双子の【花の乙女】達と【星の乙女】
【星の乙女】であるミノジア様は確か貧民街の出だったはずです。わたくし達は公爵令嬢なので本来であればまず呼び出されることはありません。
しかしこの<ステインシル聖王国>では【乙女】の格が優先されるので主神の実の娘である【星夜の女神】の【乙女】が主神の姪である【草花の女神】の【乙女】を呼び出すことができるのです。
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やはり神殿ということで主神である【大空の女神】の貴色の白と空色のドレスを身に付け【草花の女神】の貴色である黄色のケープを羽織りました。
ちなみに【星夜の女神】の貴色は宵色です。おそらくミノジア様は白と宵色のお召し物なのではないでしょうか?
わたくし達は他の【乙女】達とあまり交流がないので緊張します。【花の乙女】付きの巫女が袖口から小さな鈴を取り出しチリン、と鳴らすとドアが開かれました。
「ご機嫌よう。お会いできて―――」
「ちょっと待った。堅苦しいのやめて欲しいんだけど。」
挨拶しようとしましたらお断りさせてしまいました。
「あの………。わたくし達【花の乙女】なので【星の乙女】であるミノジア様に粗相をしてしまう訳にはいかないのです。いくら従妹神の【乙女】とはいえ格下の神の【乙女】なのですよ?」
「だからその私がやめてって言ってんの。」
「シア、わたくしは良いと思いますよ。」
「リアお姉様!挨拶は基本の基本でしてよ。そんなことばかり仰っているからマナーのレシアーヌ伯爵令嬢に注意されてしまうのです!」
リアを注意しているとあははっという声が聞こえました。
「お貴族様もそーやって喧嘩すんだね。意外だなー。なんかこう笑顔でイヤミいいあったりするイメージ。」
「喧嘩は致しておりませんが………。そうですわね。わたくし達は家族ですし………他の派閥の方にはそういう対応をすることもありますね。」
「へー。仲いいんだ。いーなー。家族か…。私にも家族がいたらそーいう関係なのかな……」
「あっ!申し訳ございません。」
「ローゼシア様、だっけ?気にしなくていーからね。らしくない感傷なんてして悪かった。」
そういう言ってくださいましたがやはりわたくしが悪いと思います。
「いえ……わたくしが悪いのです。それに……わたくしに様を付けなくて構いません。ミノジア様の方が高位なのですから。」
そうわたくしがいうと意外な言葉がかえって来ました。
「わかった。私にも付けなくていーから。」
「そういう訳には―――」
「だって私貧民街の情報屋だよ。お貴族様に様って付けられたくないし。」
それにと彼女は続けました。
「こんな話し方だけど嫌そーな顔1つしなかったでしょ?嬉しかったんだ。神殿の神官さんとか巫女さんは何も言わないで眉をひそめるんだ。」




