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MN1 ファイル20220321・20220322


砂煙を巻き上げ、エンジンの咆哮が響く中、二人は正面衝突しかけるほど近距離までバイクを接近させた。


バイクに乗った2人は互いに拳を顔に打つ体勢を取る


レイ「・・・・くっ!」


ゼニス「・・・・ちっ!」


だが2人とも怖気づき、互いに拳を下げ体を反った。


レイ「・・・はっ!ビビってんのか!?」


ゼニス「お前こそ!」


2人とも相手が殴ってくると思っていたようだ


そのまま2人ともターンしてまた拳を打つ体勢に入る


レイ「はあっ!」


ゼニス「ふっ!」


レイは拳を前に出した。だがゼニスは


ゼニス「来い!悪魔!」


パワースライドで通過し、レイを挑発する


レイ「逃すか!」


そのままレイも追いかける


パグ2『隊長!ミロシアの止血完了しました!』


パグ3『どうします!?』


レイ「ミロシアは本社へ返して治療!お前らはそのまま物資を漁れ!」


2人『了解!』


パグ4『レイ・・・ありがとう・・・』


通信が途切れ、レイは再びゼニスに集中する。


ゼニス「乗ったな悪魔、ついてこい ここで殺してやる!」


レイはバイクの左ハンドル下部のボタンを押し、ジェットブースターを起動し、加速する。


ゼニス「あんなものまで!?」


そのままゼニスの横まで追いつく


レイ「はあ!」


バイクに立ち乗りし、ゼニスに攻撃を仕掛ける


ゼニス「そんな拳など!」


乗りながら回避し、レイのバイクに蹴りを入れる


レイ「うおっ!?」


レイは体勢を崩しかけるも復帰する


レイ「お返し・・・だ!」


レイはバイクにロープを巻きつけ自分と繋ぎ、ジャンプしてゼニスのバイクに飛び乗る


ゼニス「ち!」


レイはゼニスをバイクから落とそうとするが、ゼニスも必死に抵抗する


ゼニス「離せ!」


首装甲にしがみつくレイの手を解き、バイク側面に設置していたチェンソーを取り出す


レイ「おいお前それは!」


レイは脇腹のスイッチを押しロープが巻き戻り、チェンソーが当たる直前に自分のバイクに戻ることに成功する


ゼニス「これに対するなんの対策も無しに来たのか!無知な悪魔が!」


レイ「20年前ってどういうことだよ!俺は何も知らない!」


ゼニス「確かに見たんだ!俺はあの時!俺の目の前に立ったお前を!」


レイ「そんな・・・」


レイ(MNシステムがもし去年のものではなく20年前のものだとしたら・・・いや、社長さんのことだ。そんな嘘をつくわけ・・・)


ゼニス「集中しろ!」


ゼニスは手首に装備したグラップルガンをドラム缶に命中させ引き寄せ、レイめがけてスイングする


レイ「!」


ドラム缶はレイのバイクに命中し、レイはバイクから転げ落ちる


レイ「チッ!ともかく!」


甲高い火花の音を引きずって、レイは止まった


ゼニスもバイクから降り、チェンソーを構える


レイ「詳細が気になるところだな!」


レイのDパンチャーとDキッカーが火花を散らしている


ゼニス「はあ!」


レイへ急接近し、チェンソーを振り下ろす


レイ「くっ!うおおお!」


レイは回避しチェンソーは地面に突き刺さる


ゼニス「チッ!」


ゼニスは抜こうとするが


レイ「ここで!」


レイはチェンソーの紐をひき、チェンソーの刃が回転し始める


ゼニス「なっ!?」


チェンソーは火花を周囲に撒き散らしながら暴発し、その刃はゼニスに跳ね返ってきた


パリリリリリイ!


ゼニスの頭部装甲が損傷する


ゼニス「ぐっ!」


レイ(やっぱり 夢で見たあの動きと似ている!予知夢の類かなんかか・・・?)


金属片が地面に落ち、ゼニスは頭部装甲を触り確認する


MNゼニスのディスプレイアナウンス『頭部装甲、メインカメラ一部損傷』


ゼニス「やってくれたなあ・・・?」


レイ「まだやれるぞ?」


レイの複眼が青く、ゼニスの損傷したカメラアイが水色に光る


両者拳を構える


———コロム連邦共和国 ??? 大洋自由連合国際研究連合本部———

ヴァヴィルド(バヴィルド)「ROEに資金を委託したのは正解でしたよ」


大洋自由連合国際研究連合長官ニシジマ・タイセイ「どういうことですか?」


モニターなどが展開される研究室で2人は話していた


ヴァヴィルド「彼らに偽りの仮面を作らせたのです。言わば第二のMNを」


ニシジマ「それがMNレイに対する対抗策の第一歩 フェーズ1ピュグマリオンですか」


ヴァヴィルド「ゼニスくんは…正直、期待外れでしたね。過去に囚われすぎて、兵士としての役割を失いかけている。」


ヴァヴィルドは微笑みながら言う


ヴァヴィルド「でも、それもまた人の本質。行き場を失えば、破壊するしかないんですよ」


話の合間にロボットがコーヒーを運んでくる


ヴァヴィルド「変わりましたねえ。ここも 研究員時代はあんなもの予算不足で投入できませんでしたよ。」


ニシジマ「CYラボとあなた方による無償の資金援助 ありがたい限りですな。」


さらに助手の女性が菓子折りを持ってくる


ニシジマ「話を戻すとして・・・ゼニスくんのことですが悪魔を殺してくれるならなんでもいいじゃないですか」


ヴァヴィルド「また新しい悪魔が生まれてもいいと言ってるのと同義ですよ。」


ニシジマ「・・・というと?」


ヴァヴィルド「役割の話ですよ。用済みになれば消される そしてそれを当の本人は恐れ暴走する。また新しい悪魔となる」


話の途中で研究員が割って入る


研究員1「失礼します。サンプルの弾薬 完成しました」


ヴァヴィルド「ああ、どうも。・・・人の本質は破壊だ それを体現しているのがあのMNでゼニスくんなのかもしれませんよ・・・?」


CGで実体化された1発の弾薬を見ながらヴァヴィルドは語りかける。


ヴァヴィルド「まあこちらとしては、そちらの方が今はありがたいのですが・・・」


机の書類には弾種が書かれていた


「Anti MN Ammo」


——————

ゼニス「でああああ!」


ゼニスは拳による連撃を叩き込む


レイ「グフオ!」


金属で染められた拳が金属で染められた胸部にぶつかり、ゴオンと鈍い音を周囲に響かせる


レイ(早え!手首のブースターでパンチ速度を上げているのか!)


レイは拳を回避し、鳩尾に1発 さらにもう1発と叩き込む


ゼニス「くっ!」


地面に突き刺さっていたチェンソーを投げる


レイ「っ!」


レイは腕で顔を守る


ゼニスはその隙に膝を蹴り、体勢を崩させた後チェンソーを掴み頭部にがっちり刃を食い込ませる


レイ(マズイ!)


レイは一瞬かいた冷や汗を感じながら刃を強化パンチで破壊する


ゼニス(折られた・・・ちっ!)


ゼニスは咄嗟に頭突きをして怯ませる


レイ「はあ・・はあ・・・」


ゼニス「はあ・・・・はあ・・・」


両者の息遣いが周囲の銃声にかき消される


ブルルル・・・・


その時荒い鼻息が周囲から聞こえる


2人「!?」


2人は咄嗟に戦闘を中断し周囲を警戒する


パグ2「隊長!今そっちに向かっています!大丈夫ですか!?」


レイ「悪い、忙しくなる あと来るな」


レイは通信を切り周囲を警戒する


ゼニス「何型だと思う?悪魔よ」


レイ「・・・ウマか・・・な」


突如背中に一瞬の痺れを含んだ痛みが走ったあと壁に叩きつけられる


ゼニス「!?」


ゼニスはレイの背中側を見る


細ながい脚、上を見上げると長く聳え立つ首があった


ゼニス「麒麟じゃねえかバカが・・」


刃が補充されたチェンソーが手元に転送される


ブルルルル・・・ブルルルル・・・・


威嚇のように鼻息を荒げるキリン型トークがいた


ゼニスは即座に4本の足を切り落とし、体勢を崩させる


ゼニス(首を切り落とす!)


20mほどジャンプし、チェンソーを構える


バシッ!


しかし、尻尾によって弾かれ、家屋の壁を突き破り俵の中に突っ込む


ゼニス「・・・・!?」


ゼニス(バカな・・・尻尾がそんな長いはずが・・・・!)


確かに尻尾はそんな長くなかったはずだ


シュルルルル・・・


尻尾の先端からさらに蛇の鱗のようなものが出てきていた


ゼニス「ハイブリット・・・?」


さらに足を再生し、再度立ち上がる


ゼニス「くっそが・・・」


チェンソーを構え、立ち上がる


ゼニス(・・・・尻尾だけが鱗で伸ばせるとは思えない・・・全身も鱗に変解させるものと仮定して行くか)


ウ゛ウウウウウウンン!


チェンソーの刃が回転し、排熱機構から煙が出てくる


ゼニス「ふっ!」


ゼニスは再び大ジャンプする


キリン型トークはまた尻尾を鱗で伸ばし弾き飛ばそうとする


ゼニス「同じ手に2度もやられるか!」


グラップルガンをキリン型トークの首に発射、自分を首へ引き寄せる


ゼニス「うああああああ!」


チェンソーを首へ差し込み、回転させる


トークは甲高い声を上げながら悶える


ゼニス「効いてるようだなああああ!」


順調に切っていると思っていたが


ギギギッギャギャガガガ!


首の中心あたりに刃が到達すると刃が急激にこぼれ始め、また破損してしまう


ゼニス「・・・ざっけんな!」


尻尾が体を巻き取りキリン型トークは自分の顔の真正面にゼニスを持ってくる


ゼニス「何か・・・何かないのかよ・・・!」


キリン型トークは尻尾の拘束力を強め、圧死させようとする


ゼニス「が・・・う・・・・ああ・・・」


ゼニス(なんか・・・母さんと約束したっけ・・・父さんと・・・)


ポンッ


どこからか何かが射出されそれは尻尾に張り付く


ピッピッピッピピピピ!


ドォン!


突如爆発が起こる。どうやらグレネードランチャーの弾薬が当たったようだ


キリン型トークは怯み、ゼニスを離す


ゼニス「はあ・・・!はあ・・・!はあ・・・・!」


荒い息をしながらをグレネードランチャーが打たれた方向を見る


パグ2「隊長・・・じゃない!」


パグ3「あ、あんたは!」


ゼニス「お前たちは悪魔の・・・!」


キリン型トークは激昂したようにリグとサイザを睨む


パグ2「ああ・・・やべえ!」


再度グレネードランチャーを放つも、尻尾で弾が弾かれる


パグ3「お、おいあんたなんとかしろよ!」


ゼニス「・・・・」


ゼニスにも打つ手がなかった


キリン型トークがトドメを刺そうと尻尾を振り上げた時


グ・・・ググ・・・


突如キリン型トークの首が傾き始める


パグ2・3「!?」


ゼニス「・・・?」


後ろから首を掴んでいたのはレイだった


レイ「う・・・ああ・・あああああああああ!」


最大出力でキリン型トークの腕を引っこ抜こうとする


ブルルル・・・


キリン型トークもやられまいと尻尾をレイの背中に叩きつける


レイ「うっ!ああっ!」


レイは怯みながらも依然手を止めない


ゼニス「・・・はっ!」


ゼニスは再度補給されたチェンソーを持ち、飛び上がり、レイを叩きつける尻尾を切り始める


ゼニス「悪魔!やっちまえ!」


パグ2「俺たちだって!」


パグ3「ああ!」


リグはグレネードランチャーを、サイザはRPGを足に放ち、キリン型トークの体勢を崩す


レイ「はっはっ!でかいやつほどなんとやらあ!」


キリン型トークの首はブチ、ぶちと音をたてながら徐々にちぎれていく


ゼニス「うおおおおおおお!」


尻尾も根本から完全に切れる


レイ「あああああああああ!」


レイが最後の渾身の力を込めると首は遂にちぎれ、キリン型トークは絶命する


ドオオオオン・・・


キリン型トークの死体が横たわる


ゼニス「ぜえ・・・ぜえ・・・」


レイはその場に倒れ込む


パグ2「隊長!」


パグ3「大丈夫か!しっかり!」


ゼニスはその様子を見ながら何かを思った。が、それとこれとは別だった


ゼニスはチェンソーを2人に向ける


ゼニス「どけ、トドメをさしてやる」


パグ2「・・・あんたさっきまで隊長と楽しそうに一緒に戦ってたよなあ」


パグ3「急におとなしくなりやがって」


ゼニス「いいから、とにかくどけ」


ゼニスはレイを覗き込む


レイは仮面が割れていて顔が見えた


ゼニス「・・・!?」


ゼニス(まだ若いじゃないか・・・・?見たところ20歳と推測できるが・・・・)


ディスプレイ「エルメス残り滞在可能時間1分」


ゼニス「・・・っ」


ゼニスはROEに帰還するためにエクスパンションフォンの×ボタンを押しワープする


パグ3「さあ隊長 気を確かに!」


3人も帰還するためワープする


———翌日———

レイはまた無傷の状態で目が覚めていた


レイ「今の医療技術はすごいねえ・・」


伊達「完治速度が明らかにおかしいですよ。あなたの身体能力が異常なのでは?」


レイ「今度病院行くかー」


飴を加えながら28階の廊下を伊達と歩く


ミロシア「隊長!」


レイ「・・・?どうした」


ミロシア「その・・・すいません 逆恨みしていたようです。」


レイ「・・・・俺も、あんたの父さんを救えたかもしれない。」


ミロシア「過去は消えない だからもう過ちは繰り返さない。大事なのはこれからと言ったのはあなたでしょう?」


レイ「・・・そうだな」


2人は握手を交わす


伊達「そういえば、ミロシアさんも完治ですね」


レイ「ミロシアはまだ特殊部隊出身だからわかる。俺は、元一般人だぞ?」


伊達「ここの医療技術がチート使ってるとしか思えません」


ミロシア「それはそれとして今度飯食べません?いい場所があってですね・・・」


サイザ「何?飯の話!?」


サイザが後ろから飛びかかってきた


レイ「うわっ!びっくりした!」


サイザ「ミロシアが言いたいのは、最近ここのモールにできたあの1流シェフのフルコース・・・か?」


ミロシア「・・・普通にステーキ屋です」


サイザ「・・・それもなおよし!」


レイ「ナチュラルに外すなよ」


伊達「そんな高そうなの誰が行くんですか」


サイザ「俺たちだったら米粒以下の値段だろうがよ!」


伊達「研究員意外と給料低いんですよ?」


サイザ「なんぼよ」


伊達「1000万とかですかね」


レイ「ここの金の価値がおかしいんだよ」


3人「ははははは・・・」


ライはその様子を窓から微笑ましそうに見ていた


そして、社長室の自分の椅子に座る


ライ「フウ・・・」


———ROE B1F 特設ジム———

トレーナー「残り2レップ!」


ゼニス「フウ・・フウ・・・」


ゼニスはトレーナーの指導のもとベンチプレスをしていた


ゼニス(もしかしたら俺は・・・)


ゼニス「フウ・・・うっ・・・!」


トレーナー「あともう一回!」


ゼニス(間違ってたのか・・・?この二十年間)


ゼニスはなんとかやり切った だが苦しそうだった。


トレーナー「最後の一回安定してなかったな。何かあったか?」


水を手渡しながらトレーナーは話す


ゼニス「・・・・自分の行いが正しいかどうかわからなくて怖いんです」


トレーナー「・・・正しいよ」


ゼニス「・・え?」


トレーナー「この世に本質的な悪なんてない。どれだけ人を殺そうが自然を破壊しようが、そこには加害者なりの正義があった。勧善懲悪など一つの視点から見た棲み分けに過ぎんよ」


ゼニス「棲み分け・・」


トレーナー「大事なのは、自分を正しいと思い続ける心 そして弱さを受け入れる覚悟 それだけだ」


ゼニス「覚悟・・・か・・・」


トレーナー「2分後にもう1セットやって、そしたら次はスクワットだ」


ゼニス「・・・はい!」


2人の悪魔は衝突し、そして世界は加速する

ーMN1第二章 観測者と妨害者、そして悪魔ー


・用語解説『大洋自由連合国際研究連合』

大洋自由連合設立と共に設立された研究連合機関。以前まではバイオテクノロジーやナノマシン技術などを開発していたが今では研究費の大半は対MN研究に注がれている。


・情勢解説『エルメスの侵攻勢力』

エルメスに侵攻するのは何もPMCだけではない。金品目当てに金持ちのギャングや強盗団などが度々侵入することもあるがほとんどの場合トークに殺されるか35分の強制帰還に巻き込まれる。

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