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MN1 ファイル20220401

———エルメス西部エル・ヴィーニョ湾跡地———

かつての先進国を支えた港の一つにて、ヴァヴィルドは少数の兵士を従え周囲を見渡していた


ヴァヴィルド「ここが、エルメス」


ヴァヴィルドは大きく息を吸い、顔を顰めながら吐いた。あまり空気は心地よくないようだ


その時地面が大きく揺れ、すぐ近くからルシファーが飛び出してくる


ルシファー「ごめーんごめーん待った?」


ヴァヴィルドはルシファーを捉え、そしてふっと笑った。


ヴァヴィルド「私たちもたった今到着したところですよ・・・」


ルシファー「今回の船は・・・哨戒艇じゃない なんだこの大きいの」


ヴァヴィルド「戦艦というものですよ。駆逐艦とは比にならない大きさの艦艇です」


ルシファー「ふう〜ん・・・・」


ルシファーは興味なさげだったがちらっと戦艦を見ている。その目は純粋な好奇心だけを写していた。


ヴァヴィルド「経過報告です・・・ゼニスはEMIに移動 ROEは我々から離反しました」


ルシファー「まあ、予想はしてたよ?」


ヴァヴィルド「これからはあの2体の悪魔を相手取らなければならない。本当に大丈夫ですか?」


ヴァヴィルドの目は確かに心配していたが声の色は全くの無関心を示していた


そしてルシファーもそれに気づいた上で話している


ルシファー「大丈夫だよ。プロメテウスは消息不明 ロキはもとより戦場に立つ気がない弱腰 なら俺が出るしかないだろ?」


ヴァヴィルドはふっと笑いながら水を飲んだ


ヴァヴィルド「頼もしい限りですよルシファーさん。」


ルシファー「あの悪魔は俺が殺す。絶対」


ルシファーはどこか決意を決めた目をしていた


ヴァヴィルド「にしても、慣れたものですね。その体」


ルシファー「体?ああ、ガワのこの人間の肉体のこと?」


ヴァヴィルド「ええ、せっかく目覚めさせたのですから暴れてもら和ないと困るのですが・・・・心配なさそうですね、よかった。」


ルシファーはニンマリと笑って尻尾を地面に叩きつける


ルシファー「心配ないって!これからも暴れてやるからさ!あ、チーターくん、あと2体くらい欲しいな。じゃあまたね!」


ルシファーはそのまま地中に潜りどこかへ消えていった。残されたのはヴァヴィルドと五人の兵士だけ 戦艦から上がる煙の匂いが鼻を掠める


ヴァヴィルド「・・・こちらの予算も考えてくださいよ。全く」


———そしてその頃EMI社長室では———


社長室にライはまだきていない。いるのはレイ、ミロシア、サイザ、そして復帰したリグとゼニスだった


レイ「まずはリグ、勝訴おめでとうだな」


リグは深々と頭を下げた


リグ「こちらこそどうお礼を申し上げればいいか・・・本当にレオを救ってくれてありがとうございます・・・・!」


サイザはポテチを食べていた、相変わらずだがその目はどこか安心していた


サイザ「祝いだ、ポテチコンソメ味」


その様子を部屋の隅で腕を組みながらゼニスは見ていた。そこにミロシアがトコトコと近寄ってくる


ミロシア「賑やかでしょう」


ゼニス「こんな奴らと戦ってきたのか?今まで」


ゼニスは心底不快そうに、だがどこか懐かしさを帯びた目をしていた。あの日々 家族と笑い合えた日々を


ミロシア「でもみんな、すごく優秀なんですよ。」


ゼニス「・・・俺は、こんな日常が欲しかったのか」


その時、社長待機室のドアが開いた


ライ「・・・みんな、いるな」


レイ達は姿勢を正し、ライを見ている


ライは椅子に座りながらコンソールパネルを開き机に展開した


ライ「・・・今日が最後の出撃だ。このミッションにおいてな」


サイザが小さく息を呑んだ


ライ「もう言わなくてもわかるだろう・・・絶対に、ルシファーを倒し 核のコードを奪い返す。レイ、実験は完了しているな?」


レイ「昨日のうちにもう全部済ませておいたぞ!」

ニカっと笑った


ライはその笑顔を確認しゼニスをちらっと見た


ライ「ゼニスも、我が社の管理上は初出撃だな・・・」


肩をパンパン叩いて「頑張れ」と小さく呟いた


作戦は決まった。ルシファーは現在農場に再移動、レイ達を迎え撃つ体制に入った。


パグ1とゼニス(パグ5)がルシファーを相手取り、パグ2、3、4が周囲の安全確認を行う。


———出撃直前-

伊達はレイに話しかけた


伊達「レイさん。お疲れ様です」


レイはゼニスと一緒でゼニスはトイレに向かっており出てくるのを待っていたところだった


レイ「おう伊達」


本来はゼニスに渡すはずのコーヒーを伊達に投げた


伊達「新型装備、気に入ってくれましたか」


レイ「えーと、No5Handだっけ あのポンコツAIはなんだ!」


伊達「あれでも一応最新技術を搭載したAIですよ?」


レイ「嘘つけえ!ポンコツすぎんだろ!索敵で敵はいないって言って普通に敵いたじゃねえか!」


伊達は心底めんどくさそうに話を続ける


伊達「機械に文句つけないでくださいよ」


レイ「だから製作者のお前に言ってんだろ!」


コーヒーの湯気がたちのぼり、天井に届くかどうかのところで消えた


しばらくの沈黙を破ったのは伊達だった


伊達「・・・おかしいと思いませんか」


レイ「ん?何がよ」


伊達「相手はいつだって、世界の核ミサイルを発射するコードを持つ存在。いつそのコードが押されてもおかしくない状況だ」


レイは黙ってコーヒーに移る自分の顔を見ていた


伊達「・・・もしかしたら、コードは本当は存在しないか、あるいは」


その時、トイレの手洗い場から水を払ったゼニスが出てくる


ゼニス「待たせた・・・って伊達じゃん!」


伊達「ああゼニスさん」


軽く一礼した


ゼニス「出撃まであと1時間・・・・気張って行くぞ」


レイ「装備の更新も完了したし・・・やれるはずだ」


ゼニスは拳を突き出した


ゼニス「やるぞ、レイ」


レイ「ああやろう!」


レイも拳を突き出し、合わせた


時を同じくして、ミロシアは装備のチェックに入り、リグはレオに電話 サイザは遺影に手を合わせたち上がった


———エルメス方面部隊精鋭隊「コールサイン:パグ」午後5時35分エルメス 農場に到着———

パグ1「総員、無線チェック」


パグ2「レディ」


パグ3「了解」


パグ4「レディ」


パグ5「・・・感度良し」


思ったより農場は静かだった。いや、静かすぎる。


パグ1「・・・砲声!」


次の瞬間、付近に砲弾が着弾する。


レイたちは遮蔽物に隠れ状況を伺う


パグ3「なんだ今のは!?」


パグ4「一体どこから・・・」


パグ5「痕跡解析・・・」


ゼニスがヘルメットの右のボタンを押すと痕跡解析モードになる。過去のデータから弾痕や砲撃でできた穴と見比べ、使われた兵器がなんなのかを調べることができるモードである


パグ5「M55 70mm迫撃砲。」


パグ2「今時砲弾使うか珍しいなあ。」


パグ1「まずはどこから飛んできたか探せ・・・」


5人は目を凝らして周囲を見張っている。


パグ4「・・・6時の方向!」


一瞬の閃光、そして何かが打ち上がった


パグ1「撃て!」


5人が一斉射撃をして、敵兵は倒れた。砲弾はかなり離れたところに着弾した


パグ3「へたっぴ!」


パグ5「だが奴らがこれだけで終わるとは思えないな・・・」


レイは黙ってエキスパンションフォンを取り出し変身する


レイ「フェイスオン」


仮面が装着され、MNレイに変身する。


レイ「ゼニス、変身はいつでもできるな。」


パグ5「ああ、先ほど確認した。ROE側からの変身許可通信をEMIに移した」


レイ「よし、2、3 周囲の警戒を怠るな。4 俺と一緒に来い。」


パグ2、3、4「了解」


レイとミロシアは農村のある倉庫に入った。


レイ「ここは・・・・米か。」


パグ4「米ですか。富裕民はパンしか食べないと思っていたのですが」


レイ「パンは米粉からも作れるぞ?知らないのか?」


パグ4「・・・初耳です。美味しいんですか」


レイ「正直麦パンより美味しい」


パグ4「へえ・・・」


軽口を言い合いながらも2人は倉庫の隅々までクリアリングしていく


レイ「・・・いるんだろルシファー。出てこい」


レーダーは確かにコードの位置はこの倉庫の中央だと示している。だが肝心のルシファーの姿が見当たらない


パグ4「・・・地下にいる?」


ルシファー「残念。上さ」


その時倉庫の屋根が突き破られ、タカ型トークに乗ったルシファーがやってくる。


ルシファー「やあ、レイ」



レイ「ルシファー・・・!」


パグ4「隊長。」


レイ「ああ、準備しろ。」


ルシファー「今日が最後の出撃とか言ってさ、あいつも変わらないねえ。」


レイ「・・なぜ社長の言葉を・・・・!」


ルシファー「気にしないで気にしないで!別に盗聴したってわけじゃないんだから・・・さ!」


尻尾をレイに打ち付ける、だが


パグ4「動きがわかりやすい・・・!」


弾丸を尻尾に打ち込む


ルシファー「っ!?」


一歩後退りする、今までならびくともしなかったはずの尻尾が貫かれていたからだ


ルシファー「な、なんで・・・!」


レイ「ナイスだミロシア、あとはまかせろ」


エキスパンションフォンの1番、2番、4番、5番、6番を押す


エキスパンションフォン「ツインブレイカー、シールド、キャタピラ、ハンド、MPMED 装着します。」


両足に大きなキャタピラ、左肩の装甲から大きな機械の手、右肩にミサイルランチャーが装着される


ルシファー「・・へえ、またおもちゃを増やす。」


その声はどこか上ずっていた。3日でここまでの装備を整えるなど流石に想定外だったからだ。


レイ「さあ、コードを吐いてもらおうか!」


パグ4「こちらパグ4、 パグ2、3、5に連絡 ルシファーと接敵、そちらは!?」


無線からノイズ混じりにサイザの声が聞こえる


パグ3「向かってるよ!ちょっと待て!」


パグ5「・・・見えた、あの倉庫だな。」


エキスパンションフォンの◯ボタンを押す


その時、茂みから虎型トークが飛び出してくる


パグ2「トーク・・・!」


パグ5「変身!」


もう一度丸ボタンを押して装甲が装着される


———はずだった。


パグ5「・・え。」


なんとか間一髪で虎型トークの攻撃をかわしたが、変身できない


パグ5「っ・・・なんで!」


エキスパンションフォンにはこう表示されていた


「アクセス権限なし」


パグ5「どういうことだよ・・・!」


その時、無線がジャックされ、ある男の声が聞こえてくる


ハンス「当然だ。ゼニスのアーマーはこちらが持っている。」


伊達『ゼニスさん!』


パグ5「ハンス社長・・・!」


ハンス「アーマーとの通信を切らされてもらった。せめて1セットくらいはEMIに持ってくべきだったな」


伊達『おかしい・・・主導権は完全にこちら側にあるはずなのに!』


パグ3「つまり変身できねえってことかよ!」


ランチャーで虎型トークを怯ませる


パグ2「なんとか解決しろ。こいつは俺らがやる」


パグ3「足はそんな早くなさそうだしなあ!」


パグ5「・・・ああ、伊達!なんとかアーマーに通信する手段は!?」


伊達『やってます!』


ハンス「・・・無駄なことを」


———-

ルシファー「チッ!ちょこまかと!」


尻尾で攻撃を仕掛けるがレイは防御していく


レイ「おいおい!とろくなってるぞ!」


ツインブレイカーで尻尾を切り裂き、キャタピラでさらに傷口を抉っていく


ルシファー「がっががっ!」


レイ「へっ!血祭り血祭り!」


ルシファー「アマいんだよ!」


追加で生やした尻尾でレイを壁面に叩きつけ、そのまま残りの尻尾を鋭利にしてレイめがけて迫っていく


ルシファー「これでえ!終わりだああ!」


だがその時、左肩から生えた機械の手が尻尾を弾く


Hand「こんにちは、識別番号MN02-1」


レイ「・・・あ、お前・・・」


ルシファー「・・・なんだお前」


追加で尻尾をはやしHandを壊そうとするが全てレイに弾かれる


レイ「お、お前!なんて呼べばいい!」


Hand「ご自由に呼んでもらって構いません」


パグ4「隊長!遊ぶなあ!」


グレネードを投げて見事ルシファーの至近距離で爆発させる


ルシファー「チッ!鈍っている・・・!」


レイ「じゃあわかったお前はあ・・・イヌ!イヌでいいから!」


イヌ「了解。固定ネームをHand からイヌに切り替えます。」


ルシファー「・・楽しそうだね。けど・・・!」


尻尾を生やしてさらに攻撃する


レイ「イヌ踏み台になれ!」


イヌ「了解。」


Handのアームが地表に伸びてレイがそれを踏み一気に屋根までジャンプするとキャタピラで屋根に固定される


ルシファー「自由な壁面移動か・・・!」


レイ「しゃあ・・来な!」


ルシファー「言われなくたって俺が直に!」


だが、尻尾が思ったように動かない。そして冷気がルシファーの体内に広がる


ルシファー「さっきからなんなんだ・・・・!」


パグ4「聞いてますね、冷凍弾」


レイ「蛇は変温動物だが、あまりの冷気に晒されれば動きが鈍る。トークってのは 基本的に生命体の特性を模範しているらしいじゃないか。なら 通じると思ってな!」


猛攻を仕掛ける。ルシファーも必死にやられんと尻尾を振り回す


ルシファー「なかなかやるじゃないかあ!この、人間風情があああ!」


Third Breakでルシファーを吹き飛ばす


レイ「・・・ふっ。」


パグ4「隊長。」


ミロシアは追加で冷凍弾を打ち込みながら無線を繋ぐ


パグ4「5、変身はできたか?早く来てくれ。」


返事がない。


パグ4「・・・5?」


パグ3「今取り込み中なんだ!」


銃声 そして獣が唸る声


パグ2「よし!弱点を見つけた!裏の腹だ!」


パグ4「どうしたんですか!」


レイ「ゼニス!ゼニスどうした!」


パグ3「言っただろう取り込み中だって!」


パグ2「あいつが変身できない!ROEの連中が仕組んだらしい!」


レイ「なんだってんだこの——」


その時、壁を突き破ってチーター型トークが突進してきてレイを吹き飛ばす


レイ「ガッ・・・!」


パグ4「隊長!」


レイの体は壁を突き破り小麦畑に放り出される


イヌ「識別番号MN02-1 装甲に異常はありません、シールドでダメージを吸収したのが功を奏しましたね」


レイ「前のチーター野郎か・・・・」


一方ルシファーはまた地下へ潜り込み回復していた


ルシファー「はっ・・・ヴァヴィルドったら、いつもタイミングが良くてよ・・・」


チーター型トークはまた唸る。


パグ4「隊長!俺も戦います!」


レイ「いいやダメだ、こいつ 前の夢で見た。早い・・・しかも滞空もえげつない。人間が1人で突っ込めば死ぬ。だから俺がやらなきゃダメなんだ・・・!」


エキスパンションフォンの3番ボタンを推してジェットパックが背中に付けられる


レイ「チッ・・・・ルシファーは・・・!」


言い終わる前にまたレイに向かってチーター型トークが突進して来て吹き飛ばされる。


レイ「この・・・!」


チーター型トークの足をキャタピラで抉る


チーター型トークは停止し苦しそうに唸る


レイ「はあ・・・はあ・・なるほどな。やはりチーターは瞬発力が命!足さええぐっちまえばどうってことないな!」


チーター型トークはよろけた足で立ち上がり再び突進してくる、が先ほどより明らかに速度が遅いのは明白でありレイはこれを簡単に避けてみせた


レイ「ふう・・・ふう・・・よし、避けれるな・・・・」


MPMEDのポッドが開く


MPMED 多目的用途ミサイル射出装置

ワイヤーで繋がれたミサイルに冷凍弾や火炎弾といったものが装着され戦況に応じて様々なミサイルを放つことができる拡張装備。


チーター型トークが突進して来る進路上に冷凍弾を搭載されたミサイルが地面に放たれ氷が地面に広がる


ツルッと言う間抜けな音と共にチーター型トークが転び地面へ落ちる


レイ「終わりだ速野郎!」


Mチャージャー右下のボタンをおしながらジェットパックで加速し飛び蹴りを浴びせ壁面に突出していたコンクリートに突き刺した


レイ「・・・よし。ルシファーは・・・」

———

その頃ゼニスたちは虎型トークをなんとか倒しながらハンスに交渉している最中だった


パグ3「・・・やったか。」


パグ2「ああ、5 状況は?」


パグ5「いいか、あんたと言い争ってる暇はないんだ 世界が滅ぶかもしれないんだぞ!」


ハンス「そう言う問題ではないのだ。敵に塩を送るつもりはない。」


伊達「・・ダメです。アーマーへの接続 再起しません。」


パグ5「・・・・ハンス社長。頼む」


ハンス「・・・もう切るぞ。用はない」


パグ5「なぜアーマーを破壊しない。」


通信越しにハンスが完全に黙った


パグ5「接続を切るより、アーマーをいっそ壊したほうがいいだろう。わざわざ接続を切るだけで済ます必要はない 俺はもう用済みなのだから」


ハンス「・・・」


パグ5「・・・懐かしいよな、社長 覚えてるか?」


———六年前

大学二年の俺は別にこれといった特別なことも起こらず、ずっと平凡だった。ただ心の奥底に渦巻くあの日の憎悪だけが残っていた。俺は正直頭が悪かった。当時はな だから俺は留年した。


ゼニス「・・・はあ。」


ゼニスは誰もいない田舎の駅のホームのベンチで座っていた。春の暖かい日差しが迎え入れ、まだ残る冬の冷たい風が頬を撫でた


ゼニス「バイトももう、これ以上入れたって、留年する金なんてないし・・・・」


頭をガシガシかき、空を見上げる いつものように天にいるであろう家族からの助言はない


その時、駅前のロータリーに装甲車に護衛された黒い車が到着する


ゼニス「・・・軍隊?なんだあれ」


中から降りてきたのは、ハンスだった


ハンス「・・・彼が、ラッキーリアの1人?」


秘書「社長、差別用語ですよ。」


ハンス「今はそういったほうが正しかろう。」


駅の改札を当然のようにすり抜け、ホームへ続く階段を上がる


ハンス「14年だ、あのテロから14年 幸か不幸か あのテロを生き残った者たちは今も世界各地にいる。彼らの証言を集めなければ連合にあげる頭がない。」


秘書「しかし、なぜ今なのです?テロ直後に証言を集めればよかったではないですか。14年も経てば、ラッキーリアの中に精神疾患等で自殺者が出てもおかしくない」


兵士1「おい、ラッキーリアってなんだ?」


後ろからついてきていた兵士が隣の兵士に話しかける


兵士2「あのテロを生き残った元エルメス国民だとよ。海外滞在とか あるいは上空にいたとかいろんな要因で生き残った人々を包めたものだ。まあ今じゃ、本人たちへの配慮ってことで差別用語扱いらしいが。」


兵士1「へえ。」


ハンス「正直、なぜ今なのかは我々にもわからん。今更ドキュメンタリーでも作るつもりなのか」


ハンスは笑っていたが それは裏を知っている人の顔だった


ハンス一行はホームへ降り立ちゼニスのところへまっすぐ向かった


ゼニス「こ、ころさ、ないでくれ・・・」


ハンス「・・・ぷっはははっ!大丈夫大丈夫!殺すつもりはないしむしろ保護するつもりでいる。」


ゼニス「ほ、保護・・・?なんのことです・・・?」


ハンス「書類を」


秘書はただ黙ってファイルから書類を抜き取りハンスへ渡す


ハンス「タカノ・ケン20歳 元エルメス国民、現在はウルティア連邦在住。・・・あってるね?」


ハンスは何か懐かしいものを見る目をしていた。それと同時に何か憐れみ、それでも冷徹に行こうと必死になろうとしている目を


ゼニスもといタカノ・ケンの瞳に明らかな警戒が浮かぶ


ゼニス「・・・なぜそれを、知っている。」


ハンス「ラッキーリアなんだろう?あのテロを生き残った」


ゼニス「・・・」


ハンス「ハンス・ニケーネ 民間軍事会社ROEの社長 と言うのが正しいか。君を、スカウトしたい」


当時の俺には選択肢がなかったのかもしれない。金がないし、どこに行っても地獄 ならせめて、安全が保障された地獄に行くほうがマシだと。


———時間軸は現在に戻る


パグ5「だがハンス社長 あなたには感謝しているんだ、個人的に。・・・あんたは父親に、そっくりだったから ちょっと、救われたんだ。それに俺を育ててくれた。本当の・・・父親みたいな存在だった。」


パグ2「昔話なんていいから早く終わらせろよ!」


パグ3「おいバカ、口出すな。」


通信の向こう側でハンスが息を呑む音が聞こえる


パグ5「・・・本当は、俺に生きて欲しいと思っているんじゃないのか?だからアーマーを破壊せず取っておいている。」


ハンス「違う・・・それは違うぞ・・・」



パグ5「それにこの無線を切らないのがその証拠だろう。」


ハンス「・・・なぜそんなに平気なんだ・・・!死にかけの戦場にいると言うのに!なぜお前は平気なんだ!あの悪魔も そのお供してるそいつらも!なぜみんな!平気なんだ!」


パグ5「・・・あんたが育ててくれたおかげだ。」


しばらくの沈黙が落ちる。遠くで聞こえるレイが戦闘している音だけが聞こえる。そしてさらに近くで聞こえる、獣の唸り声


パグ3「来るぞっ!」


もう1匹の虎型トークはゼニスに目掛けて一直線に飛びかかった。もう間に合わない そう思われたが


突如 ブレイカ−305がゼニスの手元に現れる


パグ5「はあっ!」


ブレイカ−305を振り上げ、虎型トークを一刀両断する


パグ2「なっ!?」


パグ3「え・・・」


伊達「・・・全システムアクセス承認!変身、できます!」


ハンス「・・・行ってこい。息子よ」


パグ5「・・・ああ、行ってくるよ!父さんっ!」


エキスパンションフォンの1番ボタンを押してバイクを召喚し、レイのところへ向かう


パグ3「俺たちにも何かできるはずだ!」


パグ2「ああ、行こう!」


2人も走り出した


———

レイ「うおおおおっ!」


もう1匹のチーター型トークを倒し少し息切れ気味になる


レイ「ルシファーはっ・・・!」


その時、目に飛び込んできた光景にレイは息を呑む。


ミロシアが片腕だけ残されていた


レイ「み・・・・ろしあ・・!」


ルシファー「まだなれないの?ふふっ、悪魔って情はないんじゃないのー?」


地中から現れてミロシアを絡めとる。そして頭に鉤爪が生えた尻尾を当てる


パグ4「ぁ・・・・」


ルシファー「またまた殺してやるよ」


レイ「させるかっ!」


ジェットで飛びあがろうとするが後ろから尻尾が現れ破壊される


レイ「えあっ!?」


そのまま様々な尻尾で叩きつけられ強制的に変身が解除される


パグ1「はっ・・・早く、変身を・・・」


ルシファー「今回はさよなら、また会おうぜ悪魔」


トドメの尻尾を突き刺そうとしたそのとき横から突っ込んできたバイクで尻尾が弾かれる


ルシファー「・・・え?」


パグ1「なっ!?」


そしてルシファーの頭部にグラップルガンが付き、ゼニスがブレイカ−305で突っ込みルシファーの頭部を抉る


ルシファー「・・・ああ、そうかよ。」


ゼニスは着地してミロシアを保護し、サイザとリグの方に手渡す


パグ5「手当を」


パグ3「よくやったなミロシア。待ってろ今助ける」


パグ1「ゼニス・・・!」


パグ5「ああ、もう大丈夫だ。戦える」


レイは埃と垂れる血を拭いながら立ち上がる


ルシファー「ハンスも・・・お前ら側についた・・・人間が・・・もう、許さねえぞ!」


パグ1「あいつ、以前とは比べ物にならないほど強い。奇襲が上手くなってる」


パグ5「わかっている・・・・行くぞ。レイ」


パグ1「残り滞在可能時間18分25秒、絶対ここで お前を倒す!」


2人はエキスパンションフォンを取り出し◯ボタンを2回押す


エキスパンションフォン「「現実拡張、起動します」」


二人「変身!」


2人に装甲が取り付けられていく。ゼニスはフードを被り


2人「フェイスオン!」


仮面が装着され変身完了する。


ルシファー「コードは・・・渡さない・・・!」


レイ「おいイヌ、いけるよな?」


イヌ「はい、いつでも。」


ゼニス「・・・いつの間にそんなものを。伊達は相変わらず仕事が早いなっ!」


2人は走り出す。最後の戦いに挑むために


to be continued・・・


・用語解説「戦艦」

1799年に初めて実用化され、1806年のティルムド民族紛争にて先住民側の拠点を灰すら残さず殲滅した記録から世界が注目した兵器。1900年代のコンピューターによる新兵器の登場に合わせ戦艦も進化したがいったん1950年ごろに廃れた。だが現在 海洋生物型トークへの対抗策として大洋自由連合艦隊が主に所有し、さらには民間でも砲撃漁という形で戦艦が使われることがある。

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