第5話 赤い秩序計画の正体
南アフリカ レッドウルフ基地の中枢制御室。
壁一面を覆う強化ガラスの向こうには、深海の暗闇が広がっていた。
無数のコードとパネルが青白く点滅し、巨大な端末群が唸りを上げている。
ジャスパーが指を素早く走らせ、セキュリティを突破していく。
「……あと数秒で内部アクセス完了だ。待てよ……これは――」
その瞬間、巨大スクリーンに映し出されたのは世界地図だった。
ニューヨーク、ベルリン、東京、ケープタウン――主要都市に赤い点が点滅し、やがてそれらを結ぶように血のようなラインが世界中に走り出す。
「赤い秩序計画……!」
セリーヌが思わず声を上げる。
ジャスパーの声は震えていた。
「こいつは……ただの武力行使じゃない。海底ケーブルを掌握して、世界中のインフラを支配する気だ!」
スクリーンの赤いラインが網目状に広がり、銀行のサーバー、通信衛星、防衛システムが次々と赤色に染まっていく。
キャプテン・ドレイクが低く唸る。
「通信も……銀行も……戦争さえも……全てが奴らの掌の上に!」
アイゼンは歯を食いしばり、スクリーンを睨みつけた。
「ゼフィル……貴様の野望は世界そのものを縛り上げることか。」
突如、端末からノイズ混じりの映像が映し出される。
銀白の髪、鋭い瞳。ゼフィルの姿だ。
「やはり来たか、アイゼンハワード。だが遅かったな。」
彼の声は冷たく、深海の水圧のように胸を締めつける。
アイゼンは銃を構え、静かに言い返す。
「まだ終わっちゃいない。お前の“秩序”は、俺がぶち壊す。」
ゼフィルの口元に薄い笑みが浮かぶ。
「ならば、世界を背負って沈めばいい……深海と共に。」
映像が途切れた瞬間、制御室全体に赤い警報が鳴り響き、金属シャッターが一斉に降りていく。
次なる戦いへの布石
赤く脈打つ世界地図。
迫る閉鎖空間の圧力。
そして、ゼフィルが用意した“次の一手”。
アイゼンハワードたちは、深海で人類史を揺るがす最大の陰謀に直面していた。




