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第4章⑥vs角田⑥

 パン!


 角田の強い返球が刺さる。

 3―2

「なっ、また決めやがった。いや、当てやがった」

「そうね。もう空振らないわ」

「やってみろ」

 須磨のサーブ。

 角田のレシーブ。

「うおりゃ!」

 須磨は再び強いスマッシュ。


 パン!


 角田の強い返球が決まる。

 3―3

「なっ?」

「あら、また決まったわ」

「急に立て続けに当ててきやがった。しかも、前までなかった強いボールで。いったいどうしているんだ?」

「次はわたしの番ね」

「それにこいつ、さっきからまったく空振らない。まるで俺がどこにボールを返すか分かっているみたいに打ってくる」

 須磨は頭を回転させたが、メリーゴーランドのように遅くて間に合わない。

「いくわよ」

 角田のサーブ。

 須磨の返球。


 パン!


 角田はまた強い打球を決めた。

 3―4

「どういうことだ」

「何かしら?」

「どうしてここに来て、そんなに強いボールが打てるんだ?体力がなくなっているはずだろ?」

 須磨は考えがなくなった。

「ふふ。たしかに体力はなくなって疲れているわ。思ったより強いボールが打てないわ」

「なんだと?だったらどうしてそんなに強い球が打てるんだ?」

「ふふ、強い球を打つのに必要なのは、体力とか身体的なものだけではないわよ」

「どういうことだ?」

「さあね」

 角田のサーブ。

 須磨のレシーブ。

 角田はそのボールを待ち構えた。


 パン!


 須磨の横を強いボールが過ぎる。

 3―5

「くそ」

「やーね。またその言葉?進歩ないわね」

「うるせぇ。こっちはそのやりとりをする元気がないんだ……」

 須磨は思いついた。

「まさか、そういうことか」

「なによ?」

「俺が疲れているから、先輩のボールが早く見えているのか」

 頭の回転が速くなった。

「あら、そうなの?」

「誤魔化そうそしたってそうはいかねぇぞ。お前もさっきまでそうだっただろ?」

「まぁ。否定はしないわ」

「そうとわかれば、すっきりしたぜ」

 須磨のサーブ。

 角田は返球。

「うらぁー!」

 須磨はすっきりした頭でコーナーギリギリを狙った。

 が、ボールはコーナーに行かなかった。


 パン!


 角田はコーナーギリギリに決めた。

 3―6。

「はぁはぁ」

「ふー。疲れるわ」

「そうか、そういうことだったのか」

「今度は何よ」

「俺は勘違いしていたようだぜ」

「何よ、もう」

 角田は須磨の同じようなムーブメントにうんざりした。

「お前が俺のボールを返せるようになったのも、強いボールを打てるようになったのも、俺の疲れのせいではなかったのか」

「……」

「お前、俺がどこにボールを打つのか分かっているのだろ?」

「あら、どうかしら」

「もっと正確に言うと、俺のボールの打つところを操作していたのだろ?俺がどこにどんなボールを打つのか計算して、ボールの回転や方向を決めて、俺の打つボールを自分にとって打ちやすいボールにする」

 須磨の説明は終わった。

「ふふ。だったらどうだというの?」

「どうだというわけじゃねぇけど。謎が解けてすっきりしたぜ」

 須磨のサーブ。

「結局、何も変わらないでしょ?」

 角田のレシーブ。

「そうだな」

 須磨のスマッシュ。

「もらったわ」


 パン!


 ボールはそのまま角田の後ろに飛んでいった。

 4―6

「なっ?」

「よーし、決まった」

「な、なせ当たらない?予想どうり来たはずなのに」

 角田は一縷の疑問。

「次はあんたのサーブだぜ」

「どうせたまたまよ」

 角田のサーブ。

 須磨はスマッシュで返した。

「なっ?!」


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