。

 門兵には変な目で見られたけど、目的は早くエルザさんの所へ急いで行くこと!


「さぁ!みんないくわよぉ!!」


「「「「おお〜〜〜!」」」」


 アルテミス一行は最短距離のルートで魔王城に向かった。

 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

 次話も月曜日更新予定です。


 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!

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