新しい側近の用意
「そうですわ!ミル、貴女、信用出来て有能な人材を紹介できて?」
「なんだよ、藪から棒に………。まぁ心当たりはあるけどさぁ。最近側近遣いが悪くないか?」
「わたくし、最近反省しているのでそのための人材確保でしてよ?」
「よしっ!全力で取り組もう。」
「現金ですわね………………。まぁ、わたくしの側近はそろそろ増やそうと思っていたので、良いのですけれど………。」
わたくしも公爵令嬢です。成人までにはある程度は側近を揃えなくてはなりません。
「できれば、貴族のご令嬢やご令息も欲しいのだけれど………。」
「ん?子爵位くらいまでで良いか?」
「貴女、何者ですの?」
「決まってるだろう?貧民街の情報屋<確>のミル様さっ!」
そういうことを聞いているのではありませんがまぁミルが規格外なことは今更ですけれど。ミルに言えば、「お嬢にだけは言われたくない!」と叫ばれそうですが。
「いつまでに用意すれば良いんだ?」
「そうですわね………。2週間位で用意出来て?」
「2週間な。わかったから大人しくしろよ?」
「仕方がないですわね。なるべく大人しくしておくわ。」
わたくしは自分から問題を起こしているつもりはありません。巻き込まれているだけです。
「しょうがない。さっさと連れてくるから3日待て。」
「まぁ!3日で用意出来るのですか?」
「ああ。出来る。前から一緒に仕事がしたい奴がいるんだ。」
意外です。ミルに一緒に仕事をしたいと言わせる人間がいるなんて思ってもみませんでした。
「じゃあ、今度会うときは3日後だ。用意しとけよ。」
「わかったわ。」
―――――――――
ミルと会った日の翌日、リアとお茶会を開きました。
「シア、わたくし婚約致します。」
「お相手は、ユージィお従兄様ですか?」
「ええ。」
「よく、お父様が許しましたね。わたくしこのままシアが政略結婚させられてしまうのかと思っておりましたの。」
「ユージィお従兄様がわざわざ足を運んでくださったの。」
「まぁまぁ!良いですわね。わたくしにもそんな相手が現れないかしら?」
わたくしにもいつか現れてほしいものです。
「あら?シアにもいるではありませんか。」
「わたくしに?そんな方いらっしゃらないわよ。」
「リィステ聖子殿下は?エスコートしてくださるのでしょう?」
殿下は誘ってくださいましたけれど、きっとお気に召される方が見付かるまでの関係です。
………そう考えると少しモヤモヤしますが。何故でしょうか?
「殿下は家格が合うから誘ってくださっただけよ。」
「それなら、エミリア嬢でも良いのではなくて?」
「さぁ?エミリア嬢が苦手なだけではなくて?」
それなら、かなり嬉しいです。だってエミリア嬢に勝ったということではないですか。というか何故わたくしは脳内で言い訳しているのでしょうか?
「うふふっ。まあ、そうですか?」
なぜかリアに微笑ましいものを見る目で見られています。
「なんですの?わたくし、そんなに可愛らしいものではなくってよ?」
「ええ。そうですわね。」
口では理解している風ですが、表情がまだにやけています。
「もう!リア、本当に殿下とはそういう関係ではありませんからね!」
まったく、リアは………自分が幸せだからと言って周りも幸せとは限らないのです。
「ところで、
そろそろ本題に入ってもよくって?」
わたくしがそう言うとリアは表情を引き締めました。
「ええ。構いませんわ。」
「実はわたくし新しく側近を召し上げることに致しましたの。」
「シアが、ですか?わたくし、ミルを側近に召し上げたことにも驚きだったのですけれど………。」
リアは本当に驚いているようです。
「もちろんわたくしです。」
「そう。ならば折角ですから、一族から召し上げれば良いのではなくって?」
「そう簡単にはいかないので先にリアに話しているのです。」
「ミルがいるからですか?」
「ええ。ですから、一族から召し上げる訳にはいかないのです。」
ミルと上手くいかない可能性が高いのです。不安定要素はいりません。
「それでは、わたくしは一族を止めれば良いのですね。」
「お願い致します。」
「わかりました。他でもないシアの頼み事ですもの。全てとは言いませんが防波堤位にはなって見せますわ。」
「ありがとうございます。」
―――――――――
そうして側近候補と出会ったのです。




