ざわめく森
みここです。得意なことは初投稿です。
アレバルザン王国に向かう道中。追手らしき影は撒いたが、奴らがいなくなったとは限らない。すべての魔法を把握してない以上、奴らも隠匿術のようなものが使える可能性は十分にある。用心するに越したことはない。シポースも全力疾走した疲れからか速度が落ちている。奴らがもう一度現れたら戦闘は避けられないだろう。
「ねぇヴァン、今日中につくかな……?」
咄嗟の判断で森に入ったが、ここがどのような場所なのかは分からない。ヴァンはなんのためらいもなく進んでいくが、出口は分かっているのだろうか……。少しずつ暗くなっていくあたりの景色を見ると少し不安になる。ヴァンを疑っているわけではないが。
「心配するな!アレバルザンには何度も行ったことがある。確かこっちであっているはずだ」
そう言い切るヴァン。僕は彼を信じることにした。まぁ、アートラスさんもいるし、二人とも分からないということはないだろう。馬車はゆっくりと木々の間を進んでいく。
馬車が森に入ってどれだけの時間が経っただろうか。僕はふと目を覚ます。眠っていたのか……。
「おはよう。よく眠れたかい?」
アートラスさんが僕を見ながら微笑む。眠っている間に追手が襲撃してくるということはなかったようだ。良かった。
「ごめんなさい。護衛なのに……」
「気にしないで。王国に来てから色々あったから……。君も疲れているのだろう」
私よりもずっとひどい目にあったにも関わらず、他人の心配をしてくれるアートラスさん。国を出た時はずっと無言だったからどんな人かと思っていたが、どうやら良い人っぽい。
さて、これだけ時間が経ったんだ。もう王国は間近だろう。僕は伸びをすると、馬車から身を乗り出し周囲の風景を見渡す。
「え……?」
一面緑。苔むした木々が鬱蒼と茂り、どこからか聞いたことのない鳥の声が聞こえる。空を見上げると月が浮かんでいた。僕はヴァンの方を見る。彼は申し訳なさそうに目を逸らした。
「ここ……どこ?」
明らかに王国ではない。どうやら今夜は森の中で夜を過ごすことになりそう……。馬車の中で寝るなんて初めての経験だ。三人分のスペースはあるだろうか。
「すまん! こっちであっているはずなんだが……」
頭を下げ、謝罪をするヴァン。別に責めるつもりはない。護衛もせず、手綱を引くこともしなかった僕には責める資格もない。とにかく、今考えるべきは今晩の過ごし方だ。
その時、辺りから奇妙な音がする。何か、這いずり回るような音。原生生物だろうか。それとも追手か? ヴァンもアートラスさんも気づいたようだ。僕はダガーの柄に手をかけた。
みここでした。
小説を書くにあたって方向音痴ネタは絶対入れようと思っていました。
身近なところにモデルがいたので。




