EP.5 朝食と冒険者
とにかく私達は食堂へとやってきた。
「………そういえばスライムって何食べるの?」
「だいたい木の実とかが多いよ」
とりあえず木の実のサラダとモーニングセット、コーヒーを注文してテラス席のある2階へ向かう。
今日は天気がいい。
ポカポカとした陽気にまた少し眠気が出てくる。
しばらく待っていれば食堂の人が注文したものを持ってきてくれる。
バターの塗られたトーストにたまごペースト、そしてサラダがモーニングの内容だ。
「ありがとうございます」
受け取って木の実サラダをスライムに渡す。
そしてできたてのモーニングを食べ始める。
香ってくる匂いは母の朝食とは違うのが少し寂しく感じる。
コーヒーを飲んでもそうだ。
少し苦い。
飲めないと言うわけじゃないが、ちょっぴり苦手だ
「やあお嬢さん、一緒にお茶でもどうかな?」
席は3席、私とスライムの座っていない席に一人のチャラそうな茶髪男が拒否する隙も与えず座ってくる。
「一緒にお茶するとは言ってませんけどね、用がないならさっさと帰ってください」
トーストを齧りそういった。
「まあまあそんな事言わずに話くらい聞いてくれたっていいじゃない」
顔だけはいい男なんだから黙っていれば完璧なのにと思う。
「噂になってたぜ?あんたあの誰も受けたがらねぇクエスト受けたんだろ?」
「まあ」
コーヒーを飲みながら素っ気なく返す。
「俺もつれていってくれよ、金に困っててさ」
かと言って行く人間が自分しか今居ないのも事実受けたほうが得策と考えるべきだろう。
「はぁ…仕方ないですね…」
大きくため息をつきながら仕方なく承諾した。
「いやー貴女のような美しいレディーとデートできるとは光栄だなぁ」
「あなたみたいな男とだれもデートなんてしたがらないと思うわ」
チャライ男の背後にたっていたのは一人の女性だった。
スタイルが良く、風に靡く長髪はサラサラとしていて美しい。
茶髪男は苦虫を舌で潰したような顔をして言った。
「なんでお前がこんなところにいるんだよ」
「貴方のご両親に貴方の面倒を見るように言われてるから仕方ないでしょ」
長髪の女は嫌そうな顔をしてそう答えた。
「そもそも貴方、貴族の生まれなのに金が無いとはよく言えたわね」
ゴゴゴゴという音が聞こえてきそうな鬼の形相でその茶髪に迫る。
「まて、このレディに迷惑がかかっちゃいけないだろう?」
「そうだそうだ!」
スライムはぷるぷる震えながらやじを飛ばしている
茶髪男は恐ろしく素早い速度で私の背後に回り込んだ。
私じゃなきゃ見逃しちゃうね。
そして逃げて背後に回ってきたのは、この弱虫スライムも同じようだった。
「…そうね、失礼なことをしたわ」
長髪の女から鬼の形相が取れたので少し安心した。
面倒な人たちに絡まれてしまった気がするが、クエストの仲間が増えるのはありがたい事だろう。
不安だけどとにかくクエストに挑むことはできそうだ。




