scene2 悪魔研究部
昼休みの教室はついさっきまでクラスメイトが殺し合いをしていたことなど全く気付かずいつも通りの昼休みを過ごしていた。
そんな中、日常とは遠く離れた所に追いやられていた
相良は猛抗議していた。
「田中!危うく殺される所だったぞ」
「でも殺されてないわよね」
「結果的にな!危うく真っ二つだぞ」
「でもちゃんと回避できてたわ。さすがね」
「さすがじゃねえよ」
「相良君、こんな人と一緒にいたら危険...立派な悪魔になれませんわ」
「その悪魔だから命狙われたんだけど...って言うか悪魔じゃないし」
相良の即答に赤峰は不満そうに頬を膨らます。
「でももう普通の人間には戻れませんよ」
「嫌な現実突きつけるなよ…」
その時だった。
後ろから話しかける声がした。
金澤実花である。
仁王立ちで三人を見下ろしていた。
「三人で楽しそうなところ悪いんだけどさ。私の悪魔の件どうなってるの?」
「あのな...俺の顔見て楽しそうに見えるか…?」
相良がぐったりとした顔で答える。
「...青春の一ページ感は出てるわね」
「どこがだよ。青春に命のやり取りは無いんだよ」
その瞬間
「あれ?金澤...お前も?」
低めの声に全員が振り向いた。
そこには、いつの間にか教室へ戻ってきた佐々木が立っている。
相良は素っ頓狂な声で驚く。
「うわっなんでお前がこんな所にいるんだよ」
「そりゃいるだろ。同じクラスなんだからさ」
「いやいやいや、さっきまで俺を殺そうとしたろ!何事もなかったように話しかけてくんなよ」
「今は仕事時間外、ごく普通の高校生だ」
「オンオフで割り切れる話じゃねえよ」
「佐々木...なんか、あんた怖いわよ」
「金澤さん、わかりますその気持ち...悪魔よりも人間のほうが怖い瞬間ってありますわよね」
「赤峰さんは怖い側だと思うぞ」
相良は深くため息をつく。
田中がみんなのやり取りを見ながら満足そうにうなずく。
「いい感じにメンバーがそろって来たわね」
「なんのメンバーだよ」
相良がじろりと睨んだ。
田中がポーズを決める。
「悪魔研究部よ」
「そんな部活ねえよ」
「今から作るのよ」
「勝手に部員にするなよ」
「何を言ってるの相良君の為の部活よ」
「俺の為を思うならそっとしておいてくれ」
しかし..。
「悪魔研究部ありだな」
「無いよ」
「あるわね。私の悪魔を探すのにも役に立ちそうね」
「相良君の闇化計画も進みそうね」
誰も相良の意見は聞いていなかった。
「あのな俺はこれ以上悪魔食べる気ないぞ」
田中が首を振り肩に手を置いた。
「これからじゃない」
「そうですわ熟成させていきましょう」
「全然嫌な未来しかみえないんだけど」
「相良君立派な悪魔になりましょうね」
「人の話を聞いてくれ!そもそも俺は悪魔じゃない!」
「だとすれば部長を決める必要があるな」
「待て佐々木!俺の話を無視して話を進めるな!」
相良の叫びは完全に無視され話が進んでいく。
「だったら部長は...相良君が適任ですね」
「赤峰さん、俺はまだ部員になるとも言ってないぞ」
「相良君しかいませんわ。だって相良君の為の部活ですから」
「俺は望んでいない!一番やる気がないんだ!」
「仕方がないわね。ここは発起人の私が部長をするしかないわね」
田中が胸を張る。
「いや部長は俺だろ悪魔を倒してきた俺だからこそ悪魔については詳しいからな」
「悪魔とは真逆の立場ですね。やはりここは悪魔の力を宿す悪魔の化身!相良君しかあり得ませんわ」
「だから俺の意思は!」
「ありませんわ。相良君はただひたすらに陰湿に陰険にどす黒くあればいいんですわ」
「俺はそんな奴じゃない」
その様子を見て金澤が呆れたように言う。
「誰でも良いわよ悪魔探して来てくれるなら」
「良くない俺が…」
「私が…」
「相良君が…」
みんなの主張が食い違い空回りしていく。
「だったら勝負よ!」
田中が突然宣言した。
「一番強い悪魔を見つけてきた人が部長よ」
「は?何だぞれ…?」
ぽかんとする相良を田中は指さした。
「もちろん、あなたも参加よ!」
「なんでだよ。部長どころか部員な事も拒否してんだぞ」
「拒否権は...ないわ」
「そうです。相良君にそんな権利はありませんわ」
「相良!勝負だ俺は負けないぞ」
「佐々木...俺は勝負しないぞ」
相良の言葉は誰の耳にも届かない。
「じゃあ今から勝負ね」
「いいだろう」
「楽しみですね」




