MN1 ファイル20021022・20220321
そうだ。ゼニスって偽名だった
本当の名前はタカノ・ケン
————20年前2002年10月22日 エルメスハノア・シティ ブリューストン6丁目2番地———
テレビ「みんなー!今日も元気にー!行ってらっしゃーい!」
ケン「おはよー・・・エミリア母さん」
エミリア「あんたその言い方恥ずかしいからやめてって言ってるでしょう!もお!」
母はその時家事を、そうだ皿洗いをしていた
アオト「まあいいじゃないか。ケンも偉いな まだ6歳なのに母さん呼びなんて」
父さんは俺の頭を毎朝撫でてくれていた
エミリア「だからって早すぎるのよ!ママって呼んでちょうだいよ!もう!」
母は水気を払いながら近づいてきて、俺の頰を両手で挟んだ。
柔らかくて、いつも石鹸のいい匂いがした。
ケン「……マ、ママ」
エミリア「きゃー!やっと言ってくれた!アオト、聞いた!?今、ママって!」
アオト「聞いた聞いた。よしよし、今日は特別にケンにアイスクリーム買ってやるか」
ケン「ほんと!?」
ハラセ「姉の私には何もくれないわけ!?」
姉さん・・・そうだ 隅っこから急に割り込んできたんだ
ハラセ「ケンなんかより私の方がよっぽど優れてもん!」
アオト「ハラセ、お前にケンの重労働がわかるか?」
ハラセ「・・・わからん」
アオト「じゃあダメだ」
ハラセ「いやいや嘘嘘わかるわかる!わかるからー!」
そうだ 日常があったんだ そこには
エミリア「あれ、ケン坑道へ行くバスは?」
ケン「あ、もう行かなきゃ」
俺は支度をし始めたんだ。そうだ この日だった
ケン「行ってきまーす!」
3人「行ってらっしゃーい!」
俺は誰よりも早く家を出た 当時6歳。
信じられなかったんだ。
バスアナウンス「発車します」
この時はまだ
バスアナウンス「次は、ハノア鉱脈入り口 ハノア鉱脈入り口です」
あんな運命を
バスから見た景色にはもう飽きた。ネオンで輝く繁華街 純金ネックレスをつけた街の人たち
ここは世界一の裕福な国だ。いずれ廃れるのはわかっていたが 今はみんな楽しそうだしいいかと思っていた
———3時32分
ケン「はあ・・はあ・・・疲れた・・・」
俺たちは・・・・そうだ牛島奴 今じゃ友達だがこの時は仕事仲間だった。
牛島「あと100掘りして今日のノルマは達成なんだ・・・なんとしても掘らないと」
その時上の方からトロッコらしきものが転がり落ちてくる
ケン「!? 何・・・?」
現場監督「お前ら!上がってこい!」
上から現場監督が2人を呼ぶ
ケン「わかりました!」
牛島「今行きます・・・うわこのトロッコ溶けてる・・・?」
地上に上がってくる
ケン「な、何これ」
そこにあった町は更地になっており、さらに足元の砂はガラスのかけらになっていた
牛島「街が・・・・ない?」
現場監督「さっき お前らの様子を見ようと降ってた時、炎が後ろまで迫ってて ちょうど足元で止まったから助かったが・・・上から残骸が降ってきてそれで地上に出たら・・・」
ケン「・・・母さんは?父さんは?姉ちゃんは・・・・?」
俺はみんなを探したかった 走り出した
少年2「おいケン!」
牛島は呼び止めたが結局止まらなかった
2時間ほど歩いて、やっと街に着いたか
すでに消防隊がいるものと思って叫んだが、誰もいなかった
ケン「父さん!母さん!誰か、救急車は!姉ちゃん!」
左を見た瞬間 目に人影が映った
ケン「・・・!父さん!」
近づいてみたら それはただのカカシだった
ケン「・・・父さん・・・母さ・・・」
少年は倒れ込んだ もう体力は限界だった
ふと地面を見ると 人影が迫っているのに気づいた
ケン「・・・父・・・さん?」
見上げるとそこにいたのは
——-ROE ワープハッチ(エルメス専用)待機室———-
ゼニス「・・・MNレイ!」
事務員1「あのゼニスって人 ずっと1人で出撃してるよな」
ガラスの向こうから話し声が聞こえる
事務員2「MN?ってのを着て戦ってるらしいけど護衛もつけないらしいし」
事務員1「一匹狼でイキリたいだけなんじゃね?笑」
ゼニスは少しにらむ
ゼニス(違う・・・俺は もう誰も・・・)
————
農場PM8:54 C地区
パグ1「無線チェックを」
パグ2「レディ」
パグ3「チェック」
パグ4「チェック」
パグ1「レーダーによると コードの位置はいまだ動いていない このまま突っ切ろう」
パグ3「隊長危険です 俺も行きます」
パグ1「いや・・・4 来い」
パグ4「僕ですか・・・・」
パグ2「・・・・」
パグ1「ああ 2と3は周囲をめぐり物資を探れ」
パグ2、3「了解」
2部隊に分かれて4人は散開した
パグ1「・・・」
パグ4「・・・なんで最初からMNに変身しないんですか?」
パグ1「ん?」
パグ4「よくヒーローものとかでありますよね 最初からそれやれってやつ それと同じですよ。なんで展開前からMNに変身しないんですか?」
パグ1「MNってのは充電式で150時間持つものだ。だがMNの充電には割とコストがかかる。どうせコストがかかるなら少しでも変身稼働時間を減らして、電力を節約した方がいいってことだろうな。」
パグ4「なるほど・・・」
会話をしていたミロシアは大きな道路のある場所を通り過ぎる
まだある砲撃の穴
彼はまた思い出してしまった
———6ヶ月前
・・・!ん・・・!さん!
父さん・・・・父さん!
ハングルヒップ「ミロシア・・・ミロシアか・・・!」
砲撃の中彼の父は再び目を覚ました
ミロシア「父さん立てる?」
ハングルヒップ「ああ・・・」
レイ『こちらA隊!そちらに向かっている!』
ミロシア「早くしてくれ!こちらの生存者は二人だ!」
レイ『ああわかってる!砲撃に気をつけろ!』
ミロシア「そんなこと分かってる!とにかく早く離だt」
ドオオオオオン・・・
彼らの近くに砲撃が命中する
・・・
ミロシア「・・・・う、うう・・・!父さん!」
そこには片手しかなかった父の姿があった
ハングルヒップ「・・・母さんは・・・ああ・・・お前・・・そこにいた・・・の・・・・・」
ミロシア「父さん!父さん!」
ハングルヒップ「・・・」
ミロシア「うう・・・・」
砲撃の雨が止む
レイ率いるA隊は砲手を制圧していた
レイ「A隊到着した・・・」
ミロシアはレイの胸ぐらを掴み、すごい形相でレイを睨みつける
ミロシア「なぜ到着が遅れた!」
レイ「金庫の解除に時間が・・・」
ミロシア「人命より利益か!?なぜ一部の隊員をこっちに派遣しなかった!?」
レイ「トークも多かった・・・だから・・・」
ミロシア「・・・・クソッ!」
レイ「・・・すまない」
父さん・・・父さん・・・・
——————
パグ1「懐かしいな。ここも」
パグ4「え・・」
パグ1「父のことは本当にすまなかった 思えばあの時、もっとトークを効率よく殲滅できた」
パグ4「今更謝罪をしたって・・・過去は消えない!」
ミロシアは少し睨んだ表情でレイを見ながら、そして怒りが混ざったように言い放つ
パグ1「そう。過去は消えない だからこそ、もうあんな過ちは止めなきゃならない」
パグ4「だが利益が優先なんだろう!?」
パグ1「・・・そうだ」
我慢できなくなったミロシアはレイの胸ぐらを掴む
パグ4「じゃあなんだ今のは!?過ちを、誰ももう死なせないと言っておきながら結局は利益優先なのか!?ボロが出てるぞ偽善者!」
パグ1「・・・俺にもよくわからないんだ。自分が」
パグ4「はあ?」
パグ1「人は救わなければならないと思う自分がいる。だが利益を大切にする自分もまたいる。」
パグ4「逃げるなよ悪魔。お前はあの時・・・!」
パグ1「・・・喧嘩は終わりだ」
レイは右を少し見る
崩落しかかった橋の上に一つの閃光が見えた
パグ1「9時方向 お前から見たら3時方向にスナイパー」
パグ4「!?」
ミロシアは確認するため左を見ようとするが
パグ1「見るな!」
手のひらで動こうとする顔を止める
パグ1「おそらく奴は俺らが喧嘩してることを嘲笑っている」
パグ4「クソ恥ずかしい姿を晒した・・・くそ!」
パグ1「変身するからお前は後ろにすぐ隠れろ。」
スナイパー1「へっみっともねえ姿晒してらあ!」
引き金を弾きかける
レイはチェストリグのエキスパンションフォンの変身ボタンをゆっくり押す
エキスパンションフォン『現実拡張 起動します』
レイ「3秒でやるぞ いいな」
パグ4「了解。」
レイ「3、2、1」
スナイパー1「とりあえずまずは胸ぐら掴んでる方から・・・」
レイ「フェイスオン!」
スナイパー1「死ねえ!」
引き金が引かれたのと同時に変身完了。ミロシアは後ろに隠れる
スナイパー1「なっ悪魔!?」
レイ「ゆっくり接近するから、援護射撃を頼む」
パグ4「はい。」
レイ「伊達!ミロシアに高精度なバトルライフルを!」
伊達『了解!』
ミロシアの持っていたアサルトライフルがチリとなり消えその2秒後にバトルライフルが手元に転送される
レイ「LO1−1バトルライフル。弾倉は30発マガジン、モードはシングルのみ」
パグ4「了解!」
スナイパー1「こいつ!」
弾薬を高威力徹甲弾に変えてレイに射撃する
レイ「ん?今当たったか?」
スナイパー1「くそ!くそ!」
次々放つが全て効かない
レイ「ミロシア!」
パグ4「わかってますよ!」
スコープを除き、標準を合わせる
スナイパー1「・・ん?脇下から銃? しまっ!」
パグ4「ここ!」
ダァン
スナイパー1「ゴッ・・・・」
脳天を貫通し、スナイパーを仕留める
レイ「やったな!」
パグ4「はあ・・・危なかった」
レイはタッチをしようと手の装甲を解除し手を出す
パグ4「いや、別にそんなことは・・・」
・・・・
パグ4「はあ、もう・・・」
両者はタッチを交わす
レイ「やっぱ特殊部隊出身は伊達じゃないな!」
伊達『なんか言いました?』
無線で伊達が問いかける
レイ「いやそっちの伊達じゃなくて」
パグ2「隊長!なんとかノルマ分は回収できました。8000000ペータです」
レイ「桁が一つ足りないぞ!」
パグ3「え、あほんとだ!」
レイ「まあ・・・・ノルマなんてないようなもんだしな とりあえずこっちにきてくれ」
パグ2「了解」
無線で通信をしていた時
パシュッ
ミロシアの太ももを1発の弾丸が貫く
レイ「!? ミロシア!」
撃たれた方向を見るレイ
ゼニス「風向きが変わったか・・・胸を貫くつもりがかなり下に」
ゼニスは狙撃銃をコッキングして再び射撃体制に入る
レイ「あれは・・・」
パグ4「くそ・・・撃たれた・・・」
レイ「2、3!早くきてくれ!4が撃たれた!」
パグ2、3「!? 了解!」
パグ4「く・・・血が止まらない・・・!」
レイ「待っていろ!止血処置を行う!」
レイはゼニスからミロシアが狙撃できない位置に立ち止血処置を始める
ゼニス「悪魔にも情はあるか・・・」
エキスパンションフォンを取り出し1番のボタンを押す
エキスパンションフォン『No1 Bike』
バイクが転送されて出現する
それにゼニスは乗り込みレイの方へ向かう
レイ「・・・くそ!」
なかなか血が止まらない
パグ2「到着しました」
パグ3「ミロシア!くそ、なんてこった!」
レイ「ターニケットを!幾分かマシになる!」
パグ2「了解!」
バッグの中から取り出して巻く
パグ3「・・・!隊長!」
レイ「ん?・・・何?」
サイザが指差した方向を向くとバイクに乗ったゼニスが接近してきていた
パグ4「行け隊長・・・・」
レイ「だが、ここでお前を放っておくわけには!」
パグ4「ここにお前もいれば全員が死ぬかもしれないぞ!」
レイ「・・・!」
パグ2「隊長 ミロシアは任せてください!」
パグ3「俺たちがなんとかします!」
レイ「・・・頼んだ!」
2人「はい!」
レイはエキスパンションフォンの7番ボタンを押す
エキスパンションフォン『No7 Bike』
レイはバイクに乗り込み、ゼニスと一騎打ちになる
ゼニス「それでいい・・・こい!悪魔!」
to be continued・・・
・情勢解説「エルメスにおける重火器の使用状況」
初期のエルメスではトークに対する有効な手段として戦車や火砲といったものの有効性が確認されておりほとんどのPMCが使用していた。しかし、対敵兵戦に対しては展開が遅い割に制圧力も弱く、また敵兵が持っていた利益も失ってしまうこともあった。(当初重火器の対策として価値のあるものを転送せずわざと持つことで利益の喪失を防いだ)またそもそも敵に遭遇すること自体少なくなったため銃火器は使われなくなった。




