#43 小学校怪奇
11月も終わりに近い。
最高気温も10度を超える事もなくなってきた。
また冬が来る。
もっと北のほうは積雪も観測している。
来週になるとこっちでも雪が降るという。
来月にはテストがあるため少しずつ緊張感が高まってくる鞍光高校。
二年生は修学旅行が終わって戻って来てすぐテスト。
気持ちが休まる事もない。
三年生に関しては特に忙しい時期に迫っている。
琉嬉も決してゲームだけじゃなく、勉強もしている。
成績は中の上くらい。
別段悪くはない位置にいる。
悠飛ら中学生チームも三年生のため、受験を控えてる。
そのため外出も減っている。
琉嬉達よりもピリピリムードが漂っている様子。
來魅は銀杏らも気を遣ってるのが目に見えて分かる。
「しかし寒くなってきたね~」
登校時、駅でたまたまみゆと会った。
みゆはかわいいデザインの手袋をしながら口元にあて、はぁーっと白い息をわざと出す。
「そらま、冬だしね」
「そだよね~。ねー、年末年始はどうするんですか?」
「まだ先の話だろー。まだわかんないけど、多分お寺に帰ると思うよ」
「そっか~。琉嬉先輩は初詣的な事やるの?」
「基本しないと思うけど…別にウチは特殊だから関係ないんじゃない?」
「おー。そっかー」
淡々と進む会話。
琉嬉の祖父、父方の祖父にあたる彼方家はお寺の家柄。
だがかなり特別なお寺なので神社でお参りも構わないのではないかと予測。
だが直接の本家ではないのでどうなのかは分からないらしい。
「……お前はいつも楽しそうだな」
「そーおーですか?人生楽しまなきゃ~」
ともかく、みゆを見ていると人生こんなんでいいんだな、とさえ思ってくる。
この適当さがあって、実は裏で計算されつくされた考えを持っている。
ある種の天才だ。
あまり暗さを見せない陽気な性格。
習いたいくらいだと琉嬉は思う。
「んで、お前は勉強進んでるのか?」
「フフフー。それなりにー」
ちなみにみゆの成績は下の上程度。
あまり熱心に勉強するタイプじゃないのだが、なんとなく切り抜けていくタイプ。
こうしてるうちに学校まで着いた。
「んじゃ、またお昼休みにでも部室で~」
「……うん」
学年が違うので靴箱のある玄関で別れる。
自分のクラスの教室へ入り、早速スマホを取り出しふかしぎ部のサイトをチェックする。
すっかり習慣になってしまってる。
「……気になる話があるなぁ」
琉嬉が気になるというメールの内容。
差出人は小学生だと言っている。
その内容は学校に最近幽霊騒ぎが出て困っているという内容だった。
(なんだいこりゃ。まるでここの学校みたいな事になってるってコト?)
首を傾げながら携帯を眺める。
「コラ!彼方!」
ぺしっと頭を叩かれる。
桜川先生だ。
「HRはじまってるってのにお前だけ携帯いじってて大層なもんだな」
「…あ、いや、面目ない」
顔に似合わない謝り方をする琉嬉。
「……まったく」
他の生徒は琉嬉がキレないか冷や冷やしながら見てる。
短気で凶暴な琉嬉。
それをおかまいなしの桜川先生。
実際、桜川先生も琉嬉の起こした事件を知っているが肝っ玉がすわってるのか
琉嬉に対しては結構相手をする。
どこか、そういった部分が頼りになっている先生なのだ。
いつもの風景が戻った部室。
それと隣の生徒会室。
そして、いつものメンバーが集まる。
「しかし……みなさん、毎日毎日よく集まりますね」
またもや、少し険しい表情しながらのまどか。
それをおかまいなしのメンバー。
「まぁまぁ、こうして毎日集まってくれるのも他にありませんて」
「…そうですかぁ?」
それでもいつになく真剣に琉嬉はパソコンを見ている。
小型のノートパソコンだが、寧音が用意してくれたものだ。
「しかし…寧音がこういうのに詳しいのも少し驚いたけどね」
「フフ。こういうのは私の得意分野です。フフフ」
怪しい笑い。
「…サブカルに関してはふかしぎ部一番だね」
「それ程でも~」
なぜか照れる。
「でも琉嬉ちゃんは何を真剣に見ているの?」
後ろから護が覗き込む。
よっぽど気になるのだろうか。
「琉嬉先輩何か気になるのでも?」
みゆが気にかける。
朝の登校時に会ってるからだ。
「いや…。ちょいと、気になるんだよね。この依頼引き受けようかなと」
「依頼?」
みんながぽかんとする。
「あ、いやさ。せっかく部活なんだからサイトでも作ろうかなと思って、寧音に頼んだんだ。
勿論、僕も知識がそれなりにあるから作ったけど」
「サイト~?」
一斉にみんなが画面を覗く。
するとでかでかと「ふかしぎ部」と出ている。
「こうする事で、ふかしぎ部としての活動を増やそうと思ってさ。
「ふかしぎな事件を調査します」って打ち出して…そしたらたまたま連絡が来たんだよね」
「ほう~。あたしにもお手伝い出来そう?」
「うーん……。どうかな。相手は小学生だっていうし」
「…へ?」
放課後、その依頼主の小学生と会う事になった。
今までにない依頼主。
鞍光高校の生徒以外の依頼である。
そもそもふかしぎ部以外の生徒からの依頼なんぞなかったが。
お寺にもそこまで幼い依頼主はいない。
琉嬉は本当かどうかも分からないまま待ち合わせ場所へ到着する。
鞍光高校からちょっと離れた、隣の隣町。
「江河別市」という鞍光市の隣の街である。
名前の通り大きな河が街中を通っている、河川の街だ。
その河は鞍光にも続いている。
「ここら辺かな…」
なぜか一緒に着いてきたみゆと護。
「なんでお前らまでついて来るんだよ」
「え?暇だったし…面白そうだから」
あっけらかんと言う護。
こいつはいつもいつも何も考えてない。
心の中で呟く。
そこがみゆとの違いだ。
「こっちは、仕事の一種なの。楽しんでやってるわけじゃないんだよ」
「そうそう。まもちゃんと違って私らは、お祓い屋なんだよ」
ビシっと決めるみゆ。
「は、はあ…」
「いや、お前も関係ないから…」
「でも部活の課外活動ですよね?」
「う、まぁ、そうなるかな…」
そんなこんなんでやり取りしてる中、一人の少女がキョロキョロしながら歩いてくる。
少し、挙動不審気味。
琉嬉がスマホのメモを見る。
そして、少女の服装などの特徴と照らし合わせる。
「ええと…赤い鞄にポニーテールで小学5年生のメガネ女子です…とな」
そして少女の方を見る。
全ての特徴が一致している。
どこかソワソワしてる感ある眼鏡っ子がいる。
赤い背負いの鞄にポニーテール状の髪型。
そして眼鏡。
背は150cmないくらい。
「多分…あれだな」
そして、バっと立ち上がり少女の方へ向かう。
「あ、琉嬉ちゃん」
遅れながら、後に続く二人。
「そこの眼鏡さん、君が依頼してくれたHNナナミさん?」
声をかけられた少女がびっくりしながらも返事をする。
「は、はいっ。そうです…あなたがルキさん…ですか?」
「そだよ。あ、言っとくけど同じ小学生じゃないからね」
「…え?そうなんですか…?じゃ、じゃあ中学生…?」
「………来年高校3年生になるんだけどね…」
「……え?」
いつものように笑いが堪えられず笑いっぱなしの二人。
その二人をさしおいて話を続ける。
「とりあえず、あの二人置いといていいから。で、どんな事があるの?」
「あ……そのですね…」
少女は今までに起こった出来事を琉嬉達に話す。
少女の本名は田川奈々(たがわなな)と言った。
そして今学校で不可解な事が頻繁に起こってるという。
よくあるのが幽霊目撃談。
放課後によくあるという。
教師は信用してくれないらしいが、実際教師も見てるという噂もある。
その目撃する霊はどうやら、大人の女の霊…という、小学校にしては一風変わった霊だという。
霊感ある生徒が時折恐怖を感じて学校を休みがちになったりしてるという。
そして奈々がポケットから取り出したもの。
写真だった。
「あの……これ…」
「ああ、俗に言う心霊写真ってやつか…」
奈々から手渡される写真。
デジカメで撮ったやつをプリントアウトした物。
奈々を含むクラスメイトだろうか。
その複数人写っている画像の片隅に顔らしきものが写っているのを確認できる。
「わざわざプリントアウトしてきたの?やるねぇ」
関心する琉嬉。
そして画像を手に取り、少し長い時間眺める。
「ふぅむ…。画像だけじゃぁ…特に強い念は…」
「どれどれ」
みゆが強引に覗き込む。
そして印刷された画像の紙に手を掲げる。
「あの…この方達は…?」
「ん?こいつは僕の後輩。んであっちの金髪は年上の同級生」
「……はぁ…。(二人とも美人…)」
奈々にはどっちにしろ琉嬉の後輩にも同級生にも見えない二人だった。
「うーん。生の写真じゃないとよく解かんないや」
みゆもお手上げ。
「いまいち中身が見えてこないなぁ…一回その学校とやらに行ってみないとなんとも言えないね」
「…でも小学校だよ?部外者が入るのも駄目だし、侵入するっていうのも難しいよね」
しばし沈黙がおとずれる。
「じゃあ、どうすれば…」
オロオロしだす奈々。
「いや、私らは無理だけど、琉嬉ちゃんくらいの体格なら大丈夫なんじゃない?」
「……は?」
「あ……あの~…。なんで私も一緒なんですかぁ…?」
「背がちっちゃいから。」
「あぅ…」
半ば、強引に連れてこられた柚羽。
背が低くて小学生と混ざっても分からないという理由で柚羽に白羽の矢が立った。
琉嬉も言わずとも知れたロリ体型。
まったくもって問題なし。
結局、先日はあのまま奈々と別れて終了した。
翌日になり、今回学校の放課後にこっそり侵入してたしかめる事になった。
「来てくれたんですね!ありがとうございます!」
奈々が迎える。
琉嬉と柚羽はバレないように、私服に着替えてやってきた。
さらに、柚羽の得意武器の刀は目立つ理由で今回は持ってきていない。
元々、剣技に頼らなくとも陰陽術の使い手なので並みの術者以上の陰陽術は使える。
「私じゃなくて、來魅さんとかでも良かったのでは…?」
「いやー、アイツがいると目立つからね。あの髪の色だし、でっかいリボンもはずさないし。
ここは、見た目地味な僕と柚羽でおっけー」
「……たしかに、地味ですけどぉ…」
「しかし、お二人…違和感ないですね」
改めて幼い印象の二人を見る奈々。
「そう言われるとなんか、納得いかないけど。しかし、柚羽の胸がムカつくな」
「いや、そんな…何を言ってるんですかッ」
そう、柚羽は背の割には胸が大きい。
それをなんとか隠そうとはしているが…。
「大丈夫ですよ。私はぺったんこですけど、中には胸の大きい子もいますから」
「ま、そうだよね。僕らが小学生の時も…いたなぁ…」
なぜか少し震えながら言う琉嬉。
「はは…は…」
柚羽は何も言えず。
「とりあえず案内して」
「あ、はい」
奈々と共に小学校へ入る。
怪しまれないように、予め上履きも用意。
そして、すんなり入れる。
まったくもって違和感ないし、誰も気に止められない。
教師も時折、出くわすが何も言われない。
「なんかドキドキするね」
「…私、高校生として自身がなくなってきました…」
元気がなくなっていく柚羽。
「そもそも、普段から中学生とかに間違えられるのに…」
「中学生なら、いいじゃん?僕は100パー小学生だよ」
「…は…はあ……」
そう言われると何も言い返せなくなる。
かなりテンションが下がってしまった。
奈々の案内で大まかな場所、間取りなどを見てきた。
「なるほどねぇ…」
なんとなく記憶をした琉嬉と柚羽。
一通り見て回ったがそれらしい霊気も感じられず。
本当に出るのか?という考えまで出てしまうくらい何も感じられない。
「いやー、何も感じないなぁ」
「そうですか…?」
「よく目撃される場所って何処?」
「…一番目撃談がある所ですか…それだったら…こっちです」
言われるがままについていく二人。
案内された場所は校舎の一番端っこの階段。
階段途中の窓から見える景色は森林が広がっている。
校舎となりはもう山になるのだろう。
田舎街なので、町を越えたと思ったらすぐ山が広がる。
そんな場所。
ひょこっと窓から顔を出して外を覗く琉嬉。
校舎の隣は林、つまり人の手で作られた木々が広がっている。
もう少し奥は人の手が入っていない森となっている。
「ふーむ。別にこの林は関係ないのかな…」
「あ、あのですね…。結構この奥地自殺する人がいるらしくて、幽霊目撃談もあるみたいなんですよ…」
そう、奈々が言い出す。
「でも学校とは直接ないはずですよね?」
柚羽が思う疑問。
もっとも、自殺と学校とは関連づかないはずである。
それに目撃談があるのは大人の女性の霊だというから不可解である。
15分くらい、その階段付近に張り付いている3人。
ウロウロしてるように見えたのか。
教師にみつかってしまった。
「コラ、そこの3人。何やってるんだ!何か用事なければ早く帰りなさい」
「…はぁーい」
と、とりあえず返事をする3人。
すっかり小学生に解け込んでいる琉嬉と柚羽。
やむを得なく、その場から遠ざかるようにして廊下を歩く。
「結局何も得られる物なかったですね…先輩」
「そうとも言い切れないよ」
「え?そうなんですか?」
「…校舎の外に行こう」
琉嬉はそれ以降黙ったまま、外へ出る。
柚羽と奈々は同じように黙って着いて行く。
校舎の隣の林へやってきた。
さっきまでいた階段付近の場所。
あまり人が通らないのか、道らしき道は出来ていない感じだ。
少々歩くのさえ困難。
「…うひゃっ、道ないですね~…」
小学生の足では少々大変だったみたいだ。
それに比べ、さすがに琉嬉と柚羽は慣れた動き。
「お二人…凄いですね…って、どうしたんです?」
「…上見てみな」
「え?」
ふと、奈々は窓のある方へ目を向ける。
しかし、何も見えない…のだが…。
「え…と…何も見えませんけど…」
霊感のない奈々にはまったく何も視えない。
だが、二人は固まったように窓を凝視している。
「ナナには見えないかもしれなけど…僕には視えるよ。はっきりと。
女が窓からこちらを見てる……。赤い服の女が…」
「私にも視えます…」
そう、その噂の大人の女性とやらがこちらを見ている。
琉嬉と柚羽にははっきりくっきりと。
窓は二階部分などで表情もよく見える。
かなり、虚ろな目つき。
こちらを認識しているのかもしてないのかも分からない。
何も語らずこちらを見ている。
それがかなり不気味だ…。
「…なんで、さっきまでまったく気配、霊気感じなかったのに…」
入れ替わるようにその場に霊が現れる。
「これはあれだよね。またその場に行ったらいなくなってるていうオチだよね?」
琉嬉が不安そうな顔で柚羽に聞く。
「え?ええ…まぁ、そうですよね…ハハ」
「とりあえず柚羽中入って確かめてきて!」
「え?え?なぜに…?」
「みんなで行ったらどうせ消えて居なくなるオチだから!ここは二手に別れて確かめるべきだ!」
「ええぇぇ……」
「ホラ、れっつごー!」
「ひぃー…」
後輩使いが荒いとでも言うのか。
「あ、あの?」
「大丈夫大丈夫。あいつはおとなしそうに見えても、剣士だからね。体力面は自信あるはずさ」
「はぁ…」
そうする事わずか2分程度。
琉嬉が窓を眺めていると突如その女の霊の姿が薄くなる。
「あっ、野郎その場から動くつもりか!」
バッとポケットからお札を取り出す。
そして勢い良く投げつける!
が……。
「きゃんっ!」
ぺしんっと窓から顔を出した柚羽に命中する。
顔面に。
「あ…れ?なんでお前がそこにいるー!!」
「あぅ…なんで私が…」
「まったく…。生きてる人間にはそれ程影響ないはずだけど…。
お前みたいな強力な霊気持つヤツには毒なんだよ…この札」
「うぅ…酷いですぅ。琉嬉先輩…」
「大体なんで窓から顔出すんだよ~…」
「だって……誰もいなかったんですよぉ…うぅ」
半べそ状態。
「誰…も…?」
柚羽が言うには、さっきの階段に着いた時には既に霊はいなかったという。
しかし、琉嬉には柚羽が顔を出すまでその場に霊は「たしかに居た」。
(なんだ…?どういう事なんだ?たしかに、柚羽も外で見たのを確認したはず…)
「これは…一杯食わされたようだね」
その後、女の霊は現れる事はなかった。
まったくもって気配なし。
そこで、琉嬉は今ある情報が少なすぎると感じ、奈々に出来るだけの情報を手に入れるように頼む。
そして、こちらも琉嬉なりの情報網で伝になる情報を探し出す事にする。
そのままその日は終わり、翌日へと時間は進む。
いつもの昼休み。
テスト期間だというのに、相変わらず集まる。
勿論、勉強会的なのもあり、教科書を開いている者もいる。
だがそんな中、琉嬉は誰かとスマホで話をしている。
そのまま電話を終え、みんなが集まってる所へ戻ってくる。
それまで静かだった凛夢が琉嬉に話しかける。
「ねえ、琉嬉。また何か事件に首突っ込んでるの?」
「……ん。まー、そうだね。それがなにか?」
「いや…別にそういうのは個人の自由?だしいいだんけど。他人の事ばっかりかまっててよく身が持つなと思うわ」
呆れたように言う凛夢。
右手にはペンと左手には教科書。
復習でもしてる様子だ。
「性分だからね。うちお寺だし。本家がだけど」
「…なるほどねぇ。(ウチとは似たような事やってても根本的な考えが違う…か)」
こういう、他人の事を放っておけない部分は家系的に遺伝している。
それは琉嬉も受け継いでいるのだ。
「琉嬉先輩、誰と話してたんですか?」
みゆが興味津々に聞く。
「ん。あの学校や学校付近で昔事件なかったか、沢村刑事に聞いてみた」
「おおぅ。あのカッコイイ刑事さんか!そういう繋がりが羨ましいですねぇ」
「そういう情報網が琉嬉ちゃんの強みだね!」
「…まぁね」
霊が現れる理由がある。
そこに未練を持つもの。
なんらかの事件の場所に自縛して動かないものなどなど…。
嫌というほどそういうのを見てきた琉嬉。
事件などあれば対処法などがすぐみつかる。
だから、琉嬉は警察の持つ情報網から見つけて、霊を対処する。
ただただ、理由もなく祓う訳にもいかない。
霊が存在する「理由」を見つけてから、なるべく対処しよう。
そういう考えなのだ。
「で、何か裏付けれるような話は聞け訳?」
ぶっきらぼうに琉嬉に聞く凛夢。
なんだかんだでちょっと気になるようだった。
「関連性あるかどうかは、分からないけど…核心に近いのは聞けた」
「本当ですかっ」
成り行きに巻き込まれた柚羽も気になる。
「……これは、警察側で保管されていた情報だから本当の話。
今から、15年前くらいに…女性教師が失踪して近くの山林で他殺体で発見されてる。
ほとんど公にされる事のない事件だったみたい。
ちなみに、犯人は捕まっていない。迷宮入り。
15年も前の事件なんで今だったら、そりゃ風化されるよ。
そこそこ小さくもない街だし、人もそれなりにいる地域。
それでも人々から忘れ去られるものだよ」
「…ですよね…」
「それに関係してるかどうか分からないけど、そういった事件があったのはたしか。それを頼りにどうにかしてみるよ」
「……ほんと、世話焼きね……アンタって」
ポツリと凛夢が琉嬉に向かって言う。
「それが、彼方家のお仕事」
「……フーン…」
「なんてね。ふかしぎ部としてのプライドかな」
「何ソレ…」
ペンをくるくる回しながら凛夢は琉嬉の言葉に呆れる。
「しかしホイホイ内部に人間でもないヤツに警察の情報をあげるなんていいのかね…まったく」
不思議そうに言う龍翔。
「なんでも、特別な刑事さんらしいですよ」
ドサッと、何かの雑誌を机に置く寧音。
「特別な?」
「ええ。詳しくは知りませんけど、不可解な事件専門に動く人らしいです」
そして本を開く。
どうやら漫画雑誌のようだ。
「なるほどねぇ。それよりお前…なんだそれ?」
「え?これですか?勉強ばっかりすると頭がおかしくなりそうなので、漫画分で頭のスッキリさせようかと」
「……風紀係がこれだもんな…」
なんかひどくがっかりするのだった。
三度、奈々と会う琉嬉と柚羽。
前回と同様に、それっぽい私服に着替えて学校へ入る。
着替えは予め用意しとき、家に帰らず小学校へ直行して来た。
琉嬉は可愛らしいゴシック調な黒メインの服。
寒いのにも関わらず無理をしてホットパンツに黒のサイハイソックス。
柚羽は普段着ないような眺めのワンピース型のスカート。
チュニックっぽい、明るいクリーム色した服だ。
これでより幼くっぽく見える。
「しかし…誰も気づかないんですかね…私達の事」
「それを言うなっ。悲しくなる」
「はあ……」
「まあまあ、若く見えるって事はいい事ですよ」
リアル小学生に言われる二人。
喜んでいいのやら悲しんでいいのやら。
「で、ナナ。何か新情報でもあった?」
「新情報というか…、実際その幽霊さんは、昔から目撃情報はあったみたいです…。
ここまで頻繁に現れるようになったのは最近みたいです」
「他には?」
「いえ、他には特に…。一日だけじゃちょっと限界かもです。ごめんなさい…」
「ん。ま、別に大丈夫。十分な情報。そっかー、やっぱり昔から居たんだな…」
「どういう事なんですか?」
琉嬉は奈々に15年前にあった事件の事を話す。
それに関連性あるかもしれないという話を。
話の途中で琉嬉のスマホが着信する。
着信の主は來魅だった。
『おー、琉嬉かー。調べた結果、目撃の霊は殺された教師に似ているっていう書き込みは何件かあったぞ』
「ほんと?來魅でかした。あとでハンバーグ屋さん行こう。あんがと、來魅」
『なんのなんの。私の力を持ってすれば』
(…最強妖怪來魅を事件解決の助手のように…琉嬉先輩って、恐ろしい子)
心の中で柚羽がツッコむ。
ここ最近の來魅は自分の妖力じゃなく、現代科学の力で琉嬉の手助けをしている。
最強の妖怪がなぜこんな事になってるのかは、來魅本人に聞くしかあるまい。
來魅がネットでこの小学校の闇サイトなるもので調べた話。
15年以上前の事件の事。
それ以降に殺された女性教師に似た霊が目撃されてた事。
書き込みはおそらく、この小学校の卒業生。
今は20代後半から30代くらいの人間達だろう。
インターネットならではの情報の集まり方だ。
信用性はあるかどうかは別にしても、こういった情報が集めやすいのはお得だ。
闇サイトに関してはいろいろ問題あるがこういった情報も集めやすいのが皮肉である。
「さて、どうするんです?琉嬉先輩?」
「闇雲に動き回っても仕方あるまい。出るまで待つのが一番だろうね」
「…そうですか…」
そのまま一番目撃談の多い階段付近へ待つ事30分。
近くの誰もいない教室に入り待機している。
柚羽は奈々に寄りかかるようにして寝ていた。
奈々も少々疲れ気味。
小学生にとって、いや、小学生以外でも30分間何もしないで待つのはつらい。
ただ、霊が出現しないのもここへやってくる意味がない。
とにかく、待つしかない。
それからさらに30分程。
時刻は夕方の5時半近くになっていた。
外はほとんど日が落ちている。
委員会やクラブ活動などで学校にまだ残っている児童もパラパラ帰っていく。
人気がどんどんなくなっていく。
そして、それがやってきた。
琉嬉は少し痺れをきらしたのか、廊下へちょっと出歩いていた。
だが、ふと小さな霊気を感じた。
階段の方向からだ。
だが、振り向いてもまだ何もいない。
しばらく階段のある窓あたりをみている。
すると……窓から物理法則、重力を無視?するように女の霊が壁をすり抜けて現れたではないか。
少し、その異様な光景に驚愕する。
見慣れているはずだが、どうもこの不気味な光景がいまだに受け付けない。
「……自縛…というより、場所を動くタイプか…。それもループタイプ…?」
ループ。
その場をじっとしないで永遠と同じような場所を、ルートを移動している。
そのような霊がいるようだ。
「しかし……建物の外からやってくるなんて…。昨日僕らは外にいたのに…一体…」
さすがに、霊の行動範囲、移動力なんぞ、生きてる人間には所詮分からない。
いかに高度な術者を持っても理解把握は出来ない。
(…だいたい、昔から居る霊がなんだって今頃頻繁に目撃されるようになったんだ…?)
疑問を抱きつつ、霊にコンタクトをとりにいく琉嬉。
「ルキさん?」
奈々が異変に気づく。
奈々には霊は視えてない。
琉嬉が何も無い所に話しかけてるようにしか見えない。
「ほへ…琉嬉先輩?」
みっともない顔しながら目を覚ます柚羽。
教室を出てみると琉嬉が霊と交信している。
その琉嬉は黙ったまま、その女の霊と対峙している。
今回は逃げられる事もなくコンタクトをとるコトが出来た様子だ。
そのまま5分ぐらい経つ。
しばらくするとその霊は姿を消す。
「琉嬉先輩!」
柚羽らが駆け寄る。
「あ……あの…?一体?」
「まぁまぁ、落ち着いて。今話すから」
「あの霊は何か訴えてたんですか?」
柚羽が単刀直入に聞き出す。
琉嬉は少し間をおいて話す。
「なんていうかね…あの幽霊が言うには、やっぱりここで殺された教師らしいよ。
その時の念が入ってきた。
そして、その犯人がココにいるって…。
まあ分かりきった話だよね」
「は、犯人?!」
驚く奈々。
「既に時効だろうけどね。
でもそれが許せないみたいでその犯人がここに来るまでずーっと何度も行き来してるみたいだね。
あれ、そういえば殺人って時効なくなったんだっけか?まぁいいや」
「本当ですか……。それだったらあまりにも酷な話ですね」
「そして、今こんなに姿を現すようになったのは…その犯人がここに戻って来てる…らしい」
「…え?」
犯人が戻って来ている。
どういう事なのだろうか。
「15年経って…ここに戻って来てる…教師。そう、犯人は教師」
「そんな事って有り得るんですか?」
「有り得ないコトではないと思うよ。教頭にでもなれば…話は別だよね」
「教頭…先生?」
奈々が絶句する。
でもどこか思い当たる節があった。
新しく教頭として赴任してきた教師。
だが、決していい評判がなく、怪しげな評判ばかりだった。
「ナナさん?何か心当たりでもあるんですか?」
「え?あ、ハイ…。ちょっとあまりいい噂聞かないです。
時折、凄まじい剣幕で怒ったりとかあるようで…他の人達からもあまりいい評判ありません」
「なるほどね…。その教頭とやらに会ってこようか。まだいるだろうし」
「ちょ!琉嬉先輩!それはあまりにも危険じゃないですか?私達の素性知れたらいろいろと危険な気が…」
「なーに。こっちにはいい作戦があるよ」
「作戦…?」
犯人説が浮上した、教頭。
その教頭は職員室に居た。
あまり人柄も良さそうではない。
同じ教師達からもあまりいい評判がないようだが、実力は高く、今の地位にいるようだ。
どこかしら、学力など良くても人間的に変わっている者はいるものだ。
そこの職員室の扉をガララっと開け琉嬉が入ってくる。
「失礼しまーす」
そのままズカズカと琉嬉は一直線に教頭の元へ向かう。
「なんだね?君」
見た事のないような児童…。
というより大勢いる学校の生徒の中で関わりのない生徒などザラにいる。
下手したら部外者が居ても気づく事はあまりないだろう。
その部外者が同じ小学生だとしたら尚更…かもしれない。
琉嬉はサイズ的にもまったく違和感ない。
「あのー、教頭先生って人殺しですか?」
突然仰天発言を教頭に向かっていう琉嬉。
「…何を言ってるんだね?突然人に向かって人殺しとは…」
「うわぁ…ルキさん…凄…」
その様子を廊下から見てる奈々。
教頭の顔が分かるため近くまで琉嬉と一緒に来ていた。
「フフ、その様子だと、図星ですか?教頭センセイ?」
「大人をからかうんじゃないよ。何を根拠に…」
不快感をあらわにしている教頭。
至って冷静だが、どこか動揺してるようにも琉嬉には見えた。
だが、教頭の顔は一気に真っ青になっていく。
琉嬉の後ろにはさきほどの女の霊がうっすらと見えていた。
教頭にはその霊が視えていた。
「え?え?ルキさんの後ろに居るのは…?もしかして幽霊…?」
奈々にも視えていた。
琉嬉は自分の霊力を通し、より鮮明に視える様にしている。
「なっ?なんで…お前が?!」
あきらかに動揺している。
「どうしたんです?教頭センセイ?」
嫌味ったらしい笑顔の琉嬉。
「ひっ?!お前はあの時死んだはずじゃ?!!」
ざわつく職員室内。
そして教頭は突然立ち上がり猛ダッシュで外へ出て行く。
「あっ、逃げましたよ!」
「追いかけますよ」
柚羽は奈々を軽く抱き上げ追いかける。
「わわっ?!」
突然の柚羽の行動に驚く。
「ヒィッ?寄るな!!なぜ?!お前が?!!」
必死に抵抗するように逃げる。
霊はしつように教頭を追う。
琉嬉は黙ってその様子を眺めているだけ。
後から二人も追いつく。
「あれって…?!」
「そう。あの霊はあの教頭に殺されたんだよ。霊がそう話してくれた。
その恨みが残っててあの場を永遠にループしていた。
それがどっこい、その犯人の教頭がこの学校へ戻ってきた。
それに気づいたから、頻繁に現れるようになったみたいだね。
復讐するために」
「まじですか~…」
今起きてることが信じられない様子。
奈々の眼ではっきりと見える。
今行われている状況が。
夢でもなんでもない。
真実なのだ。
「あー、言っとくけど、これから起きる事は僕は、何もしてない。
霊が勝手についてきただけだから、何も手を下してない。OK?」
「……はぁ…」
「あーあ。あの教頭どうなることやら…」
(ルキさん…怖ッ)
教頭は例の階段付近まで追い詰められていた。
「ひぃぃ!なぜ…お前はたしかに死んだはず…!?」
女性の霊は何かを言ってるようだが、声が小さくて聞き取りにくい。
周りには誰もいない。
霊はそのまま教頭の首に手を伸ばし、そのまま締め付ける。
「…がっ…ぐ…何を…」
凄まじいまでの力…にも感じる。
息が出来なくなる。
そして窓へ押し付けられる。
「……た……た…やめ…ろ…」
そのまま強烈な力で押され、窓がガシャンと音を立ててそのまま体は外に落下していった。
ドスンと、鈍い音を立てて静かになる。
しばらくすると誰かが気づいたのか悲鳴が聞こえる。
「あ…あの…?もしかして…?」
なんとなく、何が起きたのか察する奈々。
おそらく、教頭の身に何かが起きた。
「相当な恨みがあったんだろうね。復讐だけの念しかなかった。ほとんど、悪霊に近いくらいの…」
「…てことは…」
「この騒ぎは復讐が完了したのかもね。僕らは「何も見てない。してない」それだけ。
面倒にならないうちに帰ろうか」
「…はぁ…」
帰り際、駅で柚羽と合流する。
柚羽はあの後琉嬉らと一旦別れ、霊とコンタクト取り、教頭のあっけない最期をも見届けたようだった。
霊は悪霊化一歩手前のまま、浄霊されたようだった。
「いやいや…。あの状況は何度見ても嫌なものですね…。まぁ、殺されて当然な恨み買うような人間は仕方ないものです」
おとなしそうな柚羽だが、これでも裏の世界で生きているだけあって淡々としている。
このような人が死ぬような場面は見てきている。
といっても決して気持ちよくないものだ。
「ま、そだね。でもこれでもうあの霊も出ないと思うよ」
「そうですか…なんかとんでもない事になってしまったような…」
「しばらくは面倒な事になってるだろうね」
「そうですね…」
しばらく沈黙。
そしてそれを断ち切るように琉嬉が喋る。
「…なんか、ごめんねー。祓うつもりが生きてる人間祓う事になっちゃって」
「いえ……こういう仕事ならばこんな事もあるんだなと…変に納得しました」
「はは、強いね。てか、君、少し霊感あるでしょ?霊…視えたでしょ?」
「あ、はい…少しだけ視えました…。なんででしょう?」
「少しだけ霊力をあげた事により見えやすくなったんだよ。少々の霊感ある人なら視えるくらいに。
ナナは視えたから鍛えれば霊感は強くなるよ?」
「…ハハハ、遠慮したいです」
「ですよね~」
あれから二日ほど経った。
結果的には教頭が霊に復讐されて終わる事となってしまった。
だが、その霊は恨みが晴れたのか二度と現れる事もなくなったという。
琉嬉と柚羽、みゆと護は奈々の学校付近の駅で奈々と会っていた。
「琉嬉先輩。あれからどうなったんです?ニュースではちょっとだけあの教頭が死亡したって出てたくらいですけど…」
「ん。沢村刑事の話によると、あの教頭やっぱり16年以上前に女性トラブルあったらしいよ」
「そうなんですか…」
「その後その女性相手が失踪、あの林の中で遺体で発見されたんだって。
遺体は林の中で遺棄されたっぽくて、殺されたのは多分、あの階段付近じゃないかな。
もしかしたらあの窓から落下して…かもだけど。
一応犯人として教頭の名も挙がってたけど証拠不十分で、
今の今までこうして闇に葬られてた事件みたい。
法律に関係なく罰せられたんだね。本人の命で」
「怖い話ですね…」
「でもさ、そんなに証拠が掴めないものなのかな?」
護が寒い中アイスキャンディーを食べながら言う。
「警察も万能じゃないんですよ」
みゆは反対に暖かい缶コーヒーを飲んでいる。
「ほいっ、奈々ちゃんも」
みゆはもう一つを奈々に渡す。
「ありがとうございます」
「あの頃は沢村刑事の特係もなかったからね」
「ふぅん(特係ってなんだ?)」
護には分からない。
「犯人は事件現場に戻ってくるっていうけど本当だね」
「はは…」
ひきつった笑いしかできない柚羽。
「なんていうか、あの霊も決して天国には行けない気もするけどね…難しいものだね」
「ですね…」
なんとも、悲しい事件が裏にあった今回の怪奇事件。
幽霊目撃情報がなければ完全に闇の中の事件だったかもしれない。
そして、奈々が琉嬉へ情報提供、事件解決依頼をしてなかったらさらに昔の事件は終わってなかった。
罪を犯した者は罰せられる。
それが真理なのかもしれない。
琉嬉はつくづく、そう思い感じていた。
「なんていうか、今回は後味の悪い事件だったみたいだね」
護が残念そうに言う。
「霊は満足そうだったけどね。僕らにとっては決して晴れやかな気持ちにはなれないね」
「でも、琉嬉さん達と出会えて良かったですよ!これからも何かあったら連絡していいですか?」
「あ、え?まぁ、いいけど」
少し照れだす琉嬉。
「ありゃりゃー?琉嬉先輩照れてるの~?なんで~?」
「うるさいっ!」
みゆが茶々を入れる。
変わりないやり取り。
こんな日常が繰り返す影には恨みを持つ霊など、暗黒な念が渦巻いていたりするのだ。
「しかし…アンタとこは毎日そうやって過ごしてきたのね…」
凛夢は琉嬉に向かってやれやれといった表情で言う。
「それが当たり前みたいなもんだからね。水無月の家もそうなんじゃないの?
「…うちも似たようなもんだけど…今は関係ない」
「ふぅん。って、なんでお前がいる?!」
「なんでって…みゆに誘われたから」
「ああ、そう」
なぜか居た凛夢。
それよりも、凛夢の家系が自分の所と同じではないのか。
ふと思った。
そして、それ以上何も聞かない。
このまま一緒に居る事があればいずれ分かる事かもしれない。
だから、敢えて聞かない。
「んー、奈々ちゃん可愛かったねぇ」
「小学生って可愛いねやっぱり」
「変な意味に聞こえるぞお前等」
あの後奈々を誘って近くのファミレスで食事。
御代はみゆ持ち。
奈々はえらく頭を下げて感謝していた。
礼儀正しいしっかりとした小学生だった。
「世の中こんな事が沢山あるのかな…」
ボソッと近くの者にも聞き取れない程小さな声で呟く琉嬉。
「ん?何か言いました?先輩」
「…気のせい」
プイッと違う方向を向く。
「変なの~」
「あ、もう7時半過ぎてるじゃんー」
護が携帯を見て大きな声で言う。
相変わらずうるさい。
「帰りましょう」
柚羽が白い息を出しながら歩き出す。
「そだね」
「じゃ、解散ー」
そして近くの駅でそれぞれ帰路に着いた。
それからとも言うもの、奈々からちょくちょくメールが来るようになっていた。
どうやら琉嬉の事が気に入られたようだ。
そして、元々普通の人間より少しだけ霊感がある。
あの影響からなのか、少しだけ感じるようになってきたとかないとか…。
どっちにしろ興味が出てきたようだ。
琉嬉も嫌な顔をするものの、律儀に返事をしている。
結局は何かと頼られるような存在の琉嬉。
これからもこうやって過ごしていくのだ。




