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アルカナの魔導書を求めて  作者: 小比類 巻
6/7

EP.6 モニカとフェルディナント

気が付けば長髪の女にスライムは抱き抱えられ撫でられている。

当のスライムはぷるぷると怯えているが私も正直ちょっと怖いので生贄になってもらおう。

撫でている本人はニコニコとスライムを撫でているので満足しているならそれでもいいか。

「ところで自己紹介がまだだったわね」

長髪の女はあの形相とは裏腹に健やかな笑みを浮かべながら話しだした。

「私はモニカ、このボンクラはフェルディナント」

その発言にボンク…フェルディナントは言い返そうとしていたがモニカはそのまま話を続けた。

「調べていないのは迷いの森の中だけなの」

モニカはさらき話を続ける。

「私達もそのクエストを受けるから、秘薬を探すのをあなたにも手伝ってほしいの」

私は特に深く考えず承諾することにした。

「ありがとう、助かるわ」

ふとあのフェルディナントに目を向けると他の席で食事をしている女性を口説いているようだった。

なんというか腹立たしいやつだ。

「そういえば貴方も旅をしているの?」

モニカは私に問いかけた。

「はい、人探しの旅をしています」

一体誰を探しているのかとモニカは聞いてくる。

「父を探してるんです。私が生まれてすぐにいなくなっちゃって………」

そして私は父が居なくなる前にアルカナの魔導書を探していたことやそれに関わることを伝えた。

モニカは目を丸くして言った。

「アルカナの魔導書を探してたの?一体何の目的で?」

首を傾げながら答える。

「私にもわからない、けれどなにか理由があるはずなんです」

「………とにかくお父様が見つかるといいわね」

モニカは声を少し暗くしてそう言った。

これからの旅を考えると少し不安になる。

お父さんはまだ生きているのか、それとも既に何処かで………

「ねぇ、大丈夫?」

気がつくと目に涙が浮かんでいる。

ほとんど会ったことのない父親でも心のなかではとても大きな存在なのかもしれない。

「…すみません、会うことができないんじゃないかって不安で不安で仕方がなくて」

ぼそぼそとモニカに話した。

「お互い苦労してることは別々だけど、一緒に頑張りましょ」

モニカは私に右手を差し出した。

私はその手を取り軽く握った。

「なにか食べたいものある?ご馳走するわよ」

フェルディナントは朝食抜きねと言って、私とモニカは別のメニューを注文しに行った。

これからどんな旅になるのかもわからないし、どうやってここから進んでいくかもわからない。

でもきっと必ず父を見つけることができる。

そう信じて私は旅を続けるんだ。


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