初恋?
ガタゴトガタゴト・・・・。
軽トラで下る夏の夕暮れ迫る山道。
店から一番近いショッピングセンター根津までは16km。
ナツミ「♪ドナドナド~ナドナー・・・・なんだかアタシたち売られて行くみたいだよね。」
タクミ「ナツさんは高値付きそう!!僕は二束三文です・・・・。」
容赦なく羽虫が顔にあたり・・・どこへ行くのかカブトムシも飛んで行った。
蛇行しなが下る薄暮の山道・・・・。
ナツさんは遠くを見つめていた。
寂しげな・・・どこかセンチメンタルな表情だった。
少し涙ぐんでいるようだった。
僕がそれに気が付くと「ヤダ!虫が目に入っただけだから!」と言ってバックからサングラスを取り出してかっこよくかけて見せた。
なんて声をかけていいのか・・・。
どうやって年上の女性に接すればいいのか・・・わからなかった。
僕も黙ってまだ昼間の暑さが残る風に吹かれているしかなかった。
薄暗くなったころいつものショッピングセンター根津に到着した。
駐車場だけはだだ広い。
神さんは思い切り斜めに軽トラを滑り込ませそのまま停車した。
肉の秀吉。
魚屋の魚正。
八百屋の阿久津青果。
米屋の佐藤米穀店。
お菓子の田辺。
スーパーではない。
昭和の産物…根津ショッピングセンター。
「おっ!!今日はべっぴんさん連れてきたねえ~~~!!神さんも隅におけねえな~~」
肉屋の秀さんが早速声をかけてきた。
神「うちのお客さんだよ!!まあ親戚みたいなもんだ。」
ナツミさんは恥ずかしそうに俯いて居た。
神「特製メンチカツを3個・・・!!」
神「後さ・・・松阪牛の脂身あったら頂戴!!」
秀「あいよ~~~!!脂身だったらいくらでももってけ泥棒だ~~~!!300万円ね!!」
神さんはいつものように600円を払い八百屋へ。
神「卵3個チョーダイ!!」
ここでは卵は八百屋で売っている。
八百屋「アンタだけだよ卵を3個とかバラ買いするのは・・・・。」
「80円ね。」
八百屋「後さ、そこにある真っ黒になったバナナなら持って帰っていいよ。」
ナツミ「なにこのバナナーこんなの食べられるの~~~!!」
ナツ「ウケル~~~~!!こんなの初めて~~~~!!」
・・・・・。
ウケナイ・・・・。
これいつも僕らの日常だから。
神「あとさ豆腐を3丁とキャベツの切れ端・・・」
八百屋「豆腐崩れかけあるけどそれなら1丁40円でいいよ。」
神「助かるわあ~~~!!」
全部で200円払い最後はお菓子屋さんへ。
神「今日は御嬢さんいるから・・・・二人ともここから好きなジュース選びなさい!!」
80円均一
ナツミ「わ~~~ナツ・・・この綺麗なビンのラムネ飲む~~~!!たくちゃんは~~?」
タクミ「…。僕もラムネ。」
ナツミ「神さんは~~?」
神「俺は・・・・畳の下の密造酒だから夜はな!…うひひ・・・」
もうすっかり暗くなった来た道を戻る・・・。
ナツミ「たくちゃ~ん。ラムネってさどうやって飲むんだっけ~~~!!」
ナツさんて・・・ナツさんて・・・ナツさんて・・・・。
なんだろこのヘンテコな気持ち。
これって・・・・。これって・・・これって・・・・。
「バチっ!!」
痛!!
顔にカナブンが当たった!!




