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命短し恋せよ乙女ーお泊りデート

 ロケ地は、広間にレンガ造りの暖炉もある大きな西洋風別荘だった。俺たちが着く前に先発隊が撮影機材、小道具、衣装もろもろを運び入れていた。暖炉にも火が入っていて、広間は暖かかった。大きな窓の外は一面の雪景色と雪山の眺望だ。


 美嘉と俺は、早速、撮影用の衣装に着替えた。最初は、二人共に黒を基調としたゴシック風、SNSなどではゴスロリと呼ばれ、一部熱狂的な愛好者がいる隠れ人気ファッションだ。


 広間や階段の踊り場などで二人並んでポーズをとって撮影した後、雪原のように真っ白な雪が降り積もった庭に出た。小春日和の陽ざしで雪の表面がキラキラ輝いて見える。足跡のついていない一面の雪の中に美嘉一人が足を踏み入れた。


 そこで、美嘉は上半身を脱ぐよう指示された。まず黒のケープを雪の上に脱ぎ落した後、白のフリル付きブラウスも美嘉はためらうことなく脱ぎ捨てて、雪景色の中、上半身裸になった。ブラジャーはもともとつけていない。手ブラで胸を隠して、美嘉は凛とした表情で真っ白な雪の中からカメラ目線を向けた。


 手ブラのトップレスで美嘉が様々なポーズをとった後、俺は黒のレースのアンブレラを持って彼女の隣に立ち二人揃ってカメラ目線をとる。そして、広げたアンブレラを側に立て掛けて、俺は美嘉の後ろにまわり、黒のレース手袋の両手で彼女の乳房を覆った。近くで見る美嘉の乳首は冷気で縮まり色が少し濃くなっていた。


 「美嘉。寒い?」


 「ううん。平気」


 そう返した美嘉と俺は、アドリブで、軽く唇を重ねた。軽快に鳴り響くカメラのシャッター音を聞きながら。最初は互いの唇の端が軽く触れ合う程度。次に舌を出して、互いの舌だけをごくゆっくり絡ませた。首だけで左を向いている美嘉は、肘を上にあげた右手と下側の左手で俺の頭を上下から挟んでいる。カメラ側からは、美嘉の右脇から横乳までのラインが綺麗に見えるだろうと思う。


 アドリブついでに、唇を完全に重ね合わせ、長いキスで舌を激しく絡ませあう美嘉と俺。カットという声で撮影中だということを思い出した俺は、美嘉の胸を揉んでいる最中だった。



 休憩時間は、暖炉のある広間で冷えた体を温めた。スタッフが用意してくれたホットミルク珈琲が美味しい。


 美嘉は大きなフリル付きゴスロリスカートで上半身裸のまま肩からガウンを羽織った姿。俺は上下ともゴスロリ少女の姿のままだ。休憩用のベンチに二人並んで軽くキスを交わしたり、他愛ない会話を交わしたりする。


 スタッフたちは気を利かして出来るだけ離れた場所で見て見ぬふりをしてくれているようだ。俺は人目を気にせず、美嘉の裸の胸を触り、温まって色艶の戻った先端を指で摘まんだりしている。恋人のお泊りデートという設定なのだ。会話のように自然にボディタッチを交わすのが当然なことのように思えた。


 「相変わらず、お熱いわね。あなたたち。窓の外の雪も溶けちゃいそう」


 つがいの小鳥がくちばしで愛を語り合うようにキスを交わしている美嘉と俺の横に、いつの間にか瑠奈が立っていた。


 「何よ。二人揃って意外そうな顔して。私がいること忘れてた? 私、このコラボ企画の立案者なんだからね」


 「忘れるもんか。何しに来た? エロ女神」


 俺は、美嘉の裸の胸をガウンで隠しながら、そう言った。


 「出来れば、人前でその呼び方はやめて欲しいな。ま、美嘉ちゃんの前だけだったら許してあげる。もう美嘉ちゃんも他人じゃないんだし」


 「そういうあんたが俺の身内みたいな言い方はやめてくれよ。変に誤解されるだろ」


 「相変わらず他人行儀な言い方も嫌いじゃなくってよ。私は、マドくんのスポンサーとして美嘉ちゃんとの仲を応援してるんだからね。あたなたちは、とっても興味深い研究対象なの。儚げで美しく、いじらしいほどに可愛らしい純愛カップル。寸暇を惜しんで愛し合う姿は、幻のごとく、原初の人間が持つ淡く儚い時間を象徴しているようね」


 「わたし、あなたに、何を言われようと平気よ。ちんちくりん。マドとわたしの邪魔だけはしないで。あなたの指示通り、撮影には付き合ってあげるから。それでいいんでしょ」


 そう平然と言い放つ美嘉に瑠奈は軽く肩を竦めて見せた。


 「もちろんよ。お嬢ちゃん。私がお膳立てしてあげたマドくんとのお泊りデート、たっぷり楽しんでね。ゴスロリ美少女二人の絡みシーン、とっても幻想的で素敵だったわ。ファンの心を鷲掴みすること確実よ。くふふ。それを伝えに来たの。それから大事なことをもう一つ、明日は朝早くから撮影があるんだから、夜更かしは程々にね。二人とも張り切り過ぎちゃ駄目よ。若いからって、お肌には悪いんだから」


 瑠奈はそう言い残して行った。


 「ごめん。ああいう奴なんだ。何というか、普通じゃない」と俺。


 「平気。あの子、普通の人間じゃないのは分かってたから。でも、悔しいわ。せっかくのマドとの休憩時間を削られちゃった。まだ、いっぱいキスしたかったのに」


 「今日、一日じゅう。撮影中だって、キスするだろ」


 「うん、する。それに、夜は二人きりだもんね。うふふ」



 休憩の後、夏の避暑地風のコーディネートに着替えた二人。俺は、ボーイッシュなショートパンツスタイルになった。美嘉は、別荘地の令嬢という設定で、ロングスカートとノースリーブニット。縦じまのニットが美嘉の上半身の美しいボディーラインを柔らかく描き出している。二人とも夏の装いを意識した明るく軽いメークに仕上げている。撮影は、早速、二人のキスシーンから始まった。


 世間の目を盗んで別荘に到着した美少女二人だけの秘密の時間、友達以上恋人未満のようなキスという注文だ。見せかけのような口づけではなく、ちゃんと唇を重ね合うが、まだ、男と女のキスではない。興味半分、唇を重ねて舌を絡ませ、互いの感触を確かめ合う。そして、その甘い感想を互いの笑みで確認し合う二人。そして、またキス。小鳥がくちばしでついばみ合うように、キスで愛の語らいを繰り返す。


 キスの後、俺は、美嘉の頬から耳に舌を這わせ、上を向いた彼女の首筋と喉に唇を軽く押し当てる。そして、ニットの上から美嘉の胸を優しく揉んだ。ニットの下はノーブラなので、先端の形が浮き出ており、左右の乳房の形もありありと感じられる。俺は、美嘉の片方の豊かな膨らみだけを揉み上げて、ニットの下で柔らかく変化する形を楽しみながら、また二人で軽く唇を重ね合う。その間も、随時、カメラマンの求めに応じてカメラ目線を送る美嘉。


 続いて、俺は、美嘉のノースリーブニットを脱がせた。美嘉は、乱れた髪を顔にまとい付かせたまま、恥ずかしそうに裸の胸を片手で隠して、下唇を噛んで詰るような視線を俺に向けた。仲の良い戯れから一変、緊張感のある雰囲気が二人の間に漂う。俺は、美嘉の両手を握り、裸の乳房をカメラの前に露出させ、強引に彼女の唇を奪った。


 男の娘との甘美な秘密の遊びを楽しんでいた美嘉は、俺の豹変に慌てて抵抗を試みるが、すでに男の強い力で両手の自由を奪われている。抵抗も空しく裸の胸を揺らして俺の中に潜む男を悦ばすだけだ。そこで、初めて男の娘の中の男の本性に気付いた美嘉は、観念するように女の情感のこもった表情をこめかみに浮かべながら、甘く深いキスに身を委ねた。


 予め渡されたシナリオ通りに演技した美嘉。撮影向けに抵抗するふりを見せるだけかと思っていた俺は、美嘉の鬼気迫るような抵抗と表情、そして、男の力に屈してしまう悔しさを滲ませる官能的な表情に感心した。美嘉には女優の才能があると思った。


 恋人未満のキスが恋人のキスに変わる瞬間という設定だった。


 俺は、嬉々として設定を考えてペンを走らせている瑠奈の姿が目に浮かんでしまった。あいつも、恋に恋する乙女なんだ。


次回:温泉女子会ハーレム


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