親方!空からなにか降ってきてません!?
みここです!忙しいね!
運ばれた料理。端的に言えば美味しかった。獣人が働いているからと言って、何かしらの動物の毛が入っている、などということはもちろんない。その料理はムレル貝という貝が大きく中央に飾られ青や黄色や赤色の色とりどりな野菜も添えられていた。
食べ終え、満足した僕は外に出る。
「さて、これからどうしようか。アートラスさんの教えてくれた料理はさすがだったけど、余った時間はどうしようもないな」
シルフの像の鐘が鳴るのにまだ時間はある。せっかく集合場所に近いところにいるのだし、あまり遠くに行くのもどうかと思うしなあ。
レストランは、海に面した断崖の上に建っている。僕は今、そこから一本道を下り街の喧騒のぎりぎり届かないところにあったベンチに腰掛ける。空は相も変わらず青かった。
「マーマリオンかあ、ごはんもおいしいし、気候も風のおかげで温暖だし、いいところだよねえ」
そうして空を眺めていると、その青さの中に一つの点が見えた気がした。
その点は――いや、赤い色をした何かは次第に大きくなっていく。
「え、あれはなに……? 鳥?」
赤い鳥とは派手なものだな。僕がそんなのんきなことを思っている間も、それはおおきくなり、やがてそれが小さな赤い鳥などではないことがわかった。ぎらぎらした深紅の鱗と長い首をうねらせるトカゲ――ドラゴンだった。
「――なっ!」
高速で飛翔するドラゴンは、レストランのすぐ横、崖の下の海に思いっきり突っ込んだ。ものすごい轟音と共に水柱が盛大にあがり、崖上であるはずのレストランは、姿が見えなくなるまで水に浸かった。
海水の雨が止んだ後、先ほどまでの水柱の中心は静かな波に戻っていた。そこにぶくぶくと泡が出てきて、ドラゴンの首がにょきっと出た。
僕は既に断崖の上からダガ―を引き抜いて構える。
ドラゴンは、真上に大きく息を吸うと大きな声で、
「たすけてええええええええ!」
と叫び始めた。
見れば、首だけは水面に出てるものの、身体は出てこず、ひたすら水面下でじたばたしているではないか。
「これ、どうすればいいの」
ドラゴンの対応に困っていると、レストラン内から先ほど僕の注文を受けてくれたウェイトレスが出てくる。
「一体何事でしょう」
まあ、そういう反応するよね。
「こんな真昼間に誰か魔法の練習でもしてるんですかね」
そういいながらウェイトレスさんは崖下で暴れてるドラゴンを見やるが、その姿を目にすると「ドラゴンだああ」と叫んで昏倒した。
なんだか忙しそうな人たちだなあ。
後から出てきた他のスタッフにウェイトレスを任せ、僕はおそらく人畜無害なそのドラゴンを救出することに決めたのだった。
みここでした!ひー!なんでドラゴンが!?
これからどうなるんですかね。作者も微妙にわかんないどすえ。




