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MN1 ファイル 20220329

———その2時間前 ROE社長室

ハンス「・・・」


ハンスは受話器を手に取り相手が電話に出るのを待っていた


リカオン「やあハンス」


相手はやはりリカオンだった


ハンス「カミンスキーがやってくれた。あの老人だ」


リカオン「レイと接触したのか?」


リカオンは秘書が持ってきたチョコレートケーキを食べながら言う


ハンス「させたんだよ。いい情報が取れた」


リカオン「なんだ?」


ハンス「MNレイの本名のことだ。レイ・メーデニコンで間違いないらしい」


リカオン「カミンスキーは今EMIにて治療中だろ?なんで君がそれを知っている」


ハンス「私兵にカメラつけといたんだよ」


ハンスはレコードの針をおろし、曲を再生させながらいう


リカオン「Comfortable defenseだったかな。あれはいい会社だ」


ハンス「あの会社が潰れてもう38年も経つ 38年だぞ。俺は12で、お前は15歳の時」


リカオン「10代の頃などもう忘れたな。強いて言えば、飼ってた狼に雪玉投げつけて、噛みつかれそうになったことかな。」


リカオンは食べ終わった皿を秘書に運ばせ、さらに棚から電源コードを取り出しながら言う


ハンス「流石ヤンリー家。思い出のレベルが違うな」


リカオン「お前の10代は散々だと聞いたな。なんでもガールフレンドがデートでお前を待っていたところ・・・」


ハンス「聞くな聞くな。」


2人は笑った。3秒ほど笑ったあと2人はまた真剣な顔をした。


リカオン「で、えー・・・レイの本名についてか」


ハンス「ああそうだ。レイ・メーデニコンで確定らしい」


リカオン「正直、名前などどうでもいいんだがな」


ハンス「・・・なんで」


リカオン「こちらとしては、MNレイを抹殺したくはない。できれば確保、拘束したいな」


ハンス「・・・。」


ハンスは少し不満そうな顔をしていた。自身の思想と共鳴しない友は好かなかった


リカオン「わかっている。君が不快だと思うのは」


ハンス「・・・なんてな、冗談だよ!」


また2人は笑った。ハンスは少し無理をしているようにリカオンは感じた


ハンス「だが、ヘルド・マリスと組んでいる以上 彼らの意向に従わなければならない。」


リカオン「うまくやるさ。対MN弾薬の開発を極力遅らせ、こちらのMNは開発を促進する。」


ハンス「何も言わないでおくが、バレたら自己責任な」


リカオン「上手くやるさ。今度飯でも行こう」


ハンス「こっちで予約は取っとくから、行きたいとこあればメールで、じゃ」


ハンスは電話を切り、少しのため息の後 タコができた自分の左手を見ていた


タバコの火は消えかけていた


———そして現在

レイ「だあああああ!」


レイは地面に向かってFirst Breakを放ちゼニスと共に痺れ体が動けなくなる


ゼニス(よし!考える時間が生まれた!とにかくルシファーがいる坑道まで行けば・・・・)


痺れがなくなり、再び戦闘体制に移ったゼニス


ゼニス「なっ!?」


レイはJetで接近し、ゼニスを担ぎながら飛行する


ゼニス「・・・なるほど!」


ゼニスはもがく演技をする


レイ(よし、坑道は確かあそこだったな・・・)


レイが坑道に入るため高度を下げた時一本の無線が入る


パグ4「隊長!」


レイ「ミロシアか!?」


パグ3「ルシファーがこっちに!」


ゼニス「えっ!?」


レイ「・・・クソ!耐えてろ!今行く!」


パグ3「やってるよ!」


パグ3は横からくる触手をスライドで回避しながらグレネードランチャーを発射し、鱗の一部をはぎ取る


パグ4「ふうう・・・」


ミロシアはその剥がれた鱗の下にあった皮膚に弾丸を打ち込む


ルシファー「がっ!」


ルシファーは少し怯む


パグ3「鱗さえ剥がしちまえばこっちものだ!4!狙撃準備を!」


パグ4「わかりました!」


ルシファー「人間如きが!」


生えてきた8本目の尻尾でサイザを吹き飛ばす


パグ3「なっ!」


パグ4「サイザさん!」


サイザは崖から落ちていった。ミロシアは手を伸ばしたが届かなかった


パグ4「そ、そんな・・・」


ルシファー「・・・ゾクゾクする・・・!」


立ち尽くすミロシアを尻尾で絡め取り地面に叩きつける


ルシファー「優劣がつくこの世界で、優位に立てる今が!とても楽しい!」


尻尾をムチのように振り回しミロシアに命中させる


パグ4「ガッ・・ガッ・・・」


ルシファー「お前ら人間はあ!自分が生存競争の勝者だと思ってんだろお?」


パグ4「俺は・・・別に・・そうとは・・・」


ミロシアが話してる途中にルシファーは先端に牙がついた尻尾でミロシアの口と鼻を切除する


ルシファー「惨めだなあ!人類が生まれて一億とかそこらへん!か弱い生き物は臆病な自尊心で生態系の頂点に立った!」


ルシファーはさらに耳も切り落とす


ルシファー「そんな幻想に誘惑され!文明を築いた!何百万年もかけてなあ!」


ルシファーは尻尾からミロシアを振り解く


ミロシアは地面に落ちる


ルシファー「・・・崩壊は一瞬なのにな、かわいそうだよ 人間って」


トドメを刺そうと牙状に尻尾を変形させる


ポンッ


突如頭上から抜けた音がしたかと思うと無数のスモークグレネードが降ってきた


ルシファー「ん?」


そしてルシファーと衝突した瞬間煙幕は周囲に広がり、視界を遮る


ルシファー(転送で本部から送られてきたのか?まあ、別にこんなの目眩しにもならな・・・)



突如ルシファーの背中に痛覚が走る


ルシファー「いっ!?」


D-Breakerでレイが背中の鱗を剥がしていた


ルシファー「そういうことするう!?」


即座に尻尾で吹き飛ばそうとするが、レイは想定内と言わんばかりJetで再び飛び上がる


ルシファー「飛んだ!?」


そしてさらにレイと入れ替わるように何かが降ってくる それはゼニスだった


ゼニス「うおおおおおおお!」


鱗が剥がれた背中の皮膚に刃をしっかり食い込ませ、チェンソーを回転させ背中を抉っていく


ルシファー「ぐううううう!?」


ゼニスも切り終えた直後後ろに後退する


それをしている間にレイはミロシアを保護、救出していた


ルシファー(なんなんだこいつら!なんで!)


ルシファーがレイ達を睨んでいた時、横からランチャーを撃ち込まれる


そっちの方を見ると、サイザがランチャーを構えながら立っていた


ルシファー(崖から落ちていたところを回収した!?そうか、さっきのスモークも上空から奴が・・・)


ルシファー「・・・死に損ないが!」


4本の尻尾を鋭利化させサイザのお腹めがけて射出する


レイ「おせえよ。」


さらに上空から落ちてきたレイはルシファーにFirst Breakを放ち、さらにMチャージャーの下側二個のボタンを押し、両足キックを決める。


ルシファー「ぬうっ!!!」


ルシファーはその場で悶え苦しんでいた


ゼニスも援護せんとルシファーめがけて走り出す


ゼニス「お前は終わりだ!ルシファー!」


チェンソーを振りかざす


ルシファー「・・・それだけじゃないんだよね。」


突如左からゼニスに猛突進してくる何かが見えた、がその場にいる全員がそれを捉えることができずゼニスは吹き飛ばされる。


レイ「ゼニス!」


ゼニス「これは・・・」


ゼニスを吹っ飛ばしたのはチーター型トークだった。


パグ3(他のトークを従えてるのか!?)


ルシファー「よそ見!」


周囲に尻尾を振り回し、レイとサイザを吹き飛ばす


レイ「サイザ!ミロシアを連れて離脱しろ!こいつは俺がやる!」


パグ3「ダメだ隊長!俺がやる!」


レイ「これ以上お前たちを、死なせたくない!」


Jetで加速し、ルシファーに体当たりして吹き飛ばす


パグ3「・・・気をつけろよ!隊長!」


レイ「ああ!」


サイザはミロシアを担いでEMI本社へ転送される


ルシファー「また厄介な新装備をお!」


レイ「お前は絶対、ここで倒す!」


———

その頃ゼニスは地面に転がっていた


ゼニス「はあ・・はあ・・・」


チーター型トークはまた走る体勢をして待機している


ゼニス「・・・クソっ。早すぎんだろ」


立ち上がりブレイカ−305を構える


ゼニス「来い……!」


チェンソーをフル回転させ、猛突進するチーター型トークに斬りかかる。


しかしチーター型トークの速度は異常だった。


ゼニスのチェンソーが空を切る直前、横から体当たりを食らい、再び吹き飛ばされる。


ゼニス「ぐっ……!速すぎる……!」


チーター型トークは低く構え、牙を剥き出しにして再突進。


ゼニスはグラップルガンで瓦礫を引き寄せ、盾にするが、チーター型トークはそれを跳び越え、ゼニスの肩に牙を突き立てる。


ゼニス「があああっ!」


血が噴き出し、MNの肩部装甲が砕ける。


ゼニス(くそ……この速度……マッハで加速することが可能だな!)


ゼニスは必死にチェンソーを振り回すが、チーター型トークは軽々と回避し、爪でゼニスの胸部を切り裂く。


ゼニスは膝をつき、MNのディスプレイに警告が点滅する。


『胸部装甲 損傷率68% 機能低下』


ゼニス「はあ……はあ……」


チーター型トークは再び加速し、周囲に衝撃波を発生させる


ゼニス「チッ!」


エキスパンションフォン『Build Barricade』


3枚の圧縮装甲100mmのバリケードを生成し、盾にする


ディスプレイはトークの速度をマッハ10と認識した


ゼニスはさらに遠くへ吹き飛ばされる


ゼニスは再び地面に転がるがおき上がれない


『左右腕 骨折 右足 粉砕 肋骨3本ほど 粉砕』


ゼニス(動かねえ・・・もう・・・ダメなんだな・・・)


周囲にいたハイエナ型トークやアリ型トークが寄ってくる


ゼニス(父さんとなんか約束した気がするな・・・)


ハイエナ型トークは装甲を突き破り、アリ型トークは肉を引きちぎる


ゼニス「な・・・だ・・・っけ・・・」


『生命反応 停止』


——————

Third Break!


レイ「だあああああ!」


ルシファー「遅いよ!」


ルシファーは側面から尻尾による攻撃を仕掛けるが、レイはそれをJetの機動性で回避する


レイ「お前がな!」


再びThird Breakを打ち込む


ルシファー「チイっ!」


ルシファーは後ろに下がり、全ての尻尾を鉤爪状に変形させる


レイ「いい加減コードの位置を教えろよ・・・!」


ルシファー「やに決まってんじゃん。」


ルシファー(あっちの残り滞在可能時間は6分弱 だがこっちはもう体力が持たない・・・・!)


レイ「なら・・・お前を倒すまでだ!」


上昇し、Mチャージャーの下半分の2つのボタンを押す


レイ「決める・・・!」


キックの体勢に入り急降下する


ルシファーは刹那、自身の死を悟りかけた。だが、同族が到着したことで


レイ「!」


形勢は逆転する


チーター型トークがレイを吹き飛ばした


レイ(こいつはさっきの!)


ルシファー「・・・はは!」


ルシファーは鉤爪でレイの装甲を削っていく


レイ「くっ・・・離脱を!」


Jetが加速し、その場から離脱しようとする


しかしチーター型トークはそれを逃さず、飛び上がったレイに突進し墜落させる


ルシファー「どうしたレイ!負けちゃうぞお!」


さらに20本ほど尻尾が生え、全て鉤爪状に変形させ、装甲をさらに削っていく


『肩部装甲67%損傷 右脚装甲42%損傷 頭部装甲32・・・』


ヘルメットが割れる


レイ「がはっ!」


ルシファー「終わり。」


レイは視界が真っ暗になった 何も感じなくなっていた


ただただ横たわっていた。死という感覚もなかった


チーター型トークはレイの血の匂いを嗅ぎよだれを垂らす。


ルシファー「あーいいよ、食っちゃって」


チーター型トークはそう言われると無邪気な子供のようにレイを貪り食い始める


そこで意識は途切れた


——————


気づくとレイは薄暗い宮殿のような部屋で1人隅っこで頭を抱えた男の視点になっていた


???1「私はもう何も信じないぞ。もう、私はもう何も」


???2「しかし・・・・!皆が苦しんでいる状況です!不作はここ2年続き、飢えで喘いでいます」


扉の外からこちらに話しかける男たちの声が聞こえる


???1「わかった。わかったから あとでやる。」


???3「どうだ。彼の状況は」


???2「・・・難しいですね。そろそろ戦争が起きますよ」


ルシファー「まあしょうがないね。あんなことがあったんだから」


さらに2人の男がやってくる どうやらその1人はルシファーに声が似ていた


3人は自分のいる部屋から遠ざかり、声は聞こえなくなる


その男は自分の手に落ちた涙を舐めていった


???1「・・・なんのために」


そこで謎の光景は終了した。また目が覚めた


レイ「はっ!」


レイはベットから飛び起きる 時計を見て時刻を確認する


2022年3月30日0時32分


レイ「・・・もうなんなんだよあれ・・・」


レイは再び横になり寝始めた・・・


翌朝 9時55分 EMI本社 社長室


ライ「なあ、レイ」


ライは自販機で買ってきたコーラをレイに手渡しながら言う


レイ「ん?」


レイはそのキャップを開けて飲み始める


ライ「先の戦闘で、ゼニスと何があった。接敵したんだろう?」


レイ「だから、あれも共闘したんだって。まあ最初は、監視されてて演技で戦闘してたけど」


ライ「なるべく関わらない方がいいぞ。ROEはな 元々うちのライバル会社だったんだ」


レイ「いつの話?」


ライ「24年前の・・・シャン・ド・ウォールの方で起きた内戦だったか・・・私たちは反王族派から600000ペータで交渉され、反王族派として介入した。ROEはその逆だった。」


レイ「そこから今日に至るまでずっと戦ってきたってわけか」


ライ「当時はPMCがうちかROEの二大巨頭だったからな」


レイ「・・・まとりあえず、ゼニスに関してだが友好関係は築けたと言っていい」


ライ「私としては反対だが・・・まあもうROE側でないのならいいか・・・あわよくばこちらにスカウトも」


レイ「今度声をかけてみるよ」


ライ「頼んだ・・・」


2人が会話をしていると社長室のドアが開きサイザとミロシアが入ってくる


サイザ「社長。申し訳ございません。再びルシファーを仕留められませんでした・・・・」


ミロシア「申し訳ございませんでした・・・」


2人は深々と頭を下げる。


ライは2人を落ち着かせた


ライ「いや、いいんだ。あそこまでやってまだ何もしないんだ。おそらく、お前たちで遊んでいるんだ」


レイ、サイザ、ミロシアの3人は気を引き締める


ライ「その油断を逆手に取ろう。MNレイの新装備開発計画をさらに推進することで、やつを一気に叩く。と言うわけでお前たちは・・・」


3人は唾を飲み込む


ライ「・・・待機だ」


3人「・・・・がーん」


3人は少々がっかりしていた。待機命令は貴重な外出期間となるが、正直結構フリーだからいつでも外出できたからだ。


レイ(それにしてもゼニス・・・生きてるかな・・・)


———ROE地下5階収監室———

ゼニスは牢屋の中で目を覚ました。目の前にはハンス社長がいた


ゼニス「・・・社長」


ハンス「動かない方がいいぞ かなり重症だった。それに今私たちは君を拘束している」


ゼニスは立ちあがろうとするが手首を有刺鉄線で縛られていた


ゼニス「社長、聞いてください。レイ・メーデニコンは我々の敵ではあります ですが、彼は・・・また1人の人間で 世界を救うために戦うヒーローなんです。」


ハンス「随分と心を変えたな なぜだ。」


ゼニス「最近自分を疑っていたんです。20年前のあの日見たのは本当にMNレイなのかって・・・もしかしたら別の組織のあるいは幻覚だったって可能性もあって・・・」


ハンスは少しため息をつきながら質問をした


ハンス「なぜ今になって思い始めた?」


ゼニス「・・・ずっと 囚われてきたんです。20年前の記憶に」


ハンス「・・・」


ハンスは一枚の紙を檻の前に置く


ハンス「君は・・・追放だ。」


ゼニス「・・・え?」


to be continued・・・


・用語解説「Jet」

伊達智和が急ピッチで開発した新装備。番号はNo3 最高速度は600kmを超えることができ、さらに滞空モードでの細かなスラスター操作も可能としている。まだまだ不完全なところではあるが、現状はこれで足りる















ゼニス追放から三時間後


ハンス「やめだ!もう私はこの計画を降りる!」


ハンスは社長室にてまた誰かと電話をしていた


ヴァヴィルド「おやおや、どうしたんですか?」


相手はヴァヴィルドだった。


ハンス「私はもう、こんなに責任を負えない!」


ヴァヴィルド「ハンスさん 連合を裏切り、ゼニスを自ら手放したあなたに、拒否する権利はありませんよ?」


ハンス「ゼニスを巻き込んでしまった・・・!復讐心を利用して、あんなことをさせて・・・!」


ヴァヴィルド「昔のあなたが恋しいですよハンスさん。あの頃の彼女にさえ手をかけた・・・」


ハンス「・・・それ以上!彼女のことは言うな!もういいだろ!」


ハンスは勢いで電話を切る


もはやハンスには自分がどうしたらいいか分からず社長室の椅子を蹴り飛ばし、床に横になって赤子のようにもがいていた・・・・


ゼニスはROEの本社を背に車を走らせ、どこかへと向かっていた・・・


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