第十一話 『穏やかな五月の青空』
目的地まで最短ルートを通るべく、五人は途中から高速道路を通ることにした。
道路の両側は壁でおおわれており見通しが悪いため、どこから敵が現れても対処できるよう周囲を警戒しながら彼らは進んだ。
しばらく進んだところで、シュウが言う。
「こんなふうに固まってるより、少しばらけたほうがいいと思うんだけど。もし敵に見つかったら、まとめて吹っ飛ばされちまうかもしれないし」
「……たしかに、お前の言うことも一理あるな」
「おいヒカル。お前今、俺がすきを見て逃げようと思っているからこんなことを言ったんだって思っただろ」
ヒカルが口を開く前に、リオは「シュウ!」と咎めるように言った。
「あんたさ、ほんと、いいかげんにしてよね」
はいはい、とシュウは言う。
とりあえずシュウの言う通り、ハル達は等間隔に広がった。
隊列が一通り整ったところで、ハルはヘッドギアの通信機を使いリオに尋ねる。
「レーダーには特に反応はない?」
「うん。今のところは大丈夫。敵の反応はないよ。教官さんの反応もないけど」
「目的地までは、あとどれくらい?」
「だいたい半分くらいの所まで来ているよ」
「そっか。じゃあ夕方までには到着できるね」
ハルは空を見上げる。この数日と同じく、今日も穏やかな青空が広がっていた。
そういえば、もうずいぶん長い間雨を見ていないな、とハルはふと考える。
はるか遠い青空を飛ぶ何かを目にしたのは、まさにその時だった。
最初、ハルはそれを鳥か何かだと思った。
しかし鳥にしては高すぎる所を飛んでいるし、羽ばたいているようにも見えない。
飛行機かヘリコプターだろうか。それならエンジン音が聞こえるはずだ。
気球? そんなわけがない。そもそもこんなところを飛ぶ理由がない。
「どうしたの、ハル」
「空の上に何かが見えるんだ。リオのレーダーには何か映ってる?」
「何も映ってないけど、空って、どのへんなの?」
ハルは立ち止まり、空の一点を指す。
リオも立ち止まって空を見上げた。
二人の様子に気づき、ヒカルは言う。
「どうした。何か――」
その時。
空気を一直線に切り裂くような甲高い音を響かせながら、ハル達に狙いを定めるように何かが落下してきた。
ヒカルはすぐに状況を判断し、声を張り上げる。
「敵襲だ!」




