↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【127万PV突破】 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『魔王と勇者の継承者(デュアル・ヘリテイジ)ダイ・マオウの大冒険』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1793/1921

第6話 救出 炎の修道院

地下牢。

鎖に縛られたセリーヌの瞳が仲間を見つめる。

彼女の身体には無数の擦り傷と疲労が刻まれていたが、その瞳だけは決して折れていなかった。


アイゼンハワードは瓦礫の雨を魔族の力で弾き飛ばし、セリーヌに駆け寄る。

「セリーヌ、もう大丈夫だ……必ず連れ帰る。」


鎖は異能兵器で強化された赤黒い鉄。

通常の刃では切断不可能だった。


そこでジャスパーが即席の装置を取り出し、笑みを浮かべる。

「お前の首輪、俺の発明品でぶった斬ってやる!」

装置から放たれたプラズマの閃光が鎖を焼き切り、金属が爆ぜるように弾け飛んだ。


セリーヌが自由を取り戻す瞬間、ルーカスが援護射撃で敵兵を撃退する。

「お前らは、終わりだ!彼女を連れて行け!」


だが、その光景を見届けながら、カリナ・ヴォルフは冷たい笑みを浮かべる。

「ふん……今は見逃してやる。だけど、これは終わりじゃない。」

銀色の瞳が淡く光り、超能力で周囲の瓦礫を持ち上げる。


その隣では、レオ・キムが端末を操作しながら小型ドローンを撤退させていく。

「遊びはここまでだ。次のゲームステージはアルゼンチンだ。」

眼鏡の奥で不気味に笑い、画面を閉じる。


カリナは高らかに言い放った。

「南米の心臓部で待っているわ。そこで、お前たちの墓を刻んであげる。」


二人の姿は闇に溶けるように消え、残されたのは燃え上がる修道院と、ようやく解き放たれたセリーヌ。


アイゼンは彼女の肩を支えながら、低く呟いた。

「必ず決着をつける……赤き秩序に。」


外では火の手が夜空を赤く染め、MI6チームの撤退戦が始まろうとしていた。


修道院の鐘楼が赤々と燃え上がり、夜空を裂くように煙が立ち昇っていた。石壁のひび割れからは炎が吹き出し、崩落した天井から火の粉が雨のように降り注ぐ。


 鎖を断たれたセリーヌは、まだ足取りが覚束ない。それでも自ら歩こうとする強い意志が目に宿っていた。彼女の両脇を支えるのは、仲間の傭兵たち。汗と煤にまみれながら、全員が一つの出口へと走り出す。


 だが、回廊の先には“赤き秩序”の追撃部隊が待ち構えていた。重装の兵士たちが盾を構え、松明に照らされながら無言で突進してくる。


 最初に前へ躍り出たのは、炎に照らされる銀髪の女――カリナだった。彼女は舞うように双短剣を構え、冷ややかな声を響かせる。

「お芝居はここまでよ。逃げ場なんてない」


 続いてレオキムが鎖鎌を振り回し、火花を散らしながら言い放つ。

「せいぜい足掻け。だが覚えておけ……アルゼンチンで待ってるわ」


 その嘲りを背に受けながら、仲間の一人が火薬樽を転がし、火矢で点火する。轟音と爆風が回廊を埋め尽くし、兵士たちの隊列が崩れた。その隙に、セリーヌを守る形で一行は突き進む。


 だが修道院そのものがすでに限界だった。天井から巨大な梁が落ち、通路を塞ぐ。煤と炎の渦の中、必死に瓦礫を押しのける者、燃え盛る布を踏み越える者。悲鳴と怒号が交錯し、まさに地獄そのものの光景だった。


 外の冷たい夜風が感じられたのは、その直後だ。崩壊する門をくぐり抜け、彼らはようやく燃え上がる修道院から脱出した。


 振り返ると、修道院は炎の塔と化し、闇夜を赤く照らしている。セリーヌは胸を押さえ、震える声で呟いた。

「……あの二人……必ず、また来る」


 そして仲間たちもまた、重い息を吐きながら炎の彼方を睨みつけた。

彼らの戦いは、まだ終わっていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。