第15話 異能兵器内部へ
氷壁を突破したチームは、ついに南極基地の中枢へと潜入した。
冷たい鉄と氷が入り混じる通路は、赤い警告灯に照らされ、不気味に脈動している。
「ここが……オゾンホール拡大装置の中枢か」
セリーヌが銃を構え、警戒する。
その時、基地全体に低い機械音が響いた。
モニターが一斉に切り替わり、黒髪の青年が映し出される。
レオ・キム――レッドウルフの電子戦スペシャリスト。
彼の背後には、無数の黒いドローンが蠢いていた。
「ようこそ、愚かな侵入者たち。だが、もう遅い」
彼の指が踊るたび、基地のシステムが組み替えられ、オゾン層破壊兵器が起動準備を始める。
「起動シークエンス、進行率68%……」
機械音声が冷たく響く。
「止めるぞ、ジャスパー!」
アイゼンの声に、ジャスパーが即座にコンソールへ駆け寄る。
「了解。奴のコードに割り込む……」
ジャスパーの指がキーボードを叩くたび、端末のスクリーンに緑色のコードが走り、レオの赤いコードとぶつかり合った。
電子戦――画面上では、まるで剣戟のようにコードが斬り結ぶ。
「ハッ……俺の領域に踏み込む気か。甘いな」
レオが笑うと同時に、黒いドローン群が起動し、通路に襲いかかる。
「来るぞ!」
セリーヌが即座に狙撃で数機を撃墜。
ルーカスが爆薬で残りを吹き飛ばす。
だがレオはさらに操作を加速し、装置の稼働率は90%を超える。
「もう止まらない!」
「いや……止める!」
ジャスパーの目が鋭く光る。
彼は敢えて自分の端末をウイルスで自爆させ、逆流するコードをレオのシステムへ流し込んだ。
「なっ……!」
レオのコンソールが火花を散らし、赤い画面が乱れる。
「起動シークエンス、停止。システムエラー――」
その瞬間、通路の扉が爆破され、アイゼン率いるチームが雪崩れ込む。
「レオ!」
カリナが念動力で通路を塞ぐも、アイゼンの戦術指揮で仲間が突破口を開く。
銃口がレオを取り囲んだ。
「……さすがだな」
レオは薄く笑い、後退する。煙幕と共にドローンが再起動し、彼の姿を覆い隠した。
「待て!」セリーヌが狙撃するが、弾丸は影だけを貫いた。
煙が晴れた時、そこにレオの姿はなかった。
残されたのは、不気味なメッセージだけ。
〈次は必ず、世界を覆う〉
アイゼンハワードは冷たく吐き捨てた。
「……逃げられたか。だが兵器は止まった」
だが、全員が理解していた。
これはまだ中章にすぎない、と。




