表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わりとえげつない能力で異世界踏破  作者: みここ
逃げ延びた先――アレバルザン王国
38/38

拡げたるは翼、上げたるは首、振られたるは尾

みここです。はい。生きてますよ。

 ドラゴンと言えば火を吹く古代の伝説級生物。小さい者から大きいものまで幅広く存在したとされ、その影響力は計り知れない。中には神にも近いドラゴンも存在するとされ、神と同様の数え方(一柱、二柱など)をされたそうだ。ひとたびそれが現れたものなら、人界では悲惨な出来事となる。そういった生物がドラゴンであった。

 そのような、出会えば即死級の生物が現在どうしているかというと――

「あ、ありがとうございますです」

「いえ、お気になさらず。それより体は大丈夫?」

「おかげさまでほら、この通り」

 赤い鱗が総毛立つと、そのドラゴンは真上に特大の炎を吐いた。目の前にいる僕にもその熱は届く。


――さきほど、超上空から海めがけて降ってきたこの深紅のドラゴンは、あろうことか海でおぼれていた。それを僕は近くにあったロープでもって引き上げたのだ。

「まさか助けていただけるとは思ってなかったです。人間にも優しい人はいるんですねです」

 人間……そうか、彼らからすれば僕は人間か。僕達が彼らにドラゴンと呼称するように。呼ばれた時の違和感からか僕はその者の名を訪ねた。

「え、我の名前ですか? 我はポコといいますです。ポコ・デ・ロア。」

「ぶっ!」

 思わず笑ってしまった。この体躯で実に可愛らしい名前だった。ポコ……ポコねえ……。

「ちょ、笑わないでいただきたいですよです。ロア族の一応の長なのですからです」

「長なのか、すごいね」

 そういうとポコは少し顔を曇らせる。

「長と言っても、もう我しかいないのですがです」

 ポコがやってきた空、その方角を強くにらみつける。

「そっちにポコの家はあるんだね」

「ええ。そうです」

 うーん……。気まずいな。そしてめんどくさいことになりそう。一先ずこのドラゴンは無害そうだし、このまま放置して帰ろう。あ、さっきの倒れたスタッフさんの様子だけ見ておこうかな。

「じゃあ僕はこれで失礼するよ。幸運を祈るよ」

「はい……って、ちょっと待ってくださいです! 今そんな雰囲気じゃなかったですよねです! 我を助けようとは思わないのですかです!」

「ですですうるさいよ! 今僕も国に追われてる身だし、仲間もいるし、こんな大きなドラゴンの面倒は見切れません!」

 僕はそう一気にまくしたてる。するとポコは目をウルウルとしはじめた。うっ……。

「そ、そんな顔しても無理なものは無理! 大体僕に何させようとしてるのさ!」

「餌付けだけでいいので、一緒にいさせてくださいです。帰るとこないのです。身体は魔法で小さくしますので」

 ポコはキュルキュルとしぼんでいき、手のひら大の大きさに縮む。極小の羽をパタパタとさせて僕の肩に止まる。羽虫程度の重さだった。

 むう……。これ、ヴァンに怒られるかなあ。

「……とりあえずみんなに聞いてからでいい?」

 あまりにもしつこい目線を送り付けるポコに根負けし、僕は渋々了承した。その返答にポコはめっちゃいい笑顔を向けてくる。

 ペット感覚なのかなあ。

 とりあえず、肩にポコを乗せたまま、先ほど倒れたスタッフの様子を見に行く僕であった。

みここでした。ポコです。ボコじゃないです。bじゃなくてp。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ