第13話 異能兵器の覚醒
極寒の吹雪が南極基地を覆い、氷原を裂くような轟音が大地を揺らした。
氷に埋もれていた巨大な装置がゆっくりと姿を現す。
異能兵器「アトラス・コア」。
漆黒の金属板は赤黒い光を帯び、オゾン層を貫くエネルギーを脈動させていた。
「……起動したのか」
アイゼンハワードが低く呟く。その赤い瞳に映るのは、世界終末の序章だった。
高台に立つゼフィルの影が吹雪に揺れる。
「我らが赤き秩序の勝利だ。空も海も、この地球すら我らの器となる。」
その声は嵐に溶け、全方位に響き渡った。
次の瞬間、兵器から放たれた光線が空を貫き、オーロラが乱れる。
大気は震え、突風が渦を巻く。雪と氷の世界が、凶暴な異常気象に変貌していった。
管制室に駆け込んだジャスパーは、すぐさま端末に取りついた。
「制御系は……全部ゼロに振られてる!クソッ、これは通常の核反応じゃない。生体リンクだ……」
彼の額から汗が吹き出す。極寒の中でも止まらぬ熱気が、兵器の異質さを物語っていた。
セリーヌが窓越しに外を見て、息をのむ。
「見て!氷原が……崩れてる!」
南極の厚い氷床が、兵器から発せられる波動で軋み、ひび割れていた。
「ジャスパー、どうにか止められるのか!」
ルーカスが叫ぶ。
「理論上は……可能だ。ただし、外部からの制御は無理だ。内部に潜り込むしかない!」
ジャスパーは端末を叩き、青ざめた顔でチームを振り返る。
「だが、中枢部は防御システムでガチガチだ。奴らの異能兵が配置されてるはずだ!」
アイゼンはゆっくりとマントを翻し、銃を手に取った。
「ならば答えは一つ――潜入だ。我らで兵器の心臓を撃ち抜く。」
嵐のような轟音が再び基地を震わせた。
ゼフィルの笑い声が、氷の裂け目の向こうから響いてくる。
「ようこそ、MI6。お前たちの終焉を、この地で祝おうではないか。」




