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清純派アイドル?のお泊まりデート

 「ねえ、マドってば! よそ見しないで、わたしとのキスに集中して。今、その変な子を見てたでしょ」


 そう言って、美嘉はさらに激しく唇を交わらせた。狂おしいほどに激しく舌を絡ませ合いながら、俺の右手は、美嘉のお尻の後ろから彼女のフリル付きミニスカートを捲り上げ、絶対領域の奥に達していた。薄い布地のショーツごしに指先だけでしっとり濡れている美嘉の湿り気を感じる。そのねっとり甘い芳香はキスで美嘉と呼気を共にしている俺の鼻腔にまで届き、互いを求め合う交わりが激しさを増す。


 湧き出す泉の源流を探るべく、俺の指はショーツの中に潜り込み、美嘉の濡れた中身に直に触れる。さらに奥へと源流を求めて遡る指は、美嘉の体の中にまで潜り込み、弾力のある内壁に触れていた。俺が初めて触れる美嘉の内側だ。


 それでも、美嘉はキスをやめることなく、激しく深く舌を絡ませてくる。美嘉の中に侵入した俺の指をキュキュッと一定のリズムで締め付ける圧を感じる。男の精を搾り取り、その奥に秘められた密室へと導く淫洞だ。美嘉のお腹に押し当てられ、はち切れんばかりの俺の分身が今か今かと出番をうかがっている。


 いや! 待て! 今は出番じゃない!


 俺は、理性を振り絞って、美嘉の体を押し返した。


 互いに肩で荒い息をついて視線を絡ませる美嘉と俺。


 「マドってば、凄いエッチなキス。まるで人が変わったみたい」


 上目遣いで俺を見ながらそう言う美嘉。


 うん。変わりかけてた。男に戻る半歩前。


 「それに、マドの男の子、凄い元気でわたしのお腹を突っつくの。うふふ。いけない子だわ。続きは、夜までおあずけよ」


 俺は、無言で美嘉の体を俺の腕の中に優しく抱き寄せた。美嘉との甘い痴話に興じている間はなさそうだ。もう後戻り出来ないような気がする。たぶん、これから何かが起きる。俺たちのすぐそばで平然とした笑みを浮かべている瑠奈を見て、俺はそう確信していた。


 「ねえ、マド。どうしても今すぐ欲しいっていうんなら、考えてあげなくもないけど」


 美嘉のごく甘い声が俺の耳元で響く。男の全身の神経をくすぐるような声だ。


 その時、部屋のドアのチャイムが鳴った。この展開、俺の予感が当たってしまったようだ。



 俺と美嘉に一言のことわりもなく瑠奈が部屋に招き入れたのは、総勢五人の男と女だった。カメラ機材を持っているので、撮影スタッフだろうか。


 「何? この人たち! ねえ、マド、わたしを騙したの? まさか、わたしとマドのいかがわしい写真を撮ってわたしを脅迫する気?」


 乱れた髪と服を慌てて整えながら、そう言う美嘉。


 「お見事だわ。半分正解よ。お嬢ちゃん」


 瑠奈はそう割り込んで、言葉を続けた。


 「でも、安心して。脅迫なんかしないから。これは、あなたたちのコラボ企画」


 「コラボって、何? どういうこと? ちんちくりん。あなたが仕組んだの?」


 「まあ、落ち着いて。マドとの逢瀬を邪魔されて怒る気持ちはよく分かるわ。でも、私、言ったはずよ。人間に残された時間は少ないって。指から零れ落ちる砂のように儚く、それでこそ、華やかに生命の瞬きを彩るの。つまり、エロスね。あなたたちの瞬きも見事だったわよ」


 「ねえ、マド、この子一体何なの? 言ってることが意味不明。まるで人間じゃないみたい。ちゃんと説明してよ!」


 俺にきかないでくれって、言いたいけど、ここは可能な範囲で説明するしかない。


 「俺にも正体が分からない。でも、信じられないかもしれないけど、俺の味方なんだ。大丈夫。美嘉には指一本たりとも危害を加えさせない」


 そう美嘉に言った後、俺は瑠奈に向き直った。


 「今度は何を企んでいる。ちゃんと分かるように説明しろ。後ろの連中は何者なんだ」


 「言ったはずよ。コラボ企画だって。彼らはそのための精鋭プロジェクトメンバーってわけ。今日は打ち合わせに集まってもらったの。安心して、美嘉ちゃんとマドくんの邪魔なんてしない。むしろ逆ね」


 「逆って?」


 いつものように嫌な予感しかしない俺。


 「お手伝いってこと。美嘉ちゃんのセカンド写真集のね」


 「わたしの?」


 「そう。美嘉ちゃん、まだ事務所から聞いてなかった? 特別コラボ企画のこと。今度の写真集にはマドくんも参加するの」


 そう、さらっと言う瑠奈。ちょっと、待て! 俺が声を上げる前に、美嘉が身を乗り出していた。


 「え? マドと? どんなコラボなの?」


 「うふふ。俄然興味が湧いたようね、美嘉ちゃん。コラボ企画名は、ずばり、今をときめくセクシーアイドル安城美嘉のセカンド写真集は男の娘アイドルとのお泊まりデート。やはり付いていた円城寺マド」


 「ちょっと待って。何それ?」


 瑠奈のでたらめな企画に美嘉がまず声を上げた。


 「セクシーアイドルってどういうこと? わたし、清純派アイドルで通ってるのよ。納得出来ないわ」


 え? 指摘するのって、そこ? もっと他に色々あるでしょ?


 「またまた、ご謙遜を、美嘉ちゃん。こんな写真集まで出しておいて、さっきはマドくんと凄く濃厚なキスを交わしたくせに、セクシーに目覚めてないなんて言わせないわよ。クフフ。まだ、本物のセクシーは知らないと思うけど」


 そう言うあんたは知ってるの? 本物のセクシーって一体何だよ。


 「美嘉ちゃんが気にするんだったら、清純派アイドルってタイトルに替えてもいいわ。どう? それで決まりね。実は、美嘉ちゃんの事務所の許可はもう貰ってるの。本番撮影だけはNGって条件で。マドの方は私がスポンサーだからもちろん問題無し。正直なところコードネームアユを説得するのは苦労したけどね」


 色々問題ありまくりだし、一部、コードネームにすらなってませんよね。それに、本番撮影って何? NGだって言うけど……


 「ねえ、マドは、どうなの? この企画、もちろん乗るよね?」


 美嘉は、俺の方を向いてそうたずねた。


 「わたし、マドがコラボの相手なら構わないわ。他の子だったら絶対お断りだけど。いいでしょ?」


 そう言う美嘉に俺はうなずいて見せるしかなかった。例によって、俺に拒否権ないんですよね。首謀者のエロ女神。


 「一応、これだけはきいておくけど、なんのためこんなことするんだ?」


 「なんのためって、もちろん面白いから。って言うのは冗談。人気絶頂トップアイドル二人の異色コラボが織りなす究極のエロス。二人共に人気の底上げになること間違いなしでしょ。地球の男たちの需要はしっかりリサーチ済みだから、私に任せてちょうだい。美嘉ちゃんのセカンド写真集も大ヒット間違いなし。電子媒体も売れに売れまくるわね」


 瑠奈はそう言ってクスクス笑った。


 「私って、企画の天才だわ。溢れ出す才能が怖い」


 俺は、あんたの暴走するエロが怖いよ。



 「というわけで、まずは、打ち合わせを兼ねて、軽く前撮りしちゃおうか。美嘉ちゃんとマドくんの恋人ショット。清純派アイドル安城美嘉が初めて彼氏、いや彼女? ま、どっちでもいいわの部屋を訪れたっていう設定。もろ、今の状況そのままだけどね」


 瑠奈の指示で撮影の準備を始めるスタッフの前で、美嘉と俺はまだ呆然としていた。


 「演技なんだから、細かいことは気にしないで。サクッとやっちゃってよ」と瑠奈。


 「何を?」と美嘉と俺。


 「演技だって言ったでしょ。ときめく期待と不安に胸を膨らませた安城美嘉と男の娘アイドル円城寺マド、美形な二人が織りなす二人だけの禁断の花園。はい、そこで二人見つめ合って、互いに秘めた熱い思いを目に込める」


 瑠奈の言葉に、互いに目を見合わせた俺と美嘉の横でカメラのシャッター音が響く。


 「もっと情感を込めて。ほら、さっきやってたでしょ。あの調子よ。見つめ合った後は、互いの引力に抗えなくなって、互いに唇を重ねて、束縛の糸から解放されたように激しく求め合うの」


 「ちょっと、待ってよ! ちんちくりん。何で、あんたに指図されなきゃいけないのよ」


 うん。その通りだ美嘉。もっと言ってやってくれ。


 「ふーん。これだけの人数の前でやるのは恥ずかしいって言うの? お嬢ちゃん。演技なんだから深く考えずに、ありのままの女を曝け出してよ。それとも怖い? うふふ。尻尾を巻いて逃げ出すなら今のうちよ」


次回:甘い夢の中の契りと恋人ショット


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