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第4章⑦vs角田⑦

 パン!


 須磨のスマッシュはそのまま決まった。

 5―6

「なんということよ。この試合初めてサーブをスマッシュで返してくるなんて」

「へへ、驚いたか」

「そうね、入らなかったらどうするつもりだったの?」

「そうだな。俺も入って驚いたよ」

「まさか、あなた」

 角田は嫌な顔をして気づいた。

「そうだよ。先輩の力を利用させてもらったよ。どんなボールでも自分のところに誘導するんだろ?たとえあさっての方向に行くようなボールでも」

 須磨はあっけらかんと言った。

「なんて子なの。わたしの力を利用するなんて」

「どうも」

「でも、それならやりようがあるわ」

 角田のサーブ。

 須磨はカットレシーブ。

「えっ?スマッシュじゃない?」

 角田は動揺しながらレシーブしたが、浮いた。


 パン!


 須磨のスマッシュはきちんと台をはねた。

 6―6

「うそでしょ?」

「先輩、俺がスマッシュを打つと思ったでしょ?」

「そうね。さっきの話の流れからね」

「だからだよ。先輩が普通のカットを打ってくると思ったから、普通に返したんだよ」

 騙し合い。

「そのためにわざわざペラペラと話していたの?」

「それもあるが、あんたが自分の能力をペラペラ喋っていたから、自分も喋らないと不平等だと思ったから話したんだ」

晴れ晴れしく話す須磨を見て、角田は体を震わせていた。

「……くっくっく、あっはっはっは」

「なんだよ」

「あなた、面白いわ。大虎が気に入っているだけのことはあるわ」

「気に入られてねぇよ」

 鼻に力を入れて嫌そうに否定した。

「いいえ、気に入られているわ。わたしにはわかるわ」

「それはどうも」

 須磨は少しこそばゆい気持ちだった。

「それにしても、平等、ね。そういえば今の得点も平等ね」

「まぁ、同点ですからね」

「そうよ。そして、互いに騙し合い。わたしは能力を使うか使わないかの二択、あなたはわたしの能力を利用するかしないかの二択、どっちが騙し勝つのかの勝負ね」

「そういう勝負も楽しそうだな」


 2人の勝負は続いた。あるときは長いラリー、あるときは一瞬、あるときは……


「15―13、ゲース須磨。この試合は2―1で須磨の勝ち」

 宅井のコール。

 2人は汗だくで息を上げながら天井を見上げていた。

「はぁはぁ、こんなタフな試合初めてだ」

「そりゃそうでしょ。私レベルのカットマンがそこらじゅうにいてたまるもんですか」

「やっぱりすごいんですね、先輩たち」

「そうよ。ようやく尊敬するようになったの?」

「別に、元から尊敬していないわけじゃないですから」

 自然と先輩が嬉しくなることを言われて、角田は少し嬉しかった。

「でも、最初はポイントの1つや2つよりも相手の体力を削ること優先するわたしのやりかたが気に入らなかったんじゃないの?」

「それは、理解がなかっただけですよ。理解したらすごいなぁ、と思いましたよ」

「ふふ、ありがと。わたしも最初は大虎に言われていやいやだったけど、試合してみてよかったと思ったわ」

「大虎先輩だってすごいですよ。尊敬できますよ」

 そういう須磨の視線の先には、宅井にベタベタして口説こうとしているが軽くあしらわれている大虎の情けない姿があった。

「あれを見ても尊敬できるの?」

「全くできないです」

 2人は冷めた目で見ていた。


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