遭遇、そして戦闘へ
みここです。初投稿なんだけどなー。
街道というには整備のされていない、どちらかといえば獣道のような道をまっすぐ歩き続けて1日が経った。ただでさえ美少女の身体であり、ろくに運動もしてない僕は歩みが遅い。その進みは牛歩と比べても勝てるかどうかはなはだ怪しかった。
一夜を野営で過ごしまた歩き出している。なおこの間にモンスターはおろか動物すら見ていない。一応人の道なのだからか、生き物は意図的に避けているようである。
メイド長からは、この道まっすぐに向かえばソフィーの家があると言っていたがその距離に関しては言及していない。先の見えない道程を進むのはやはり気が滅入るのだ。
進み始めてから5時間、時刻にして昼の1時頃だろうか。どこからか水の流れる音が聞こえる。
「水……か。飲み物も補給しておきたいし、寄ってみるかな」
僕はその音のする方へ向かう。進んでみればそこには滝つぼがあった。ごうごうと流れる滝からは神秘的な心地よさがあふれ出ていた。
「ついでだし、ここで水浴びでもしよう」
水を汲んだ後、僕は装備をはずし代えの服を用意する。そのまま服を脱ぎ、生まれた姿のまま滝つぼに体を沈めた。
「つめたっ」
ひんやりとした感覚が体を包む。疲れた体にいくらかの癒しが与えられた気がした。
「ふう、やっぱりべたべたとした身体じゃ嫌だもんね。一応女の子なんだし髪も洗わなくちゃ」
女子としてはそう長くない自分の髪を濡らす。頭から水をあびるとさらに気持ちがいい。ちょっとしたプール感覚だ。
ふと思う。そういえば僕は一応中身男のはずなのだけど、自分の体を見てもなんとも思わないなあ。そうして自分の胸――いくらか膨らんでいるそれに触れる。
「ううむ」
いくらか揉みしだいてもなんとも思わなかった。いや、変な気分にはなるんだけど男の時にあったような性的興奮は湧き出てこない。女の子ってこんなものなのかな。しかし触り心地は、自分で言うのもなんだかおかしいが、大変によろしかった。
――ガサッ
ふいに背後で音がした。
モンスターかと思い、焦って振り返ってみると、そこには全身を金属プレートで覆う騎士が驚いたような姿で立っていた。
騎士は目をうろこにした状態で動かない。
僕は、敵対行動をとらない騎士に違和感を覚え、自身の今の姿がどのようであるかを思い出す。
瞬間、僕の顔は火を吹くように熱くなった。見られた。
「き、きやああああああああああああ」
「ま、待ってくれ! 誤解d」
騎士が言い終わるやいなや、僕の投げたバングルが彼の顔に命中した。
騎士が気絶している間に僕は服を着た。ついでに彼に対しギフトを発動し力を奪った後、洗濯物を洗い始めた。自分でも悠長であるように思うが、こいつからいろいろ聞いておきたいしなにより力を奪っているから安心である。こういう一対一において僕のギフトはかなり有効なのである。もっとも1人かどうかは、こいつに聞かねばわからないのだが、みるところ周りに友軍は控えてなさそうだしなによりこいつが人質になるだろう。
彼が意識を取り戻したようだ。
「う、ううむ……」
「おい、起きたか」
「え……あ、ああ」
「お前は誰だ。なんであそこで僕の身体を見ていた」
「い、いや、あれは俺がたまたま水を飲みに来たらそういう場面だっただけだ! 決して悪気はない! そ、それにいい身体してたぞ! 君!」
とりあえず一発殴っておいた。なんにせよ見られてしまったことを知り、かなり恥ずかしい。こいつを土にでも埋めてやろうか。しかしなぜ元男なのに男に裸体が見られたことがこんなにも恥ずかしいのだろう。いや、誰だって恥ずかしいわな。うん。
「とりあえず、俺を放してくれないか?」
「いやだね、僕が洗濯を終えて旅立てるようになったら解放してやる」
彼は今ロープで縛られている。結構きつく縛っておいたのでそうそう抜けられるものじゃない。こんな野郎に見られるなんて一生の不覚だよ、まったく。
もう一発殴っておこうかな、なんてそんなことを考えていた矢先――
――ガサガサガサ
さらに別のところから音がした。
また騎士がやってきたのかと、そう思ったがそうではなかった。
それは体が大きく、顔が豚のようで、恐ろしく醜い形容をしていた。
オークだった。それも3体。
ここにきて初めてのモンスターとの遭遇である。彼らは水の飲みに来たのだろう。滝つぼを見ながら歩いてきたが、こちらに気づくと臨戦態勢に入った。目が本気である。確実に殺気を放っていた。
「3体か……僕でもやれるか?」
正直戦闘なんてしたことない。しかし今はこの騎士から力を奪っている。今なら行けるのではないか?
逃げるという選択肢も一応にしてあったが、ロープできつく縛った騎士一人をおいていくなんてもちろんできなかった。もう戦うしかない。そう思い、腰のベルトからダガ―を引き抜く。
一気に駆けだした。
まずは先頭のオークだ。
速さについてこれなかったのか、反応が遅れている。すかさず僕は、ヤツの足を切った。深く切りつけた足からは血が噴き出し、足をつく。それを見た残りのオークは棍棒を振りかざして僕に迫る。いくらオークとはいえ、力は僕なんかよりも強い。そんな棍棒の一撃をくらったら危険だ。一撃退場もありうるだろう。
しかし振りの遅い彼らの攻撃は、僕からすれば止まっているように感じた。華麗に避けつつ攻撃を当てていく。勝てるかもしれない。そう思った。
だが――
ブンッ!!
後ろから振られた棍棒が僕の腕もろとも体を吹き飛ばす。
「ぐふっ!」
見ると先ほどまで足から血を流していたオークが棍棒を振り切っていた。戦闘不能にした、そう思っていたが油断した。そのオークの近くには空になった瓶が転がっており、流れていた血は傷ごとなくなっていた。
「回復薬っていうやつかよ……」
利き腕が動かせない状態で、しかも痛みで体がいうことを聞かない。もうだめだ。
オークが迫る。こんなところで僕、死ぬのか。嫌だ! 死にたくない!
大きく振りかざした棍棒が振り下ろされる瞬間、僕は強く目をつむった。
ガゴンッ!
鈍い音が頭の上で鳴る。
上を見上げると、先ほどまでロープで縛っていたはずの騎士が、後ろから僕は抱くようにして攻撃を防いでいた。ぎりぎりと剣で受け止めつつ、
「まったく、ロープはもっとゆるくしてくれよ? 解くのに時間がかかっちまった」
そういって彼は棍棒を弾き飛ばす。
「さあ、レディに傷をつけた君たちには、ちょいとお仕置きが必要みたいだね」
みここでした。初投稿だったんだー。
ここまで読んでくださりありがとうございます。ついに初の戦いができました。にしても文章量が日に日に増えてるなあ。読むのが億劫という方、すみません!できれば短くしたかったんですけど、どうも難しくて!
このアカウントで同時連載中の「引き籠りでFPSゲーマーの俺が異世界転移してアサルトライフルで無双したZE!」のPVがかな~り多い。この作品は現在それを抜くという目標でやっておりますので、どうぞご感想なり評価なりをお待ちしております!




